2004年発売
黒田官兵衛。戦国時代末期の異才。牢人の子に生まれながらも、二十二歳にして播州・小寺藩の一番家老になる。だが、「この程度の小天地であくせくして自分は生涯をおわるのか」という倦怠があった。欲のうすい官兵衛だが、「広い世界へ出て、才略ひとつで天下いじりがしてみたい」という気持ちは強かった。
イケメン高校生の翔矢と雪乃、従姉妹の可奈子が謎のプロバイダに登録してから、次々と奇怪な事件が発生する。同級生の自殺、日本刀に取り憑かれる男、電源を切っても着信するケータイ、連続殺人、忍び寄る幽鬼の手。彼らが堕ちた魔界の連鎖とは?第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。
あれは事故だった。夫の使うチェーンソーの操作ミスで、私は小指を失くした。その後、彼は何も言わずに家を出る。それきり音信不通だった夫が、拳銃で人を撃った挙げ句、廃屋に立て篭もっているという。しかも、女子高生と赤ん坊を人質にして。被害者の家族を巻き込んで展開する説得劇のさなか、一発の銃声が世界のすべてを暗転させた-。
人生に倦み、最高の刺激を求めていたジョン・ニューハウスは、塵に覆われた異星の海に棲む“塵クジラ”から採取される麻薬“フレア”を探す旅に出た。コックとして乗りこんだ塵クジラ漁船で、翼を持ち、優雅に空を翔ける異星人女性ダルーサと出会ったジョン。漁船で厳しい生活をともにするうちに、激しく惹かれ合っていくふたりだったが…。若き日のスターリングが華麗に描き上げた、ロマンティックな冒険ファンタジイ。
麻薬組織の追跡を振りきり、とある恒星系に逃げこんだミリガン運送のロイドとマージ、そして新任航法士の少女メイ。愛機の故障による窮地から3人を救ったのは、ガス惑星フェイダーリンクのリング上で暮らすコロニーの人々だった。しかし、星系政府が推進するフェイダーリンクの太陽化計画によって、彼らの居住地は消滅の危機を迎えていた。恩義に報いるため、ロイドらは一計を案ずるのだが…傑作ハードSF活劇第2弾。
マープルは、かつてともに事件を解決した富豪の死を知る。その一週間後、「ある犯罪調査をしてほしい」と富豪が記した手紙が届く。だが、具体的な犯罪の内容については何も書かれていなかった。マープルは手紙の指示通り旅に出るが、そこには様々な思惑をもつ人々が待ちかまえていた。『カリブ海の秘密』の続篇。
頭部を撃ち抜かれ息絶えた、愛する妻ステファニーの無惨な姿。それが現場に急行したバース署殺人捜査班ピーター・ダイヤモンド警視が直面したものだった。一体なぜ、彼女が殺されなければならないのか?長年連れ添ってきた妻を襲った、あまりに突然の悲劇に絶句し、立ちすくむダイヤモンド。同僚たちはただ遠巻きに見守ることしかできなかった。やがて葬儀も終わり、犯人逮捕に全力を尽くす決意をしたダイヤモンドだったが、被害者の夫が正式な捜査に参加を許されるはずもなく、たった一人で調査を開始する。だがそんな時、ダイヤモンドは、警察の捜査を統括するマガーヴィ主任警部に呼び出され、取調室へと連行される。彼に妻殺しの嫌疑がかけられているのだ。アリバイを追及されたダイヤモンドは激昂し、席を立つ。だが、殺害に使われた可能性のあるスミス&ウェッスンが自宅の庭から発見され、彼の立場は急速に悪化していく…。報復のための罠か?陰謀なのか?哀しみに震えるピーター・ダイヤモンド警視は一人の男として、最悪の事件に立ち向かう。衝撃のシリーズ第7弾。
借金に追われる銀行員マーブル氏はある日、海外での事業に成功した甥の訪問を受ける。彼の財産に惑わされ、甥の金を詐取したマーブル氏は、その金で自分の理想とする生活を築き上げようとするが…。海洋冒険小説「ホーンブロワー・シリーズ」で世界的人気を得た作者が放つ異色ミステリ。三十年代のミステリ勃興期に、犯罪小説の分野でリアルな人間像を創造し、ジュリアン・シモンズやドロシー・セイヤーズなどの絶賛を浴びた長編。英米ミステリ・ベストに輝く名作の本邦初訳、ついに登場。
文学の魔術師、カルヴィーノが語る、タロットの札に秘められた宿命とは…?王、女王、騎士、兵士など、城にやってきた様々な人間たちの物語が、タロットの札を並べるがごとく紡ぎ出されていく。世界最古のタロットカードの中に、様々な人間の宿命を追求しつつ、古今東西の物語文学の原点を解読するカルヴィーノ文学の頂点。
戦国の風雲児信長。その天才的な戦略・政策は家臣の誰もが窺い知ることの出来ない古今未曾有のものだった。光秀、秀吉、勝家を擁し、旧弊を打破する大いなる戦いに船出する信長の躍動感溢れる生涯。