2005年発売
作家とは名ばかりの非道な男、野嶋。だが、玲奈の想いは揺るぎない。やがて、雨降る京都の山荘で二人は結ばれる。幸福な時も束の間、事件を起こした野嶋は、追っ手から逃れるため、スペインへ逃亡した。家族の反対を押し切り、野嶋の後を追う玲奈。そして、約束の橋でめぐり逢った二人は、星の巡礼街道を歩み始めるのだが…。金沢とバルセロナ。東西の古都を舞台に紡がれる運命の恋。
元ヤンキーの美穂と女遊びに余念がない知弘。二人の夫婦仲は冷え切り、息子も登校を嫌がっている。一方、殺人で服役した和也は出所して前科者の父の家に戻るが、なぜか保護観察官が付き添い、和也らと家族のように暮らす。そんなある日、美穂にマン拓FAXや電波系コミックが届いた。一体誰が、何のためにー。二組の“不道徳家族”の狂気と復讐を描く、超破格の犯罪小説。
造園設計家・恵門は、記憶の中にぽっかりと空白があるのに気付いた。大事な会議で、使い慣れた用語がどうしても思い出せない経験もした。ひょっとしてアルツハイマー病か?医師の判断を仰ごうと決心し、身がすくむほどの不安を感じる。自分は本当に真実が聞きたいのか?もし宣告されたら、この先の人生は?とてつもない恐怖に直面する患者の気持が、読む者の心を打つ衝撃作。
元国務省特殊部隊員ジャンソンは見知らぬ女性から、命の恩人であるピーター・ノバックの救出を懇請される。ノバックはインド洋に浮かぶアヌラ共和国でイスラム過激派に捕らえられ、死刑を宣告された平和活動家である。ジャンソンはかつての部下を召集し急遽、アヌラへと飛んだ。一方、ワシントンでは5人の政府高官が“メービウス計画”を検討していた。巨匠の遺作、ついに登場。
ジャンソンらによる救出作戦は成功間際で悪夢と化した。その後ジャンソンは再三にわたって、命を狙われる。誰に、そしてなぜ狙われているのかー彼はただ逃げ惑う。そんな折、彼はジェシカというスナイパーと接触。ノバックに関する驚くべき事実を知らされる。そして、“メービウス計画”に参加したメンバーは立て続けに謎の死を遂げていた。世界規模の陰謀が静かに動き始めていた。
混血の女児は生まれた10分後に息を引き取り、教会の墓地に埋葬された。だが、“純血”に固執する白人の教会執事たちの意向で掘り出され、別の墓地へ送られてしまう。その夜、教会は猛火に包まれ、現場にいた黒人の父親イライジャが拘束される。さらに焼け跡からは、保安官の娘の焼死体が発見された…。怒りと哀しみの充満する町で救済を求める者たちの真実を追う感動のリーガル巨編。
貧乏旗本の末弟・弥平太は、長いあいだ部屋住の居候ぐらしをしていたが、二十九歳になって、やっとムコ入りの口にありついた。相手は十七歳の未通娘とあって、弥平太は天にも昇る心持。だが、彼には心配事があった。部屋住の身では吉原通いなど叶うはずもなく、未だ女の肌を知らなかった。そんな弥平太を見かねた義姉が男女の営みを指南することに相成ったが、夢中になってしまったのは義姉の方だった…武家妻のヨロメキを描いた「枕中・色の道指南」等、文庫初収録作品九話。
小説「人間革命」の連載を開始。半年後、聖教新聞も日刊化され、正義の師子吼はいよいよ力を増す。人種暴動が火を噴く米国ロスへ。真の人間平等を願い激励を続ける。恩師が夢見たメキシコも初訪問。正本堂建立の供養の受け付けを行う。欧州では、渡独して炭鉱で働く日本人青年など、人材育成に全力。創大設立審議会が発足し、念願であった壮年部も結成。伸一は一人でも多くの友を励まさんと命を削る。