2005年3月発売
海の厳しさは身過ぎの厳しさであり乗り越えれば生の喜びでもある。“とっぱずれ”に暮らし、強風にさらされながらそれぞれの海を見つめる人達。哀しいほど潔くあるいはしたたかに生きる男女を描く全八篇。
東京ディズニーランドのバイトになった21歳の若者。友情、トラブル、純愛…。様々な出来事を通じ、やがて裏方の意義や誇りに目覚めていく。秘密のベールに包まれた巨大テーマパークの“バックステージ”で働く人々の3日間を描く、感動の青春成長小説。
愛犬ドン・ファンと一緒に遊園地で遊んでいた亜由美は、拳銃を持った日本人女性と外国人男性のカップルに誘拐されてしまう。しかも、そのまま教会に連れ込まれ、彼らの結婚式の立会人になるよう強要された!男は南米B国の反政府ゲリラ、マルセル。そして日本人女性は“ルネ”と名乗り、マルセルと共にB国大統領の圧政に抵抗しているらしいのだがーなぜ?大人気の“花嫁”シリーズ第15弾。
今度の戦いの舞台は、1937年のNY。歴史の教科書でしか知らないギャングや音楽が流行し、戦争の影が広がる世界。歴史が変わってしまう瀬戸際に立たされたボビーの、涙と苦しみの戦いの結末はいかに!?
ひとり旅で訪れたベトナムで、私は恋に落ちた。この男と寝たい、という狂おしい思いを恋と呼ぶならば。サイゴン川のほとりで、ホテルの部屋で、互いを求め合う淋しい男女の物語。選考委員の圧倒的な支持を得て、第二回婦人公論文芸賞を受賞した話題の意欲作。
フェズ河以北の一帯、カムセンの地がデルフィニア領となって半年。タンガの元領主らがゾラタス王の制止すら振り切り、失地回復を叫んで挙兵した。早期鎮圧を目指し最前線で大剣を揮う戦女神リィに、再びファロットは暗殺の魔手を伸ばすのだった。
レコードのA面・B面のように、ひとつのストーリーを2人の別主人公の視点で綴った短編12編。たとえば、宅配便の荷物を届けた男と受け取った男の扉をはさんだ悲喜こもごも、バーで出会った初対面の男女、それぞれに願いを叶え合おうといった男の思惑、応えた女の思惑など…。出来事や出会いが立場の違い、状況の違いでどう受けとめられるのか、言葉と言葉の裏にあるものが描かれた不思議な一冊。
日常に〈裏打ち〉を刻めば、♂と♀の喜怒哀楽が剥き出しにされるーー。TOKYO FM「JET STREAM」のプロデューサーが街のノイズからトラックダウンした短編集。 村上隆 驚愕!〈さみしくて体が無くなってゆく気持ちが沸きあがって来ます〉 久保田利伸 絶賛!〈人恋しい人ほど、ひとりぼっち。やさしい語りの中に潜むたくましさに圧倒されちゃいました。〉 樹木の葉で見えないが、やっと死ぬことが出来た人間は私の上でぶら下がっている。ぶらぶら足を投げ出して。 セールスマンの妻なんて、クソ味気なく退屈で、しかも亭主は家を空け、アタシは街をうろついた。 営業成績が三カ月にわたり最低でみんなの前で罵倒されてさすがの俺ももう少しで落ち込むところだった。からすがかあかあ鳴いている。 ニホンに着いたその足でまず美容院に連れて行かれデパートで洋服を何着も買って貰った。新幹線に乗って京都にも行った。 「やり直すことにした」これが彼の口癖だった。「すみれと会えて良かった」というのもそうだった。 ガードマンは局舎のフロアーの三箇所に立つ。正面玄関とロビーそして通用門。二時間ずつ直立不動の姿勢を取る。辛いのは夏だ。 タクシー会社に再就職、アクセル踏めば自分の道を進んでいける。家計の助けに妻はモスバーガーでハンバーガーを売っている。 新婚旅行はそれなりに楽しくて人並みに新婚気分を味わって、帰ってきたらタケシが死んだと知らされた。 十代の頃、彼女は自殺未遂を繰り返した。ちょん、と背中を押せばいつだってすたすた向こうの世界に行ってしまったかもしれない。
獣医の思格をもつ里希のもとに、アフリカにある小国でレンジャーの仕事をやらないかという誘いが…。雄大なサバンナで野生動物を保護するー長年の夢が叶い張り切る里希だったが…着任早々のある晩、パトロール中に正体不明の男に襲われる。タテガミのような金色の髪と空色の瞳…肉食獣の如く里希の体を貪る男…。もしや彼は伝説のライオンの化身…キングなのか!?ロマンティック・アドベンチャー、書き下ろし。
弁護士志望のはずが…気づけば、CIAのエージェントに採用されてしまった拓海。研修期間中、超スゴ腕の上司、クリスから様々な訓練を受けることに…。ところが…つけられたコードネームは、子リスちゃん。…そして最初の指令は「上院議員をたぶらかし盗聴器を仕掛けろ」というもの。ラスベガス…さらにアラブへと諜報活動に飛び回りながら、クリスの実地の手ほどきが始まる…。書き下ろしエロチカ大作戦。
歌は、いかにして詩人の魂に舞い降りるのか?美空ひばりのレコーディング風景、石原裕次郎との運命的な出遭い、美輪明宏が歌うシャンソンの魔力-なかにし礼とという作詩家の軌跡=奇跡を、昭和史に残るスター達との交流から赤裸々に小説化した、『兄弟』『赤い月』に並ぶ自伝的三部作、ここに完結。
殺人スカーフを武器に紀元前からインド亜大陸で大量の絞殺を続け、植民地英国軍も震撼させた末、凄絶に滅亡した謎の集団“タグ”がインド史の闇から甦る。平成16年新田次郎文学賞作家、東郷隆の新境地、渾身の歴史奇譚。
リストラを専門に請け負う会社に勤めている真介の仕事は、クビ切りの面接官。昨日はメーカー、今日は銀行、女の子に泣かれ、中年男には殴られる。はっきり言ってエグイ仕事だ。それでもやりがいはあるし、心も身体も相性バッチリの恋人もいる。そして明日は…?笑って唸って泣かされる、女と男の危ういドラマ。