2005年9月15日発売
「殺しは仕事にしたことがない。殺しをしなかったとはいわないが」。あらゆるトラブルを請け負う男、ジョーカー。着手金は百万円、唯一の連絡場所は六本木のバー。噂を聞いた男と女が今宵も厄介事を持ち込んでくる。ジョーカーを動かすのはプライドだけー。待望のハードボイルド新シリーズ第一弾の連作短編。
ロス市警のみならず、FBIからも激しい妨害と警告を受けるボッシュ。孤独な捜査を進める彼に貴重なヒントを与えてくれたのは、今は全身不随の身となった元刑事のクロスだった。が、その身辺にも危険が迫り…。たくさんのもつれた糸が絡み合い、人の心の闇を炙り出す!現代ハードボイルドの最高峰。
艶やかに咲く枝垂れ桜の下で、老人が毒を盛られた。容疑者は彼の美しい妻、だが物証はない。事件を目撃した桜井京介は不可能犯罪の謎を解明したはずだったが?十六歳の日の忘れえぬ事件を語る表題作を始め、眩暈を誘う「二重螺旋」四部作など、魅力的な十の謎を収録。シリーズ初の短編集、待望の文庫化。
「妻を殺しました」。現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。動機も経過も素直に明かす梶だが、殺害から自首までの二日間の行動だけは頑として語ろうとしない。梶が完全に“落ち”ないのはなぜなのか、その胸に秘めている想いとはー。日本中が震えた、ベストセラー作家の代表作。
伝説の首塚に背を向けた「将門の椅子」に座ると死が訪れる。巨大銀行で囁かれていた迷信は現実のものとなり、エリート銀行員が次々に不審な死を遂げる。そして、阿部奈緒美が所属する国際部からもついに犠牲者が。大学の同期である奈緒美から依頼を受けた浅見光彦は、平将門の崇りとされる事件の真相を追う。
十二歳の夏に父を殺されてから、怒りと苛立ちを胸に一人で生きてきた。親を殺された者を見る、好奇の視線に抗うように。あの夏に何があったのか。なぜ父は友人に殺されたのか。二十一歳の今、敦也はなくした九年を埋めるために再び故郷を訪れる。胸に迫る衝撃の真相。著者の心情が強く投影された、魂の軌跡。
安保闘争で負った癒えることのない傷、時代に取り残されても捨てられない故郷への執着、基地が撤退しても消せない米兵への恋慕…熱い想いを抱き、戦後転換期の巨流に翻弄されながらも、強くしなやかに人生を守り抜いた女たちを描く傑作短編集。
パリの北にあるフランス海洋学研究所から、証人と証拠を消し去ったうえで、波動力学の実験データが盗み出された。時を同じくして、マレーシアでは空洞発生装置が、ロンドンでは膨大な量の対戦車ミサイル用の誘導ワイヤーが、そしてカナダでは小型潜水艇が、それぞれ何者かによって調達されていた。一方、MIT危機分析センター所長のジョン・ケナーはネットを通じていち早くその動向をキャッチするーこれらを結びつける共通項はいったい何なのか?平均海抜1mの島嶼国家ヴァヌーツは、水位上昇による領土の喪失を恐れ、地球温暖化の元凶であるとして最大の二酸化炭素排出国アメリカを相手にした提訴を決める。訴訟支援を表明した環境保護団体NERFに、多額の資金援助をしている富豪ジョージ・モートンだが、その行動が普段と違うことに顧問弁護士のピーター・エヴァンズは気づく。時を置かず、モートンは失踪して行方不明となり、自宅からは暗号のように四組の数字が並べられたメモが発見される。そこにケナーが現われ、人為的気象災害を目論む環境テロリストの存在が明らかとなるのだが、果たして目標となる地域は何処で、一体そこで何が引き起こされるのか?エヴァンズはモートンの秘書サラと共に、南極に始まる、世界各地での戦いの渦に巻き込まれて行く。いま現実に起こり得る恐怖を描きながら、地球温暖化問題への明確な立場を示して、全米でも話題騒然の巨匠最新作。
ある島嶼国家が地球温暖化を盾に合衆国相手の訴訟を表明した。その機に乗じて環境テロリストが仕掛ける人為的異常気象災害。目標となる四つの地域の情報から彼らを阻止すべき者達の戦いが始まる。地球温暖化は本当に起こっているのか?環境テロリストによる人為的気象災害を阻め。
金国が起死回生を賭けて狙う伝説の書。南宋の悲運の名将・岳飛がそこに記したものとは何か?また重い内傷を負った黄蓉の命を救うべく、郭靖は桃源郷に隠棲する雲南大理国の皇帝のもとへ赴くが、そこで意外な事実が!?物語はいよいよ佳境へ。
苦手なお克とついに食事をすることになってしまった文之介。頭が痛いとはいえ、瀬戸物屋に這入った盗っ人も捕えなくてはならないし、子供の掏摸も探さなくてはいけないしで…。八方ふさがりの文之介は、一体どんな智恵をしぼるのか。
数年前に巷を騒がせた盗人、土蜘蛛一味が再び姿を現したという噂を銀次が耳にして間もなく、米問屋が押し込みに遭った。奉公人を殺害した畜生働きなのだが、義賊と呼ばれた土蜘蛛一味と盗みの手口が同じなのが銀次は気にかかり…。
生きることに絶望した入沢拓人は、風俗街で思う存分セックスをしてから自殺しようと決意する。しかし、偶然テレクラで知り合った風変わりな少女の孤独な魂に共感を覚えた入沢は、再び生きる気力を取り戻し、少女と10年後の再会を約束する…。純粋すぎるがゆえに、社会やあらゆる人間関係からはみ出してしまう青年の、苦悩と愛を描く衝撃作。
前世では、命を助けた者と助けられた者という関係にあった二人が、現世では、血も凍るようなプロジェクトの実行者となる。得体の知れない人間心理の恐ろしさ…。ひとでなしの倫理とは?ある研究の裏に隠された、国家の陰謀を描くホラーSF。