2005年発売
ジョン・バロンは胸を躍らせていた。これから永遠の追跡と逃亡の旅が始まるとも知らずに…。殺人課刑事にとって憧れのロス市警5-2班に配属されて初の捜査は、簡単な任務と思われた。だが犯人は逃走。その追跡劇のさなか、彼は伝説の5-2班の邪悪な一面と美貌の殺し屋レイモンドの存在を知るー。ロス、ヨーロッパ、モスクワをまたぐ壮大な陰謀の糸が、その姿を現しつつあった。
あの男は本当に死んだのか?自らと妹の命を守るため、名を変えイギリスへと逃亡したジョン。穏やかな日々と新しい未来がつかめたかと見えた矢先、再び蠢きだす過去の亡霊。パリ、チューリヒ、ダヴォス…ヨーロッパ全域に張り巡らされた「ロマノフの血」へと到る周到な計画がいままさに発動の段階へと到っていた。予想を裏切り続けるサスペンス巨篇が最後にたどり着く、血の結末。
玉の輿を願う本所の一膳飯屋「井筒」の看板娘、お蔦はかの長谷川平蔵に「天眼通の才吉」と呼ばれた名親分の忘れ形見。顔は悪いが情にはもろい、御用聞き「鬼不動の井蔵」に育てられた。実父譲りの「天眼通」で謎に近づき、養父譲りの情の厚さで謎から遠のく、お蔦の父娘二人三脚の捕物劇、その顛末やいかに?捕物帳に新ヒロイン誕生!こまやかな筆致が冴える、女流新人作家のデビュー作。
江戸屋敷勤番の侍だった月村四十郎。この男、“からす”につきまとわれているので鳥四十郎と綽名されている。病気の妻を抱え、用心棒家業で糊口を凌いでいたが、ある日昔の剣術道場の仲間に誘われ、用心棒仲間も嫌がる化け物退治を引き受けるようになった。江戸市中で起こる幽霊騒ぎ。見かけに似合わぬ繊細な小太刀を遣う四十郎は、化け物退治をつぎつぎとこなしていく。今日もまた江戸のどこかで“妖かし斬り”が…。恐怖のなかにも笑いが溢れる書下ろし長編時代小説。
カルチャー教室で中国文学の講座を受け持つ人気講師、真澄。中国茶講座を担当する香港出身の春麗と仁甫の許姉弟と親しくなった矢先、春麗が事故で急死したという報せが…。動揺する真澄を襲う、謎の拉致集団…。表向き青年実業家の仁甫は、実は黒社会の冷徹なる大老…ボスだった。チャイニーズ・マフィアの抗争になぜか巻き込まれてしまった真澄は、仁の屋敷に匿われたが…。デンジャラス・エロス書き下ろし。
大人気 新青春エンタ<戯言(ざれごと)シリーズ>!ぼく達は、幸せになった。 ついに大団円(フィナーレ)!完全燃焼、西尾維新! 「生きている以上、世界の終わりを物語の終わりを、諦めることはできない」“人類最悪の遊び人”たる「狐面の男」は「ぼく」こと“戯言遣い”に断言する。玖渚友(くなぎさとも)との決別。想影真心(おもかげまごころ)の暴走。そして、復活する哀川潤……。シリーズすべてを貫く伏線の楽譜(スコア)は絡まり合い、一気に奔流(クレッシェンド)をはじめる!そして、そして、そして、そして、そしてーー、ゼロ年代の小説界を駆け抜ける新青春エンタの決定版中の決定版、<戯言シリーズ>、その最終楽章となる『ネコソギラジカル』三部作、ついに大団円(フィナーレ)! 完全燃焼、西尾維新!!
突然、舞い込んだ絵はがき。差出人は三年前に、南極で死んだ兄だった。法の手がはるか及ばない、美しく残酷な極寒の地。そこで、兄貴の亡霊が、おれを誘っている。江戸川乱歩賞の「常識」をぶち破る、受賞第一作。
姉の仕事を手伝うためにフランスへ渡った一馬。三つ星レストラン「ル・コント・ブルー」で働くことに。ある日オーナーからマルコを買いつけてきてほしいと頼まれ、わずかな手がかりをもとに日本に戻り動きだす。幻のマルコ、はたして一馬はたどりつけるのか…。マルコとは?奇妙な冒険譚。
「待つ」とは未来を信じること、あるいは明日へ向かう強い意志。ひたむきに人を待つ美しさ、ひたすらに期(とき)を待つ凄まじさ…生に期する力を捉えた充実の名作群。掲載作品は、『内蔵允留守』『柘榴』『山茶花帖』『柳橋物語』『つばくろ(燕)』『追いついた夢』『ぼろと釵』『女は同じ物語』『裏の木戸はあいている』『こんち午の日』『ひとでなし』の11作品。
一日中稽古事に追われている大店和泉屋の娘にとって、湯屋での長居が息抜きだったが、土用の桃の湯でにぎわう大黒湯で、同心が刺殺される。八丁堀七不思議の一つ、“女湯の刀掛”が生んだ悲劇を描く表題作ほか、「ひゆたらり」「びいどろ正月」など全八篇。大川端の御宿『かわせみ』の面々による、大好評江戸人情捕物帳シリーズ。
ネス湖畔の寒村ティモシーで、突如として発生した凄惨な連続バラバラ殺人。空にオーロラが踊り、魔神の咆哮が大地を揺るがすなか、ひきちぎられた人体の一部が、ひとつ、またひとつと発見される。犯人は旧約聖書に描かれた殺戮の魔神なのか?名探偵・御手洗潔の推理がもたらす衝撃と感動…。ロマン溢れる本格ミステリー巨篇。
21年ぶりのご開帳の準備に追われる僧侶・無状は、「あのお薬師さまは偽物だ」と言われて困惑する。昔、火事から少女が助け出した際に折れたはずの指がある、というのだが。芥川賞作家が記憶の謎、「心」というミステリーに挑む表題作。人工透析で生きる妻の願いと夫の愛を描く「ピュア・スキャット」を併録。
昏い不気味な中庭のベンチに女が哀れな姿ですわっている。亡霊の魔力に魅入られた男はその顔を見ずにはいられなくなる…恐ろしくも忘れがたいバレージの傑作「見た男」、キラ=クーチ「蜂の小箱」、マッケン「地より出でたる」、ボウエン「罌粟の香り」、トムスン「闇の桂冠」など、恐怖の深い味わいが読者を魅了する英国怪奇小説傑作コレクション。
「かなしき女王」とは、ケルト神話の女戦士スカァアのこと。スカイ島の名の由来となったとされる、この美しく猛々しい女王と英雄クウフリンの恋と戦いの物語こそ、スコティッシュ・ケルトを代表する物語である。輪廻転生を信じる土着信仰ドルイドと古代キリスト教が入り交じった幻想的な短篇12篇に、新たに戯曲「ウスナの家」を収録。いずれも松村みね子の名訳による。
懐かしい町「月舟町」の十字路の角にある、ちょっと風変わりなつむじ風食堂。無口な店主、月舟アパートメントに住んでいる「雨降り先生」、古本屋の「デニーロの親方」、イルクーツクに行きたい果物屋主人、不思議な帽子屋・桜田さん、背の高い舞台女優・奈々津さん。食堂に集う人々が織りなす、懐かしくも清々しい物語。クラフト・エヴィング商會の物語作家による長編小説。
その男は「陰」を引き連れて現れた。「君の願望はー何だね?」人の噂に聞いたことがある。この都市に棲むという魔人の事を。曰く、暗闇より現れ、人の望みを叶えるという生きた都市伝説。夜より生まれ、永劫の刻を生きるという昏闇の使者ー。彼は夜色の外套を身に纏い、陰と共にそこに立っていた。鬼才・甲田学人が描く幻想奇譚。
魅力にとぼしい地味な男ジェリーの取り柄はエンジニアとしての資質とひらめき。おとなしい彼がわけあって怒った!復讐を誓った!相手は、互いを動物の名で呼び合うロス最強のギャング団。命がけのリベンジは成功するか?あてにならない警察。頼れるのは自分のひらめきと実行力のみ。一人ずつ、少しずつやるしかない…。大好評!シェルダンの中編シリーズ第三弾。