2006年1月発売
■内容紹介■ 禁断の恋に悩む兄妹、他人の恋人ばかりを好きになってしまう末妹、居場所を探す団塊世代の長兄、そして父は戦争の傷痕を抱えて……。愛とは、家族とはなにか。別々に瞬きながらも見えない線で繋がる星座のように、家族は、「家」という舟に乗って無限の海を渡っていく。心震える感動の短篇連作小説集、第129回直木賞受賞作。
大手ゼネコン・滝田建設の次期社長といわれる御曹司、遊馬…だが真実は、15の時に親の借金の代償として滝田に身体を買われ、以来、屈辱に耐え続けてきた奉仕人形。そんな折、恐喝事件に揺れる滝田建設では、緊密な関係にある極道たちとの極秘会議が開かれていた。遊馬はある野心のもと、キレ者と評判の若き組長、高瀬に手を組もうと持ちかけるが…。冷酷な闇の帝王が仕掛けるスリリングラブ、書き下ろし。
ふみは高校を卒業してから、アルバイトをして過ごす日々。家族は、母、小学校二年生の異父妹の女三人。習字の先生の柳さん、母に紹介されたボーイフレンドの周、二番目の父ー。「家族」を軸にした人々とのふれあいのなかで、わずかずつ輪郭を帯びてゆく青春を描いた、第二十五回野間文芸新人賞受賞作。
死を賭して得た剣名、生を捨てて得た剣技、何人にも負けるわけにはいかないー。宮本武蔵の最後の戦い、神子上典膳の師の後継を争う決闘。柳生但馬守宗矩の野心のための斬り合い。諸岡一羽斎、愛洲移香斎など、歴史に名を残す名剣客の決闘シーンを、剣の一振り、刃光の閃きまでもリアルに描く剣客小説。
旅客機がハイジャックされ、操縦士のオハラはアンデス山中の高所に無謀な不時着を強いられた。機体はひどく損傷し、犯人らは死亡。かろうじて生き残ったオハラたち九名は、高山病に苦しみながらも救助を求め山を下り始めた。そんな一行を、突如銃撃が襲う。一体誰が、何のために?背後は峻険な峰々。絶体絶命の窮地に陥った彼らは、驚くべきアイデアでこれに挑むが…壮大な自然に展開する死闘。冒険小説史上屈指の名作。
一八〇五年夏、ペテルブルグ。上流社会のパーティに外国帰りの奇妙な青年ピエールが現れる。モスクワでは伯爵家の少女ナターシャが名の日の祝いに平和を満喫。一方従軍するアンドレイ、ニコライらに戦火は迫りー対ナポレオン戦争を描いて世界文学史に輝く不滅の名作!新訳。