2006年発売
ごく平凡な女教師・吉田希美子は、ふとしたきっかけで登録した出会い系サイトで知り合った男との行為にのめり込んでいく。男は自分たちの性行為を録画撮影して、インターネットのアダルトサイトに投稿する趣味があった。ネット上を歩き回る淫らな彼女の顔にはモザイクがかかっていて、誰にもわからないはずだった。事件が起きるまでは…。“若き文豪”が過激な描写でネット社会の罠を描き、話題沸騰の問題作。
うまく契約を交わすことができたら、新しいホテルの総支配人にー老舗ホテルチェーンの社長である父との約束を胸に、アラブの小国ムハラクを訪れた、ほたる。王族で若き大富豪のユースフは、ほたるを「神様の贈り物」と称え、“二人が夫婦のように仲良く”なれば、すぐに土地売買の契約をすると言う。うっかり意味を取り違えたほたるは、縛りつけられ犯される羽目に…。書き下ろしハニーハニーマリッジ。
食品会社に勤める瑞希は、兄夫婦の忘れ形見である幼い甥と二人暮らし。毎日、幼稚園のお迎えや家事が大変な瑞希のために、仲良しの専務が派遣会社から住込みメイドを手配してくれたのだが…現れたのは、超美形のスーパー家政夫、維。昼夜問わず奉仕してやる!-そんな不埒な宣言をする維は…なんと瑞希の小学校時代の同級生だった!?苛められっ子が絶倫色男に大変身!逆転エロチックコメディ書き下ろし。
上海の租界に暮らしていたクリストファー・バンクスは十歳で孤児となった。貿易会社勤めの父と反アヘン運動に熱心だった美しい母が相次いで謎の失踪を遂げたのだ。ロンドンに帰され寄宿学校に学んだバンクスは、両親の行方を突き止めるために探偵を志す。やがて幾多の難事件を解決し社交界でも名声を得た彼は、戦火にまみれる上海へと舞い戻るが…現代イギリス最高の作家が渾身の力で描く記憶と過去をめぐる至高の冒険譚。
わたしはパリ郊外のパラダイス団地でママと二人暮らし。パパは家族を捨てて故郷のモロッコで再婚した。ママは清掃員の仕事をしてるけど、フランス語がうまくないし、バカな上司のせいでほんと苦労してるんだ。よく泣いてる。わたしも高校に友だちはいないし、おしゃれなんてするお金もない。でもでも、落ち込んでたってしかたない。きっといいことがあるんだと信じていたら、わたしの前にひとりのニキビづら男子が現われた。最初はアホで無神経でイヤなやつだと思ったんだけどな…フランス暴動で話題となった郊外に住む移民たちの生活をポジティブに、ユーモアたっぷりに描く珠玉のデビュー作。
平成××年3月2日、東京都教育局は、水商売に関する専門教育を行う都立高校を歌舞伎町に設立すると発表。正称「東京都立水商業高等学校」。ホステス科、ホスト科など七学科で発足された「水商」だが、集まったのは問題児ばかり。彼らに水商売の未来を支えることはできるのか!? その道のプロが指導する奇想天外な授業、みんなが燃えた甲子園…。世間の白い目なんか笑い飛ばす、エネルギッシュでちょっと泣けちゃう異色の青春コメディー。
「茶碗作りをやってみようと思っているんや」ずばぬけた商才で、近江の呉服古着商「絹屋」を瞬く間に大店に育て上げた半兵衛だったが、突然、京で大流行の磁器の製造販売を思い立った。窯も職人も販路も藩許もない。賢夫人と評判の留津は当初は猛反対していたのだが…。幕末の近江を舞台に、商人の清々しいロマンと豊かな夫婦愛を描く感動の傑作歴史長篇。
半兵衛が心血を注いだ窯は、彦根藩に召し上げられた。半兵衛は嘆願書を提出し、一縷の望みに賭ける。接収は、無償か有償か、代償はあるのか、役人との最後の大勝負が始まる。一方、井伊家十四男の鉄三郎が直弼として藩主となった。時は幕末の動乱期、譜代筆頭井伊藩は否応なく歴史の奔流に呑み込まれていく。近江商人と藩政の衝突を通して壮大な人間ドラマを映し出す傑作歴史巨篇。
献残屋「蓬莱屋」の番頭だった箕之助は、暖簾を分けてもらい芝三丁目に「大和屋」という店を出した。その年、京からの勅使一行が増上寺にも参詣するということで、二百八十畳もの畳を総入れ替えすることになった。箕之助はその仕事を請け負った畳屋「青葉屋」に不穏な動きがあることを知り、田町の街道筋で用心棒を務める日向寅治郎らと十年前の事件をあぶりだす。また増上寺の一件は浅野内匠頭の刃傷沙汰の発端となり、その後、意外な忠臣蔵の裏面史が浮き彫りにされていく。
私は9歳のとき、両親を事故で亡くし、アイダホ州ボイジに住む祖父にひきとられた。やさしく、ときにはきびしく、「生きる」ということを教えてくれた祖父。ふたりで暮らした日々の思い出のなかで、ひときわ鮮烈によみがえるのは、あの日の情景。それは、あの夏の日、ナゲキバトを撃ってしまった日のこと…。深く、静かに、あなたの胸を撃ちぬく物語。人はいかに生きるべきか?小さなぼくに教えてくれたのは祖父だった。
FIFA公認! あきらめなければ、夢はきっとかなう。 FIFAワールドカップへ続く3部作 第1弾!! 今年一番の号泣感動サクセスストーリー!! 「GOAL!」映画化!5月27日全国ロードショー
一族の面汚しとして死んだ放蕩者の兄のため、理不尽ともいえる仇討ちを甥に挑む又蔵。鮮烈かつ哀切極まる決闘場面の感動が語り継がれる表題作の他、島帰りの男と彼を慕う娘との束の間の幸せを描いた「割れた月」など「主人公たちは、いずれも暗い宿命のようなものに背中を押されて生き、あるいは死ぬ」と作者が語った初期の名品集。
三巻からなる「柳生武芸帳」。この行方を追い求める大目付の柳生但馬守宗矩を筆頭とする江戸柳生の門弟たち。そして柳生とは長年対立していた陰流・山田浮月斎一派が同じく武芸帳を追う。佐賀の竜造寺家再興を企てる夕姫たちも複雑に絡んでいく。一体、武芸帳に記されている秘密とは?五味康祐の最高傑作が遂に文春文庫に登場。
武芸帳に隠された秘密とは、どうやら、宮中に於ける某重大事件に係わるものらしい。事が公になれば柳生宗矩の破滅はむろんのこと、徳川幕府も無傷ではない。次々と仆れる柳生の高弟たち。大久保彦左衛門や松平伊豆守信綱も加わり、複雑怪奇の様相を帯びてくる。そして遂に宗矩と浮月斎の直接対決を迎える…。