2008年10月発売
超一流イリュージョニストの“魔術師”は早変わり、脱出劇などの手法を駆使して、次々と恐ろしい殺人を重ねていく。ライムたちは、ついに犯人の本名を突き止めるが、ショーの新たな演目はすでに幕を開けていたー「これまでの作品のなかで最高の“どんでん返し度”を誇る」と著者が豪語する、傑作ミステリ。
勤めていた会社を解雇され再就職もままならず、自分の保険金で妻子の生活費を捻出しようと、バイクの事故を装って自殺を図るために北海道にツーリングに出かける男(「旅の半ばで」)など、ヴィンテージ・バイクと、それらにかかわる無器用で、それでも必死に己の人生を生きる男女7人の姿を描く、連作短篇集。
大正に生まれ、見合い結婚で大阪に嫁ぎ、戦火をくぐり抜け、戦後の自由な時代の波に乗り…。人生の荒波にもまれつつも、平凡な少女は決して後ろ向きになることなく、その魅力を開花させ、みんながハルカの天真爛漫なキャラクターに引き込まれていく。ヒメノ式「女の一生」、直木賞候補の傑作長編。
ふいに消えた女ともだち、小説を書くために仕事を辞めたのに最初の一行が書けない「彼」、眠れない「わたし」。アルバイトでその日その日をつなぐ若い男女のよるべなく、ささやかな生。京都・鴨川べりの古アパートから火祭の夜へ、絶妙な語り口ですくいあげられた、若い日の確かな手ざわりが爽やかな感動を呼ぶ傑作。
魔将軍・イルテリシュが捕らえた青年・ジャライル。彼はチュルク国王からアルスラーン暗殺の密命を受けていた。チュルクの内情を知ったイルテリシュは新たな野望を思い立つ。一方、ヒルメスは客将軍としてミスル国を掌握するも、ナバタイ王国侵攻の報を受ける。急遽、出兵するヒルメスだが…。王都へ向かう女騎士・エステルの一行が雨のため足止めされた町に、魔軍が襲来する!だが窮地に現れたのはパルス精鋭軍であった!そこには軍師・ナルサスの恐るべき策謀が…。ついに十六翼将が並び立ち、大いなる恐怖が再臨する、瞠目の書下ろし最新作、第13弾。
チームメイトに“カモ”と呼ばれていた男がイタリア料理にオペラ、そして恋によって自分自身を取り戻すー。フットボールとイタリアへの愛に溢れたグリシャム快心のヒューマンドラマ。
あの『いま、会いにゆきます』よりも好きだという人が数多くいます。堤幸彦氏の映画『恋愛寫眞』との競作として世に出、その後『ただ、君を愛してる』と題して再度映画化され、物語の完成度とともに、恋することの切なさや美しさをリリカルに描いた傑作恋愛小説として35万部を突破した、市川拓司氏のもう一つの傑作です。物語のラストで語られる名セリフ、「別れはいつだって思いよりも先に来る。それでもみんな微笑みながら言うの。さよなら、またいつか会いましょう。さよなら、またどこかで、って。」の言葉の意味を、ぜひ味わってみてください。
サーカスの天才・武井丈吉が扮した怪人二十面相が夜空に舞う気球に乗り、忽然と姿を消してから十年、丈吉の愛弟子であった遠藤平吉のところにひとりの男が訪ねてくる。男の名前は明智小五郎、頬はこけ、眼は落ち窪み、死期が近いことがうかがい知れた。明智は二十面相が残した数冊のノートを平吉に差し出す。行方知れずとなっている師匠の注目を引くために、ひそかに二代目二十面相となることを誓っていた平吉は、ノートをもとに厳しい修行を始める。二十面相への復讐を胸に明智小五郎を継いだ小林との間に第二幕が切って落とされる。話題の映画「K-20」原作。
「ちょっとだけ……ほんのちょっとの間だけ……さよなら、おとうさん」 母親だけでなく、プロ野球選手だった父までも亡くした九歳の吾郎は、父と同じ道を歩むべく、リトルリーグに入団した。チームメイトとともに歩んだ三船リトル時代から、名門横浜リトル時代までをあますことなく描いた、劇場版「MAJOR 友情の一球(ウイニングショット)」のプレストーリー!
捕物帳作品といえば、江戸時代の江戸市中を舞台にしたものが主流の中で、本作は、時代も舞台も異色中の異色として大喝采を浴び、1978年、第八十回直木賞を受賞。81年には、桂枝雀主演によりNHKでテレビドラマ化された作品。ユーモアに溢れ、痛快至極の有明ワールドが完全復刊。
坂本家はサザエさんちと同じ七人家族。ニートの父親、息子溺愛の母親、サプリ漬けのおばあさん、大仏似で短大生の長女、美少女不思議ちゃんの高一次女、いじめに悩む優秀な中一長男。そんな一家を支えているのは、三女のミキ、中学二年生。しかし、彼女はいじめられっ子をかばったことからクラスで孤立し、家族にも崩壊の足音が忍び寄る。問題家族といじめに立ち向かう一年間を14歳の瑞々しい視点で描く、ほろ苦くもあたたかな青春小説。第一回きらら文学賞受賞作『ア・ハッピーファミリー』を改題し、待望の文庫化。
キャサリン・ダンスーカリフォルニア州捜査局捜査官。人間の所作や表情を読み解く「キネシクス」分析の天才。いかなる嘘も、彼女の眼を逃れることはできない。ある一家を惨殺したカルト指導者ダニエル・ペルが、脱獄、逃走した!捜索チームの指揮をとるのはキャサリン・ダンス捜査官。だが、狡知な頭脳を持つペルは大胆に周到に裏をかき、捜査の手を逃れつづける。鍵を握るのは惨殺事件の唯一の生き残りの少女テレサ。事件について何か秘密を隠しているらしきテレサの心を開かせることができるのは、尋問の天才ダンスしかいない…。ハイスピードで展開される逃亡と追跡。嘘を見破る天才ダンスvs他人をコントロールする天才ペルの頭脳戦。「言葉」を武器に悪と戦うキャサリン・ダンスの活躍を描くジェフリー・ディーヴァーの最新作。ドンデン返しの魔術師の超絶技巧がまたも冴えわたる。
「かわせみ」に逗留する華族夫人・蝶子は思いのほか気さくな人柄だが、築地居留地で賭事に興じて千春を心配させる。果たしてその正体は?表題作ほか、千春が麻太郎の出生の秘密を知る「西洋宿館の亡霊」など全六篇。
降霊術師を母にもったジャック・ロンドン…極北の自然を舞台にした『荒野の呼び声』『白い牙』の作家が、死の直前に描いた幻想に満ちた四編の初訳を含む五編で編む。
検索から、監視が始まる。 漫画週刊誌「モーニング」で連載された伊坂作品 最長1200枚 岡本猛はいきなり現われ脅す。「勇気はあるか?」 五反田正臣は警告する。「見て見ぬふりも勇気だ」 渡辺拓海は言う。「勇気は実家に忘れてきました」 大石倉之助は訝る。「ちょっと異常な気がします」 井坂好太郎は嘯く。「人生は要約できねえんだよ」 渡辺佳代子は怒る。「善悪なんて、見る角度次第」 永嶋丈は語る。「本当の英雄になってみたかった」