2008年3月27日発売
またの名をグレイス 上またの名をグレイス 上
アトウッド作のなかで最高傑作といわれる作品。1843年にカナダで実際に起きた殺人事件に題材を求める、入念な資料調査をもとに仕上げられた歴史小説風作品。同国犯罪史上最も悪名高いと言われている女性犯のひとり、16歳の少女グレイス・マークスの物語である。グレイスはfemme fatale魔性の女か、それとも時代の犠牲者か。単に歴史小説の域に留まらず、性と暴力をはじめとする人間存在の根源に関わる問題をミステリー仕立てで鋭く追及する。
聖者は口を閉ざす聖者は口を閉ざす
レイは故郷に戻ってきた。TV脚本家としての名声を捨て、生まれ育った団地の町に貢献するために。貧困と荒廃に覆われた町のハイスクールで、レイは講師をはじめる。少しずつ生徒たちとの交流も深まってきた頃ー何者かが彼の頭を殴打し、瀕死の重傷を負わせた。だがレイは警察に犯人の名を明かさない。捜査を担当することになった刑事ネリーズは、レイの幼なじみだった。献身的に町のために尽くしてきたレイは何を隠しているのか?ネリーズの捜査が、レイに関わった人びとそれぞれの物語を引き出してゆく…それはひとつひとつが悲しく、あるいは暖かく、そして何より彼らにとってかけがえのない物語だ。その果てに明かされる真相。善行をなそうとした男を見舞った悲劇の理由。スティーブン・キング、エルモア・レナードら、小説巧者たちが絶賛の声を惜しまない感動の大作。痛ましい現実に満ちた世界のなかで、しかし希望の光が最後に灯される。
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