2008年発売
童貫との最終決戦が始まった。梁山泊の漢たちは死力を振り絞り、戦場を駈けるーー。腐敗したこの国に、光は射すのか。歴史的傑作、ついに完結。(解説/ムルハーン千栄子)
ベストセラーとなった北方謙三の『水滸伝』。その読本がついに文庫化。人物事典や年表といった貴重な資料をはじめ、著者のエッセイ、編集者からの手紙などレアな文章が満載。読めば北方水滸の全てが解るファン必携の一冊。文庫化にあたり、著者から読者へのメッセージや、司馬遼太郎賞受賞記念エッセイなど、さらに特別なコンテンツを追加。100ページ以上増補した完全版。
新婚まもない華子は、古びた借家で夫の亮介を電動工具で殺害した!華子は弁護士に「あの家には鬼がいたの」と語り、事件の背景には壮絶なDVがあったことを示唆する。それを知った華子の父は、夫こそ加害者で、娘は被害者だと訴え、罪の軽減に奔走する。だが、やがて父親は「鬼」の真の正体を知り愕然となる!家族から殺人者を出した一家の崩壊する心理を描く、戦慄の新感覚ミステリー。
ぼくが転入してきたクラスで行われていた、ゲーム。それは異形の連続殺人者・牛男の次の犯行を予測しあうことだったー。最初は面白半分だった。でも、いつしか、ぼくたちは引き返せない地点まで来てしまったんだ(表題作)。災厄が露にした、きょうだいの秘密(「大洪水の小さな家」)。教室で突如火を噴く、恵子のサブマシンガン(「慾望」)。デッドエンドを突き抜ける、六つの短編。
地元の高校球児のスター・諸岡克彦が、謎の死を遂げた。それは、全身にガソリンをかけられ、火だるまになるという残忍で奇怪な事件だった。偶然その場に居合わせた、弟の進也、蓮見探偵事務所の加代子、そして“俺”は、その死の謎を解き明かすべく捜査を開始する。元警察犬“マサ”の視点で描く、宮部みゆきの単行本デビュー作。
夫を捨てた女は博多から、妻に逃げられた男は江戸から。女は家を飛び出した。男は女敵討ちの旅に出た。質素倹約を強いる将軍吉宗に対抗し、遊興が奨励され、空前の繁栄を謳歌する尾張名古屋へ。男も女も、夢に酔い痴れる。罠が待っているとも知らずに。歴史小説でしか味わえない、壮大な女と男の人間ドラマ。ロマンあふれる時代小説。
ダーティペア・イン・ソード・アンド・ソーサリー!?バーバリアン・エイジは、超人気テーマパーク。最新テクノロジーで大陸まるごとひとつをヒロイックファンタジーの世界に仕立てあげてしまっているのだ。ところがここに犯罪組織が介入しているとの情報があり、WWWAのトラコン、ユリとケイが潜入捜査に乗り出した…しかし道は険しかった。ロバート・E・ハワードに捧げる、シリーズ初のヒロイックファンタジー。
2037年6月8日、国連平和維持軍のビセサは“断絶”と呼ばれる現象で、アフガニスタンの国境地帯からもうひとつの地球、ミールに移転させられてしまった。そこは、200万年にわたるさまざまな時代と土地がつぎはぎにされた世界だった。アレクサンドロス大王やチンギス・ハンが覇権を争うミールで5年にわたり苦闘したビセサは、なんとか故郷の地球に帰還する。ところが、戻ったのは、自分が失踪した翌日、6月9日のロンドンだった。その日、地球を史上最悪の大災害が襲った。突如、太陽が異常をきたし、太陽嵐を起こしたのだ。そのため、未曾有の磁気嵐にみまわれた地球では、あらゆる機器が壊滅的打撃をうけて大混乱となり、多数の死傷者が出た。だが、これはたんなる前触れにすぎなかった。月面にいる若き孤高の天文学者ユージーンは、さらに強大な太陽嵐が2042年4月に起こると予測した。それだけの規模の嵐になれば、地球上のあらゆる動植物はもちろんのこと、人類が生き延びることは不可能だ。そこで、科学者たちは前代未聞の大計画を企てた。宇宙空間に地球と同じ大きさの盾を設置し、太陽の巨大なエネルギーを防ごうというのだ。途方もない計画の実現に向け、科学者、宇宙飛行士が結集し、たった4年あまりで“太陽の盾”を完成させようとするが…英国SF界の新旧ふたりの巨匠、クラークとバクスターが、『2001年宇宙の旅』に始まる“宇宙の旅”シリーズを新たな角度から描く〈タイム・オデッセイ〉シリーズ、待望の第二弾。
26歳、フリーター、処女。彼氏も友達も仕事もない苫子は、人の首の後ろのスイッチを探すのがクセ。スイッチを押せばその人はいなくなる…と空想する。夫の浮気で熟女ホステルになろうとするオバチャン、オヤジ専門のギャル、家具オタクで、家具目当てで結婚した嫁と離婚に陥ったサル男。ちょっと風変わりな人々に振り回され、苫子の人生が変わり始める。第1回日本ラブストーリー大賞審査員絶賛賞受賞作。
長い髪の女を殺せ。新宿、仙台、福岡、米沢…各地で同時多発する通り魔殺人。連鎖する殺意の背後に潜むものは?元FBI捜査官エミコ・クルーニルが事件のプロファイリングに挑む。
病身の妻を抱え心身が不安定なまま、重罪裁判所のグザヴィエ・ローモンは、妻殺しのランベール事件の裁判にのぞむ。被告は一貫して無罪を主張しているが、公判関係者は、ローモンを除いて全員、被告が犯人だと信じている。判事、証人、陪審員、被告、弁護士それぞれの過去と日常と内面がせめぎあう、スリルとサスペンスにあふれた審理の果てに、意外な結末が…。
徳川の中期、将軍綱吉の時代。零落した公家の娘染子は侍女として大奥に出仕する。綱吉に見初められてその寵愛を受けるが、大奥に囚われるのを拒んだ染子は、重臣柳沢吉保の側室となり、綱吉の子を生す。二人の男との三つ巴の関係のなかで激しい恋情に身を焦がす染子。絢爛な元禄の歴史を背景に、権謀術数の渦中でも、志に燃え恋に心解き放つ女と男の、強靱な恋愛を描く長編小説。
元盛岡藩南部家の剣術師範、十時平蔵。深川にある道場の主におさまっているが、藩から追われた苦い過去があった。困った人を見ると、せっこ(お節介)を焼かずにはいられない平蔵は、今日も他人の恋路に首を突っ込み、上覧試合の手ほどきをし、花のお江戸を東奔西走する。中西派一刀流の秘技「おぼろ返し」を揮う剣の達人でもある心優しき道場主と、平蔵を取り巻く人々がおりなす、下町人情あふれる時代活劇。
人並みはずれた鋭い嗅覚を持つ薬師の硯杖は、薬草を取りに入った山で、忘れえぬ女性の香りと酷似した秘毛を見つけ、その持ち主を見つけ出すことを誓う。ところが、川開き夜、その秘毛をお守り代わりに入れていた財布を掏られてしまう。硯杖の着物に残された匂いを手がかりに探し出した犯人は、はちきれんばかりの若さと肉体を持った女掏りだった…。硯杖が己の魔羅を薬にした裏治療で、女たちの悲しみや不幸を癒していく好評時代官能シリーズ第2弾。
兄にも劣らない腕を持つ整形外科医の類は、その美貌で数多の男と関係をもっていた。快楽のための遊び相手には事欠かないが、本気の恋をしたことがなかった類。だが、兄の恋人・月島の元恋人であった真咲との出会いにより恋を…愛することを知る。今まで味わったことない感情に戸惑い、臆病に…そして真咲がまだ月島を忘れられずにいるのではないという疑惑をも…。淫靡に濡れたドクターエロス書き下ろし第2弾。