2008年発売
行進、曲芸、ダンスから絵画、音楽、建築、散文までー。人間が人間として日々を生きるということと、芸術活動や芸術作品のありかたを常に結びつけて考えたアラン。第一次世界大戦に従軍し、戦火の合い間に熱意と愛情をこめて芸術を考察し、のびのびと書き綴った芸術論。
史文恭、ふたたび梁山泊を狙う 晁蓋を殺した男・史文恭は、柴進を次なる標的に定め、徐々に近づいていく。一方、公孫勝も袁明の暗殺を狙っていた。そして、ついに童貫と梁山泊が初めて刃を交える。(解説/吉川晃司)
篠田大介は、エリート営業マン。お見合いした静子は、笑顔のかわいい、たよりなげな印象の女だった。悪ずれしたところのない静子にいとしさを覚えて結婚を決意。だが、新婚旅行の初夜に…「無邪気な女」。男は指の美しい人妻・映子に溺れた。駆け落ちをしようと待ち合わせたバーに届けられたものは…「夜のアスパラガス」。日常にひそむ恐怖の戦慄を描くホラー劇場12編。
ある日、僕は妻子を残し大阪の街に家出した 大阪の街を舞台に、現実と妄想の狭間で、ワケありギョーカイ人と家出した僕が繰り広げる面白くもちょっと切ない一大エンターテインメント作品。彼の伝説はココから始まった。(解説/モブ・ノリオ)
コネティカットの農家に長男として生まれたアダム・トラスク。暴力を嫌い、つねに平穏を求める従順な青年に育ったが、厳格な父サイラスの愛を渇望する腹違いの弟チャールズに虐げられ、辛い日々を送っていた。サイラスは息子の弱さと兄弟の不仲を案じ、アダムにインディアン討伐の騎兵隊に参加するよう命令するが…。アメリカ文学を代表する文豪が渾身の筆で描き上げた、父と子の物語の新訳版。
従兄である昔の恋人との運命的な出会いによって過ちを犯した美しい人妻の運命は…。人間は愚かで罪深いものである…!『アマーロ神父の罪』の作者がドタバタ劇として描いたポルトガル文学の古典的名著。
花の季節、花見客を乗せた乗合船で、料亭の蔵前小町と旗本の次男坊は出会った。幕末、時代の荒波が、恋に落ちた二人をのみ込んでいく……「御宿かわせみ」の原点ともいうべき表題作をはじめ、計7編を収録。
父親とアラスカに来ていた小田切俊一は、ロッジで飼われている小熊のアダムと遊ぶのが好きだった。アダムは獰猛なグリズリーの子供なのに、人なつこかったのだ。それから、22年の時が流れ、俊一はアラスカロケ番組のディレクターに抜擢される。俊一は、息子の俊夫と再びアラスカへ。だがロケ候補地では「クマ王」と呼ばれる巨大熊が甚大な被害をもたらしていた…(「極北の王者アダムの生涯」)。人間と動物とのふれあい、家族愛を活写した3編の感動の物語。
反日感情の高まる中国へ拉致された岬美由紀、嵯峨敏也、蒲生警部の3名。国民すべてを日本開戦へと駆り立てるメフィストのコントロールを断つべく異国の地で奮闘する3人の命がけの戦いを描く大好評シリーズ第3弾!
インチキ催眠術師の前に現れた、自分のことを宇宙人だと叫ぶ不気味な女。彼女が見せた異常な能力とは? 臨床心理士・嵯峨敏也が超常現象の裏を暴き、巨大な陰謀に迫る松岡ワールドの原点。待望の完全版!
叶典子は29歳。英文タイピストとして働く、ごく普通の会社員。ある日、結婚パーティから疲れて帰ってくると、一人暮らしをするアパートの隣人が、お見合いの話をもって待ち構えていた。説得に根負けして、典子はさして気乗りのしないままお見合いをすることに。さらに「貴女を見ている」という差出人不明の手紙、弟の結婚の相談、典子の周りはたちまち騒がしい結婚モードにー。ウェディング・エンタテインメント開幕。
子供たちは、大人になるために「呪力」を手に入れなければならない。一見のどかに見える学校で、子供たちは徹底的に管理されていた。いつわりの共同体が隠しているものとはー。何も知らず育った子供たちに、悪夢が襲いかかる。
見せかけの平和がいま崩れる。 人類が手にしたのは、神の力か、悪魔の力か。 空前絶後のエンターテインメント、ついに佳境! 八丁標の外に出てはいけないーー悪鬼と業魔から町を守るために、大人たちが作った忌まわしい伝説。いま伝説が、「実体」となって町に迫る。 新しい秩序とは、おびただしい流血でしか生まれないのか。少女は、決死の冒険に身を投じる。 第29回日本SF大賞受賞
急逝した親友の告別式の夜、その不倫相手と、二人で飲んだのをきっかけに、エリカは、いつしか彼との恋愛にのめり込んでいく。逢瀬を重ねていった先には何が…。高ぶるほど空虚、充たされるほど孤独。現代の愛の不毛に迫る長篇。
朝敵とされた会津を救うため、秋月悌次郎は左遷の地より復帰、戊辰戦争の苦難が始まった…。後年、ラフカディオ・ハーンに「神のような人」と評されたサムライの物語。全一二〇〇枚、完結。新田次郎文学賞受賞作。
幕末の会津藩に、「日本一の学生」と呼ばれたサムライがいた。公用方として京で活躍する秋月悌次郎は、薩摩と結び長州排除に成功するも、直後、謎の左遷に遭う…。激動の時代を誠実に生きた文官を描く歴史長篇。新田次郎文学賞受賞作。
小説家アラスター・グレイは、グロテスクな装飾が施された一冊の書を入手する。『スコットランドの一公衆衛生官の若き日を彩るいくつかの挿話』と題されたその本は、19世紀後半の医師による自伝だった。それは、実に驚くべき物語を伝えていた。著者の親友である醜い天才医師が、身投げした美女の「肉体」を救うべく、現代の医学でさえ及びもつかない神業的手術を成功させたというのだ。しかも、蘇生した美女は世界をめぐる冒険と大胆な性愛の遍歴を経て、著者の妻に収まったという。厖大な資料を検証した後、グレイは小説家としての直感からこの書に記されたことすべてが真実であると確信する。そして自らが編者となってこの「傑作」を翻刻し、事の真相を世に問う決意をした-。虚か実か?ポストモダン的技法を駆使したゴシック奇譚。ウィットブレッド賞、ガーディアン賞受賞。
売れっ子ライター・虻原がマンションから転落死した。そのマンションには、虻原もかつて所属していた劇団の主宰者が住んでいた。最近、その劇団の芝居を巡り、二人には感情のもつれがあったらしいのだが…。虻原は、寄稿した雑誌の最終回のコラムに不可解な俳句を二首、残していた。さらに「六人の女王にたずねるがいい」という謎のメッセージが。はたして、俳句に隠された謎とは?(表題作)星座にまつわる六つの謎を解き明かす、まさに端正な本格推理。
あんな男なのに、こんなにも好き!鈍感、自分勝手、神経質、うだつが上がらない…なのにキュートでしかたない男たちと、必死に愛する女たち。行き着かない思いに、もどかしさと愛おしさが溢れてくる快作短編集。