2009年4月発売
シャムシ=アダド率いるアッシュール軍とイバルピエル率いるエシュヌンナ軍が全面衝突。オリエントに戦国を呼ぶ血の雨が降る時、剣戟の響きの中で暴かれる一人の女の真実。闇の王太子・ハンムラビの正体。失わなければ得られない。それでも君は、四方世界の王への道をゆくのかー。北の傭兵王vs東の天才。大河ノベル2009。
森の中で出会ったコノエが気になりながらも、通常の賞金稼ぎ生活に戻るライ。再びコノエにまみえたとき、共闘し、彼が賛牙であることを知る。その能力を得るつもりで、コノエとともに旅立つライだったが…。ライ視点で紡がれる『Lamento-BEYOND THE VOID』小説版。
人間にとって“お金”とは何か!貧困から来る孤独感、挫折と屈辱、そして鉢植えの「葉蘭」へ…。不況下のロンドンを舞台にした“現代的な”作品!書店員として働いた体験をもとに書かれた作品が今、新訳で甦る。
これで最後! 大人気ノベライズ第4弾! 銀魂アナザーワールド「3年Z組銀八先生」、堂々完結! ジャンプSQ.掲載の3編にVJ掲載の短編と書き下ろし1編を収録。もちろん空知先生描き下ろしイラストも充実! ファン大満足の1冊!!
宋建国の英雄・楊業の死から2年。息子たちに再起の秋が訪れる。楊家軍再興ー。六郎は、父が魂を込めて打った剣を佩き、戦場へ向かう。対するのは、強権の女王率いる遼国の名将・石幻果。剣を交えた瞬間、壮大な悲劇が幕を開ける。軍閥・楊一族を描いて第38回吉川英治文学賞に輝いた『楊家将』の続編でありながら新展開。『水滸伝』『楊令伝』に登場する宝刀「吹毛剣」の前史がここにある。
闘うことでしか生きられない者たちに勝敗を決する秋が来た。「吹毛剣」を手に戦う六郎に、父楊業の魂が乗り移る。その剣に打たれたとき、遼国の名将・石幻果の記憶がにわかに蘇る。運命に弄ばれた男たちの哀しみを描く慟哭の終章。乱世の終わりを彩る壮絶な物語が、いま静かに幕を降ろす。『水滸伝』に登場する青面獣楊志、楊令が佩く宝刀との奇しき因縁も明らかになる「北方楊家将」完結編。
雨の横浜ー「猟犬」と呼ばれる男、神奈川県警捜査一課・真崎薫の孤独な戦いが始まる!連続殺人犯・青井猛郎を追い詰めた真崎だったが、コンビを組んだ赤澤奈津をかばった一瞬の隙をつかれて深手を負い、逃走を許す。捜査から外されるも、青井を追い続ける真崎。犯人が次に狙う標的とは?そして真崎、赤澤、青井を結ぶ意外な接点とは?警察小説の名手が描く、緊迫の長編サスペンス。
ビアンキさんはイタリア中を旅するセールスマン。彼は、毎日9時きっかりに電話でお話を聞かせる約束を、娘としていました…。ビアンキさんのお話には、おてんばなミニサイズの女の子をはじめ、びっくりキャラクターが数々登場。シュールな展開に吹き出し、平和の尊さに涙する、きらめく珠玉のショートショート!20世紀イタリアの傑作童話登場。
廓遊びを知り尽くしたお大尽を相手に一歩も引かず、本気にさせた若き花魁葛城。十年に一度、五丁町一を謳われ全盛を誇ったそのとき、葛城の姿が忽然と消えた。一体何が起こったのか?失踪事件の謎を追いながら、吉原そのものを鮮やかに描き出した時代ミステリーの傑作。選考委員絶賛の第一三七回直木賞受賞作。
1866年、世界の海で奇怪な海難事故が続発する。事実、多くの船が「謎の怪物」を目撃していた。紡錘形で細長いが、クジラよりはるかに大きく、時に燐光を発し、異常な速力をもっているという。調査に向かった軍艦もまた攻撃され、同乗していたアロナックス博士らは海に投げ出されてしまう。そして、博士らを救ったのも「謎の怪物」だったが、それはクジラではなく潜水艦ノーチラス号だった。
1869年、帆船チャンセラー号は、アメリカからイギリスに向けて航行中、予期せぬことから、大規模な火災を起こす。鎮火の努力もむなしく船は沈没。生き残った乗客と乗組員は筏に乗り込み、漂流を始めるが…自然の猛威、飢えと渇き、そして…。フランスの軍艦で実際に起きた事件をモデルとしつつ、極限状況における人間ドラマとして、迫真の筆致で描き尽くした傑作。
フラナリー・オコナーは20代半ばから亡くなるまで、アメリカ南部の農園で母とともに暮らした。難病と戦いながらも、午前中の数時間を必ず執筆にあてた。南部の人々を多く描いたが、その目は全世界を見捉えていた。O・ヘンリー賞を生涯で4度受賞し、短篇の名手と賞賛される。下巻は、死後刊行の短篇集『すべて上昇するものは一点に集まる』と後期作品2点、年譜、訳者あとがきを収録。
大学二年の夏、サキは母親の計略に引っかかり、大っ嫌いな歯医者で受付のアルバイトすることになってしまう。個性豊かで、患者に対し優しく接するクリニックのスタッフに次第にとけ込んでいくサキだったが、クリニックに持ち込まれるのは、虫歯だけではなく、患者さんの心に隠された大事な秘密もあって……。サキの忘れられない夏が始まった!
和人によるアイヌ民族迫害の歴史を、誇り高き部族長の裔・コシャマインの悲劇的な人生に象徴させ、昭和十一年、第三回芥川賞を受賞した、叙事詩的作品「コシャマイン記」を中心に、棄民されていく開拓民の群像と、そこでの苦闘に迫る「ナンマッカの大男」「ニシタッパの農夫」など、北海道を舞台とした初期作品九篇を精選。アイヌと下層農民を描くことで、民族的連帯を模索した稀有なる試み。
一国の国家予算を超える盗みを働き、地球上に足跡の及ばざるところは皆無。明智小五郎やジェームズ・ボンドさえも翻弄する正体不明の大怪盗、ジバコ。彼の超人的かつ「1万ドルを盗むのに10万ドルをかける」少々フシギな活躍を描いた、北杜夫のユーモア小説における代表作。
生涯、二万に及ぶ発句。稀代の俳諧師、小林一茶。その素朴な作風とは裏腹に、貧しさの中をしたたかに生き抜いた男。遺産横領人の汚名を残し、晩年に娶った若妻と荒淫ともいえる夜を過ごした老人でもあった。俳聖か、風狂か、俗事にたけた世間師か。底辺を生きた俳人の複雑な貌を描き出す傑作伝記小説。
清の八十翁・松齢の庭に突如咲いた一茎の黒い花。不吉の前兆を断たんとしたその時に現われたのは(黒色の牡丹)。人間稼業から脱し、仙人として生きる修行を続ける小角がついに到達した夢幻の世界とは(睡蓮)。作家「司馬遼太郎」となる前の新聞記者時代に書かれた、妖しくて物悲しい、花にまつわる十篇の幻想小説。
博多・香椎海岸で発見された、某省の課長補佐と料亭の女の死体。一見して疑いようのない心中事件と思われたが、その裏には汚職をめぐる恐るべきワナが隠されていた。時刻表を駆使した精緻なトリックと息をのむアリバイ崩し。著者の記念碑的作品となったトラベル・ミステリーが、風間完画伯の挿画入りであざやかによみがえる。
地方都市にある高校で、ウリをやっているという噂のために絡まれていた琉璃を、偶然助けた上級生の周子。彼女もまた特殊な能力を持っているという噂により、周囲から浮いた存在だった。親、姉妹、異性…気高くもあり、脆くもあり、不器用でまっすぐに生きる十代の出会いと別れを瑞々しく描いた傑作青春小説。