2009年7月発売
太陽系国家ガンガー、そのほぼ国民全員が信徒であるという宗教組織、ナタラージャ教団の本尊、ナタラージャのヴァジュラが盗まれた。捜索を依頼されたジョウのチームが、その行方を追ってやってきたのは惑星ローデス。リッキーの生まれ故郷だった。彼が育ったのは地下都市ククル。地上に新都市ができてからはスラム化し犯罪の温床と化していた。空港に到着したジョウたちは、さっそく不気味な連中の襲撃に巻き込まれる。
ローデスは、マドックとラダ・シンという二人のボスがしのぎをけずる、ギャングに支配された惑星だった。ラダ・シンの手先に追われたマドックの娘、ミミーを助けたジョウたちは、ともに地下都市ククルに入る。たちまち異形のものの襲撃に遭ったジョウの一行は分断されてしまう。ククルはラダ・シンの魔道によって悪霊都市と化していたのだった!予期できない敵の攻撃に苦戦を強いられるジョウたちに打つ手はあるのか。
メディチ家礼拝堂に眠るミイラの内部から小さな石板状の物体が発見された。古病理学者イーディーの叔父はその石板を調査中、何者かに殺されてしまうが、死の間際にメッセージを遺していた。石板には詩のような暗号が刻まれていたというのだ。仲間とともにそれを解読したイーディーだが、その先にはさらに二重三重の謎が待ち受けていた。暗号によって護られ続けたメディチ家の驚くべき遺産とは?注目の知的サスペンス。
キーパー経験者のオッサがサッカー部に加入した。が、つまらないミスの連続で、チームメイトに不満が募る。14歳、中学2年生の少年たちは迷いの中にいる。心を揺さぶる、挫折からの再生の物語ー。
独身教員のための「修身寮」に入寮した田中。彼に課せられた任務は、寮の内情をレポートする、それだけのはずだった-。見えない「戦争」に次第に組み込まれてゆく高校教師の煩悶を、饒舌な文体と不穏な緊張感で描く、現代の不条理劇。第52回群像新人賞受賞作。
日露戦争前夜、一人暮らしの女医の診察室に夜ごと忍ぶ流れ者の男。いけないことと分かっていても、年下の男との甘美な情事に溺れてしまう女ー。美しく、そしてわがままに育った老舗呉服屋の養女は、やがて若い歌舞伎役者に惚れ込んで、ふしだらな逢瀬を重ねてゆく。その奔放な火遊びの結末は…。世情と男に翻弄される女心を、しっとりと艶やかな筆致で描いた時代小説の傑作。
「老い」のために、少しずつ崩れ始めた肉体に戸惑う青年と、南国のリゾート地を突然襲った悲劇との交錯。-日常性の中に潜む死の気配から、今を生きる実感を探り出そうとする11の短篇集。小説家は、なぜ登場人物の「死」を描くのかという謎を、ノルマンディ地方の美しい風景の中で静かに辿る「『フェカンにて』」。経済のグローバル化のただ中で、途方に暮れる一夫婦を描く「慈善」など。
こんな恋でも恋は恋。フェチ教授と女子大生の崇高な関係。「かげろう稲妻水の月」、ネット美女に恋をしたオタク青年の純情。「チャット・ガール」、独身主義が一転、彼女に子供が欲しいと言われ。「素っ裸の王様」、彼氏が突然お腹のなかに寄生虫を飼いだした。「虫のいどころ」。オール讀物新人賞受賞。
時は一七九九年。エジプトを蹂躙したフランス軍の次なる目標は中東だった。対するイギリスは、シリアの独裁者、殺戮者ジャッザールと手を組み、イーサン・ゲイジに指揮官ナポレオンの動向を探るよう依頼した。ユダヤ、キリスト、イスラム。三つの宗教が交差する聖地パレスチナを舞台に大戦の火ぶたはついに切って落とされる。フリーメーソン、テンプル騎士団、カバラ数秘思想、そして第四の文字が記されたロゼッタ・ストーン…銃殺、毒殺、蛇の穴をかいくぐり、ゲイジは全貌をあらわした“絶対の叡智”を手にすることができるのか?前作『ピラミッド封印された数列』からクライマックスへ。歴史ミステリー大活劇。
原作小説からアニメ・コミック・ゲームまで、超弩級ラブコメの全てがわかる。キャラクター、ストーリー解説はもちろん、各種ビジュアルも満載。電撃文庫編集部が贈るオフィシャルガイドブック。
高校時代を剣道にかける、またとない好敵手。最後の夏、ふたりの決戦のとき。新進気鋭が放つ痛快・青春エンターテインメント、いよいよ天王山!わたしたちは、もう迷わない。この道をゆくと、決めたのだから。
その事件は、郊外に建つ一軒の洋館で起こった。主の老資産家が、燃えさかる暖炉に頭から倒れ込んで死亡したのである。そして中庭では、窓から飛び出して落下した女が気を失っていた。うつ伏せに倒れた彼女は夕陽に照らされて、この世のものとは思えぬほど神々しかった。その姿は、まるでペンタグラムのように見えたという。古くから“魔術”のシンボルとされてきた五線星形のように…。裁判員制度を題材としたドラマ「魔女裁判」(フジテレビ系)をノベライズ。
父の会社が倒産。大学進学をあきらめ、借金の肩代わりをしてくれた大手製薬会社に勤めることになった悠真だが、研修先として連れてこられたのは孤島の別荘…実は自分は新入社員ではなく、若社長・一仁の花嫁候補だったと知らされ愕然とする。しかし逃げ出すことも叶わず、一仁から熱い初夜の手ほどきを受けるハメに。料理特訓、オフィス出前えっちの予行演習と厳しい修業は続き…。フレッシュマン妻!?けなげ愛。書き下ろし。