2011年発売
ジャンク屋のロウ・ギュールの前に現れた新たな敵『ライブラリアン』。彼らは、世界中のあらゆるデータを集めていた。独自の強化改造を施したモビルスーツを駆る組織のパイロットたちは、かつてアストレイと関わり死んでいった者たちであった。ギナ、蘊奥、ヴェイア、そしてプレア。コズミック・イラの世界の裏で新たに広がる戦いの渦。ミナの依頼を受けた傭兵部隊サーペントテールの叢雲劾も参戦、戦いは加速する!シリーズに登場したキャラクターが総出演し、これまでにない壮大なドラマが繰り広げられる。追加エピソードとして、ときた洸一による描き下ろしコミックを特別収録。さらに表題作に加え、単行本未収録作品の『ファントムペインレポート』と『オーブの女神』、未発表作品だった『天空の宣言』を、それぞれ初収録。
今坂一族の卜師梅香林は、鳶沢一族に張り巡らされた闇祈祷を看破した六義園を拠点とした闇四神の結界は富沢町、さらに駿府鳶沢村をも包囲していた。幾重にも仕掛けられた柳沢吉保の百年の呪いに十代目総兵衛勝臣は敢然と立ち向かう。一方、闇祈祷の術者の一人李黒は、鳶沢一族と一心同体であるはずの影・本郷康秀の元に去ったという…。壮大な物語が動き始めた。渾身の第二巻。
還歴を過ぎ念願の剣の修行を始めた、大店の元主・上州屋幸兵衛。熱心な道場通いで七年目に切紙持ちとなったが、大切な奉納試合を前に負けが込んできた。稽古不足か慢心か。日々の心を如実に映す剣の不思議を描く表題作はじめ、倅の敵を求め老親と孫連れで遍歴する男の執念の物語「峠の剣」ほか、自身も剣道の高段者である著者が切先に漲る緊張を臨場感たっぷりに描く本格剣豪小説集。
ある殺人事件の陪審員を務めるネフリュードフ公爵は、被告の女囚人を見て愕然とする。かつて自分が弄んで捨てた、下女のカチューシャだったのである。手違いでシベリア徒刑の宣告をされる彼女に罪の意識が芽生えたネフリュードフは、彼女を救うべく奔走しはじめるー。欺瞞に満ちたロシア社会への批判を織りこんだトルストイ最後の長編小説を漫画化。
絶対嗅覚をもつ調香師の小歌は、国王のためだけの特別な香水のコンペで、はるばる砂漠の小国ミシャリエまでやってきた。ところが、謁見の間には国王の他に白衣を着た謎の日本人が…。理知的な眼鏡の美丈夫、雅はこの国に暮らすフェロモン研究家。偶然にも他社の香水を浴びてしまった小歌は、幻の催淫花「千夜一夜の結花」に酷似した匂いを発したことで雅の実験材料にされてしまい…。禁断のパフュームラブ。
19世紀ロシア・ペテルブルクに、ある男が住んでいた。 男は過剰ともいえる自意識から「心の地下室」へ閉じこもり、社会と断絶した生活を送っていた。 あるとき男は、自身の過去の回想を記すことで、「人間の本質の非合理性」を明かしていくことを試みる。
茶道の家元、本郷家四男は真守は三十八年間、恋愛とは無縁のまま生きてきた平凡でお堅い考古学准教授。ある日、日本文化論の非常勤講師としてやってきた端麗な美貌の年下英国貴族アラステアから、そんな真守の地味さに興味を惹かれたと宣言され、意味不明な接触に砂糖漬けの台詞の数々…すっかりアラステアのかまわれ対象にされた真守。ついに、残業中の研究室で純情処女オヤジの下半身に最大の危機が迫る!?-。
名探偵ポアロ最後の事件。懐かしきスタイルズ荘へ戻ったヘイスティングズが目にしたものは?新訳シリーズ好評発売中【AC80】 『そして誰もいなくなった』 青木久惠訳【AC21】 『五匹の子豚』 山本やよい訳【AC6】 『邪悪の家』 真崎義博訳【AC47】 『秘密機関』 嵯峨静江訳【AC8】 『オリエント急行の殺人』 山本やよい訳【AC72】 『茶色の服の男』 深町眞理子訳【AC2】 『ゴルフ場殺人事件』 田村義進訳【AC35】 『牧師館の殺人』 羽田詩津子訳
誰が言い出したのか、その土地は呪われた〈ジプシーが丘〉と呼ばれていた。だが、僕は魅了された。なんとしてでもここに住みたい。そしてその場所で、僕はひとりの女性と出会った。彼女と僕は恋に落ち、やがて……クリスティーが自らのベストにも選出した自信作。サスペンスとロマンスに満ちた傑作を最新訳で贈る。(解説:真瀬もと)
“悪魔の手”と名のる人物から、警視庁に送りつけられた怪文書。そこには、連続殺人の犯行予告と、帝都大学准教授・湯川学を名指しで挑発する文面が記されていた。湯川を標的とする犯人の狙いは何か? 常識を超えた恐るべき殺人方法とは? 邪悪な犯罪者と天才物理学者の対決を圧倒的スケールで描く、大人気シリーズ第4弾。 『容疑者Xの献身』で警察には協力しないと宣言した湯川が、再び迫り来る事件に対峙する。「落下る(おちる)」「操縦る(あやつる)」「密室る(とじる)」「指標す(しめす)」「攪乱す(みだす)」の短篇、全5篇を収録。
「私の父の深沢武吉は、生涯巡査であった」。戦中から昭和三〇年頃までの淡路島。小さな駐在所に暮らす、ある一家の悲喜こもごも。-自身の父親と家族をモデルに阿久悠が遺した珠玉の物語は、父親とは何か、時代の激変のなかの家族のつながり、人間としての矜持、生きることの諦観と希望とは何かを問いかけてやまない。
蜀、魏、呉の創業の英雄たち、劉備、関羽、張飛、孔明、曹操、孫権らはすでに亡く、二代目以降の守成の時代となるやその活力の低下は苦しい。やがていずれも晋の皇帝司馬炎の軍門に下り天下は統一された。太唐元(西暦二八〇)年のことである。
九月の午後、藤の咲き匂う古家で、老女が語り出す半世紀前の一族の悲劇。一八三三年ミシシッピに忽然と現れ、無一物から農場主にのし上がったサトペンとその一族はなぜ非業の死に滅びたのか?南部の男たちの血と南部の女たちの涙が綴る一大叙事詩。
新史料・津田三蔵書簡を読み解きながら、津田の内面を描きつつ、大津事件(一八九一年)の謎に迫る異色作。津田三蔵巡査がロシア皇太子を襲撃した動機とは何か。著者は一人の青年の西南戦争での体験を重視し、同時にその煩悶を見つめながら、明治期社会の深淵の中で事件をとらえなおす。幾多の文学作品で描かれた大津事件像とは異質の視点から、事件を描き、明治期社会の闇とともに現代の闇にも迫る。
50年以上にわたって冒険小説のヒーローであり続けたジェームズ・ボンド、暗号名007。その新たな冒険行を、リンカーン・ライム・シリーズなどで知られるサスペンスの巨匠ディーヴァーが手がけたのが本書です。舞台を現在に移し、秘密兵器を開発するQ課が製作した特殊スマートフォンとワルサーPPSを手に、9.11後の世界を駆け回るボンド。スタイリッシュなボンドの言動に彩られたスピーディな展開というボンドものらしいストーリーに、“ドンデン返しの魔術師”ディーヴァーらしい巧妙なプロットが仕掛けられています。
一九六四年、東京。深夜の皿洗いのバイトをするおれは、官能の塊のような女イスズミをめぐってすさまじい喧嘩に巻き込まれる。職を転々とし、次に出会ったのは、後に妻となる女性だったーぎらぎらとあぶなっかしい若き日々が二十年後の冒険と交錯する、渾身の青春冒険純文学。