2011年発売
【特集】「あべ弘士×長谷川義史 ボクらの絵本」 絵本作家の両雄、あべ弘士・長谷川義史が誌上で共演。 書き下ろし絵本あり、マンガあり、対談ありの豪華な1冊です。 <対談>「ボクらふたりができるまで、 そしてこれからのこと」あべ弘士×長谷川義史 <絵本>「セイウチぼうや」あべ弘士/「はいチーズ」長谷川義史 <マンガ>「さんぱつやきょうこさん」長谷川義史/「しいくがかりのひろえちゃん」 あべ弘士 <産婆レポート>『おじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃんのおじいちゃん』、『なめとこ山の熊』ができるまで 松田素子 <旅のレポート>「ひげのおっさんツアーより」増田喜昭 <エッセイ>「あべさんへ」二宮由紀子、荒井良二、山極寿一、中村獅童、新沢としひこ、竹田津実、市河紀子/ 「長谷川さんへ」杉浦範茂、中川ひろたか、室井滋、内藤裕敬、村中李衣、あおきひろえ 【随想】あの時わたしは、今わたしは・藤野千夜 【連載】「本を読む(2)」岩瀬成子/「リョウ&ナオ(2)」川端裕人/「ロールイチゴ(8)」ひこ・田中/ 「子どもたちによろしく(10)」長崎訓子 【エッセイ】わたしの一冊・前田司郎/樫崎茜 【Books】絵本・及川賢治(100%ORANGE)/児童書・加藤純子/YA・金原瑞人/大人の本・穂村弘
元経団連会長にして旧財閥系企業の名誉顧問である梶井は、80年代初め、NYで不遇をかこっていたころ、ジュリアード音楽院に通う日本人学生たちと知りあう。そして彼らが結成した弦楽四重奏団に「ブルー・フジ・クワルテット」と命名。やがて世界有数のカルテットに成長した四人のあいだにはさまざまなもめごとが起こりはじめるが、その俗な営み、人間の哀れさを糧にするかのように、奏でられる音楽はいよいよ美しく、いよいよ深みを増してゆくー。
非ヨーロッパ世界とヨーロッパ世界においてかなりの違いがある「怪談」のあり方。キリスト教の一神教的万物支配から脱しつつかつルネサンスの理性万能主義にも圧されず、限りある存在の人間と外界世界との間に忍び入る“不思議な物語”--そのなかでも南欧を舞台にした怪奇譚三篇を選りすぐり、軽妙な文体で訳した一冊。『亡霊のお彌撒』(A・フランス)『ヰギヱのヴェヌス』(P・メリメ)『鮫女』(G・T・ランペドゥーザ))の三篇を収録。
人気作家が挑む、3.11以後の物語 3月11日以前と以後で、世界は一変した。この圧倒的な現実を前にして、小説に何ができるのか。『亡国のイージス』の人気作家・福井晴敏氏が、はじめて「現実」に挑んだ『週刊ポスト』連載作品である。 東京に住む平穏な家族を、あの震災が襲った。エコ担当社員の主人公・野田圭介は、3.11以後、元防衛庁職員の父の不穏な様子や、ネットにはまる中学生の息子の心境の変化に戸惑い、翻弄されていく。大震災と原発事故に見舞われたこの国で、彼は家族の危機を乗り越えることができるのか。
蓮丈研究室に舞い込んできた手書きの古書「阿久仁村遺聞」。村の伝説や民話めいた挿話の数々は、鏡のモチーフに彩られつつ奇妙につながりを欠き真意も編まれた目的も不可解だったー。明治初期に地図から消えた村、隠蔽された惨殺事件、暗躍する怪人物。那智の推理が、村の来歴と「邪馬台国」の実像を射抜く時、古代から現代まで、歴史の闇を貫く「もう一つの日本史」が現前する。著者の絶筆が、その遺志を継いで遂に完成。
1984年、夏。別れた妻をいまだ忘れられぬゾイド・ホイーラーは、今年もヴァインランドの町で生活保護目当てに窓ガラスへと突撃する。金もなく、身動きもならず、たゆたうだけの日々。娘のプレーリーはすでに14歳、60年代のあの熱く激しい季節から、どれほど遠くまで来てしまったことかー。だが、日常は過去の亡霊の登場で一変する。昔なじみの麻薬捜査官が示唆したあの闇の男、異様なまでの権能を誇り、かつて妻を、母を、奪い去ったあの男の、再びの蠢動。失われた母を求める少女の、封印された“時”をめぐる旅が始まった。超ポップなのに、この破壊力。作品の真価を示す改訳決定版。
老女の部屋の壁に並ぶ、無数のカートリッジ。その一つ一つに彼女の大切な記憶が封じ込められていたー。記憶を自由に保存・再生できる装置を手に入れた認知症の老女を描いた表題作のほか、ダムに沈む中国の村の人々、赴任先の朝鮮半島で傷ついた鶴に出会う米兵、ナチス政権下の孤児院からアメリカに逃れた少女など、異なる場所や時代に生きる人々と、彼らを世界に繋ぎとめる「記憶」をめぐる6つの物語。英米で絶賛される若手作家による、静謐で雄大な最新短篇集。O・ヘンリー賞受賞作「一一三号村」およびプッシュカート賞受賞作「ネムナス川」を収録。
同情は美しい、それとも卑しい?美人の親友のこと、本当に好き?誰もが心に押しこめている本音がこぼれる瞬間をとらえた二篇を収録。デビューから10年、綿矢りさが繰り広げる愛しくて滑稽でブラックな“女子”の世界。
神々と人間がともに歴史を紡いでいた神話の時代。 全知全能の父神ゼウスの計らいによって、10年にわたる「トロイア戦争」が勃発する。 やがて戦は佳境を迎え、英雄アキレウスとヘクトルの決闘がはじまる──。 古代ギリシア神話を題材とし、ギリシア叙事詩のなかでも最高と讃えられる ホメロスの『イリアス』『オデュッセイア』の2大作を漫画化。
実の両親と弟を死に追いやられ、復讐を誓った久遠。復讐相手である山波建設の社長の秘書、そして愛人にもなったが、なかなか証拠が掴めないまま月日は流れ…やがて山波の命令により息子である英一の秘書になった久遠は、英一から不正証拠を引き出しはじめる。着実に進む復讐計画。何も知らない英一が自分を信頼し、想いを寄せてくることに戸惑い、それが次第に苦痛となりだす一方で、久遠は復讐を止めることができず…。
みんなの愛情を一身に受けて育っていた末っ子の主人公キコに妹が出来た。すると以前のようにはかまってもらえなくなった。おりしもキコが釘を飲み込んだと勘違いしたママの早とちりから大騒動がもちあがる。キコの一日を時間に添って追いながら……。スペイン・モロッコ戦争を背景に、子どもと大人の眼を通して複雑な家庭問題と夫婦間の微妙な関係を描く、楽しくも悲しみに満ちた物語。スペイン文学のベストセラーの初訳!
国際江戸川大学の1年生、ぴいくんと慎之介は、同期生の古都里ちゃん、海月ちゃんと居酒屋「ちの利」で開く宴が学校帰りの楽しみ。そんなある日、大学に伝わる恐怖の七不思議、通称「江戸七」の一つを目の当りにしてしまう。4人は、ぴいくんの従弟である天才高校生、千葉千波くんに解決を依頼するのだがー!?書き下ろし特別編も収録した、ユーモアとパズル感覚満載の好評シリーズ第5弾。
小松左京生誕80年記念/追悼出版。代表的短編、長編の抜粋、エッセイ、論文を自在に編集し、SF作家であり思想家であった小松左京の新たな姿に迫る、画期的な傑作選。第一弾のテーマは「日本」。
敏腕捜査官マークとシリアの奇人アサドの珍コンビが帰ってきた!今回二人が挑むのは、二十年前に発生した兄妹の殺害事件。自首した犯人が収監されているが、背後にはまだ明かされない闇が……。