2012年5月発売
大統領選に出馬する若き議員が、謎の死をとげた。依頼を受けた平賀とロベルトはFBIのビル・サスキンス捜査官と共に、政財界の要人のみが参加できる秘密の降霊会に潜入し、事件を捜査することに。シリーズ第6弾!
文明開化の明治の世に次々起こる怪事件。その謎を鮮やかに解くのは英傑・勝海舟と青年探偵・結城新十郎。果たしてどちらの推理が的を射ているのか? 安吾が描く本格ミステリ12編を収録。
ラリーはチョコザイが沢と舞子のそばで事件を解決していたと知り、アメリカに連れ帰るのをやめ、様子を見始めた。そうとは知らずに沢と舞子はチョコザイの力を借り続けるが、チョコザイにある変化が起きる。
人間兵器として育成された「メギド」という人格を併せ持つ根岸達也。沖縄でのマキエとの幸福な生活も束の間、ふたたび死地を求めて九州へ旅立つことになった。だが鹿児島に降り立った直後、戦中のパイロットとしての記憶が蘇った。それは元陸軍の特攻経験者のものなのか?失われた記憶を辿り、やがて閉山の危機にある炭鉱に到った達也は、労使闘争の渦中に巻き込まれた…。大好評シリーズ第3弾。文庫書き下ろし。
時は平安。黄泉の封印をとくための鍵として、紅蓮の魂は屍鬼に取り込まれてしまった。封印を守るため紅蓮を殺すしかないのか!? 逡巡の果て、昌浩はある一つの決意を胸に、宗主が潜む出雲の国へと出立する!!
整形美容で新しい顔を手に入れた麗子。だが彼女を待っていたのは、以前にもまして哀しみと虚しさに満たされた日々……ねじれ、病んでいく愛のかたちに目をこらし、直木賞作家が哀切と共に描いた恋愛小説。
圏外と目されていた宇野は東経産新聞の社長に就任するやワンマン化し、役員たち周囲のゴマすりが社の腐敗を進行させる。子会社の手形流出という事態に、自浄力を示そうと立ち上がる記者。マスコミ界に迫る長編。
リクエストコスモス社未公開株譲渡をめぐり、政・官・財を巻き込むスキャンダルが発生、日本経済を牽引してきたとの自負を持つ東京経済産業新聞社では、社長が連座し退任に追い込まれる。迷走の始まりだった。
ラクダに乗って行こう あの世へは/ 星と月と太陽と/砂しか見たことのないラクダに乗って。 -「ラクダ」より 40年に及ぶ全詩業から選りすぐりの69篇を収録した、画期的な一冊となっています。 韓国民衆の暮らしを見つめ、それをすぐれた詩作品へと昇華させた出世作『農舞』の他、厳選した詩やエッセイ、訳者による詩人解説を収録。 韓国最大の詩人の詩業を一望できる内容となっています。
新人社員くんの何気ない仕草が不思議に気になる、先輩女子今井さんの心の揺れ動き(「日々の春」)。同棲女性に軽んじられながら、連れ子の子守りを惰性で続ける工員青年に降った小さな出来事(「乳歯」)。故郷の長崎から転がり込んだ無職の兄が、弟の心に蘇らせたうち捨てられた離島の光景(表題作)などーー、流れては消える人生の一瞬を鮮やかに刻む10の忘れられない物語。
目の前を悠然と流れる筑後川。だが台地に住む百姓にその恵みは届かず、人力で愚直に汲み続けるしかない。助左衛門は歳月をかけて地形を足で確かめながら、この大河を堰止め、稲田の渇水に苦しむ村に水を分配する大工事を構想した。その案に、類似した事情を抱える四ヵ村の庄屋たちも同心する。彼ら五庄屋の悲願は、久留米藩と周囲の村々に容れられるのか。新田次郎文学賞受賞作。
遂に工事が始まった。大石を沈めては水門を作り、水路を切りひらいてゆく。百姓たちは汗水を拭う暇もなく働いた。「水が来たぞ」。苦難の果てに叫び声は上がった。子々孫々にまで筑後川の恵みがもたらされた瞬間だ。そして、この大事業は、領民の幸せをひたすらに願った老武士の、命を懸けたある行為なくしては、決して成されなかった。故郷の大地に捧げられた、熱涙溢れる歴史長篇。