2013年4月26日発売
ロンドンの美術商がアメリカで凄絶な事件に巻き込まれた。からくもイギリスに戻るが、新妻を迎えた家に忍び寄る不審な男の影。ボストンのギャングが追ってきたのか?相談を受けたシャーロック・ホームズは、「ベイカー街不正規隊」の少年たちに探索を命じるが、その一人が命を落とし、怒りに燃えるホームズを新たな罠が待ち受ける。「ハウス・オブ・シルク」の戦慄すべき秘密とは? 衝撃の事件がいま、明らかになる。
堀田家随一のイケメン、青の出生の秘密とは?(「紺に交われば青くなる」)、藤島社長と堀田家の初めての出会いとは?(「縁もたけなわ味なもの」)、地味な紺が、亜美を射止めたきっかけは?(「愛の花咲くこともある」)。老舗古書店「東京バンドワゴン」に舞い込む謎を、大家族の堀田家があふれる人情で解決する人気シリーズ第8弾、番外編。知られざるエピソードが満載。書き下ろし3編を含む全11編。
地震計を見つめる旧友と過ごす、海辺の静かな一夜(「強震モニタ走馬燈」)、豪雪のハイウェイで出会った、オーロラを運ぶ女(「葬式とオーロラ」)、空に音符を投げる預言者が奏でる、未来のメロディー(「ニイタカヤマノボレ」)、母の間男を追って、ピアノ部屋から飛び出した姉の行方(「忘れられたワルツ」)、女装する老人と、彼を見下ろす神様の人知れぬ懊悩(「神と増田喜十郎」)他二篇。「今」を描き出す想像力の最先端七篇。
スランプに陥った元人気作家の創作講義に、アルジェリア人学生がやってくる。過酷な生い立ちにもかかわらず、彼女はいつも幸福感に満ちあふれ、周囲の人々をも幸せにしてしまう。やがてある事件をきっかけに、彼女が「幸福の遺伝子」を持っていると主張する科学者が現れ、国民的議論を巻き起こすー。鋭敏な洞察の間に温かな知性がにじむ傑作長篇。
三十一歳、独身、派遣OL。地方都市で懸命に生きている女性が、ふとしたきっかけで犯罪に手を染め、転落し、それでもタフに生きていくさまを描いた究極のイヤミス。 田舎暮らしが嫌で実家を出た清原春菜は、地方都市で派遣OLをして暮らしている。三十路を迎えて婚活にいそしんでいたが、結婚相談所で紹介された男にお金を騙し取られ、同じころ派遣先からも仕事を切られてしまう。実家に援助を頼むが、男に騙されたとは言い出せず、家賃や公共料金の支払いさえ滞る始末。実兄が結婚し、春菜の実家での居場所はとうになくなっていたのだ。ハローワークに通ってもろくな再就職先はなく、しだいに毎日の食事にも困窮する春菜……。 ほんとうの幸せとは何か。なぜ、どれだけ頑張っても、自分は幸せになれないのか。幸せに憧れることが、そんなに贅沢な望みなのか。ただまっとうに暮らしてきた自分を、男たちも、会社も、いいように利用するだけ利用して捨てた。私には、世間からお金を返してもらう資格がある! 開き直った春菜は、騙される側から騙す側にまわることを決意し、「ある行動」に出る。 「なぜ、私ばかりこんな目にあうのだろう」「私はただ、普通に幸せになりたかっただけなのに」--やがて追われる立場になり、逃避行を続けながら、なお自らの肉体を武器にタフに人生を生き抜こうとする春菜。彼女に「安住の地」はあるのか? 彼女を待ち受ける驚愕の運命とは? 著者渾身のサスペンス・ミステリー傑作。
ジョー・ヴェニス。男。ニューヨーク在住。職業、私立探偵。依頼の件は、オフィスで聞こう。気負わず、たゆまず、ゆるがない。ニューヨークを行く自然体の私立探偵が、9・11を経た街で出会う、数々の事件と忘れがたき人々。書き下ろしを含む全七編を収録した連作短編集。
帰国子女の栄美は桜の美しさを楽しむ余裕もなく、不安いっぱいで日本の高校での初日を迎えた。幸いにも友達ができ、気になる男の子とも仲良くなれたものの、やがて辛い別れを経験することに…。時は流れ、大学生となった栄美の前に現れたある人との出会いをきっかけに、高校時代の思い出はまったく別の形を見せてゆくー。『慟哭』の著者が仕掛ける、忘れられない青春ミステリ。
超自然現象研究会が配布した“エリア51”の「市立七不思議」特集が影響を与えたのだろうか?突如休み時間に流れた、七不思議のひとつ「カシマレイコ」を呼び出す放送。そんな生徒はもちろん存在しない。さらに「口裂け女」「一階トイレの花子さん」の悪戯まで見つかった。なぜこの三つなのだろう…。調査を進めた葉山君は、ある真実に気づく。ますます快調な、シリーズ第五弾。
米国人の学者と出会った女性作家の独白。若返る病を患い、家出から帰ってきた母。本所深川に出没する謎の辻斬り。果てのない階段がある巨大な“駅”を彷徨う脱走兵。光という影と、影という光で造る、理想の庭。-繊細で美しい物語の断片が創る、庭園のごとき小説世界。翻訳家・アンソロジストとしても知られる才人の、第14回日本ファンタジーノベル大賞受賞作。