2013年4月発売
2001年5月、ベルリン。67歳のイタリア人、コリーニが殺人容疑で逮捕された。被害者は大金持ちの実業家で、新米弁護士のライネンは気軽に国選弁護人を買ってでてしまう。だが、コリーニはどうしても殺害動機を話そうとしない。さらにライネンは被害者が少年時代の親友の祖父であることを知り…。公職と私情の狭間で苦悩するライネンと、被害者遺族の依頼で公訴参加代理人になり裁判に臨む辣腕弁護士マッティンガーが、法廷で繰り広げる緊迫の攻防戦。コリーニを凶行に駆りたてた秘めた想い。そして、ドイツで本当にあった驚くべき“法律の落とし穴”とは。刑事事件専門の著名な弁護士が研ぎ澄まされた筆で描く、圧巻の法廷劇。
フランケンシュタイン家の双子コンラッドとヴィクター。兄コンラッドは冷静で思慮深く、弟ヴィクターは情熱的と正反対の性格ながら、二人の絆は固かった。だが、コンラッドを突然の病が襲う。兄を救おうと、ヴィクターは遠縁の娘エリザベス、親友のヘンリーと一緒に、錬金術師ポリドリを訪ねる。求めるは不老不死の霊薬。若き日のフランケンシュタインを描いたダークファンタジー。古典的名作『フランケンシュタイン』その知られざる前日譚。
昭和三年六月四日未明、張作霖を乗せた列車が爆破された。関東軍の暴挙に激怒した昭和天皇の密命を受けて、若き軍人が綴った「満洲報告書」で明かされる「真相」とは? 該博な知識と丹念な取材に裏打ちされた浅田史観で、闇に葬られた昭和史最大のミステリーを追う。絶好調『蒼穹の昴』シリーズ第4部。(講談社文庫) これを読まずして昭和史は語れない! 張作霖はなぜ爆殺されたのかーー瞠目の新史観で、闇に葬られた「真相」に迫る! 昭和三年六月四日未明、張作霖を乗せた列車が爆破された。関東軍の暴挙に激怒した昭和天皇の密命を受けて、若き軍人が綴った「満洲報告書」で明かされる「真相」とは? 該博な知識と丹念な取材に裏打ちされた浅田史観で、闇に葬られた昭和史最大のミステリーを追う。絶好調『蒼穹の昴』シリーズ第4部開幕。 序章 満洲報告書 第一信 鋼鉄の独白 1 満洲報告書 第二信 鋼鉄の独白 2 満洲報告書 第三信 鋼鉄の独白 3 満洲報告書 第四信 鋼鉄の独白 4 満洲報告書 第五信 鋼鉄の独白 5 満洲報告書 第六信 鋼鉄の独白 6 終章 満洲報告書 第七信
山梨県内で発生した致死率百パーセント近い新興感染症。生還者のウィルスから有効なワクチンが作られ拡大を防ぐが、発生当初の“竜脳炎”感染者で意識が戻ったのは、三名だけだった。その中の一人で、週刊誌記者として取材にきて感染した仲屋京介は、二人の生還者とともに病院内での隔離生活を続ける。やがて彼ら三名は、「後遺症」として不思議な能力を身につけていることに気づき始める。壮大なる井上ワールド、驚愕の終末ー。 「一気に最後まで読んでしまった! これぞリアルの中のファンタジー!」真島ヒロ氏もこう絶賛した傑作長編。山梨県内で発生した致死率百パーセント近い新興感染症。生還者のウィルスから有効なワクチンが作られ拡大を防ぐが、発生当初の“竜脳炎”感染者で意識が戻ったのは、三名だけだった。その中の一人で、週刊誌記者として取材にきて感染した仲屋京介は、落合めぐみ、興津繁というほかの二人の生還者とともに病院内での隔離生活を続ける。そのうち、彼ら三名は、「後遺症」として不思議な能力を身につけていることに気づき始める。SFであり、ミステリであり、そしてアクション大作でもある壮大なる井上ワールド、驚愕の終末ー。
新興ウイルス竜脳炎”感染後、意識を取り戻した仲屋京介、落合めぐみ、興津繁。「後遺症」として現れた「特殊能力」は日本中を驚愕させるものだった。初めは見せ物的な注目を集めていたが、死者が出たことで一転、追われる身に。同時に史上最強の「力」も秘めていることがわかる。史上最強の「能力」とは何か、その力はどうして彼らに宿ったのか。人類はどうなってしまうのかーー。最強のノンストップエンターテインメント! 恐るべき新興ウイルス竜脳炎”感染後に意識を取り戻したのはたった3人。その仲屋京介、落合めぐみ、興津繁。「後遺症」として現れたそれぞれの「特殊能力」は日本中を驚愕させるものだった。初めは興味本位と見せ物的な注目を集めていたが、死者がでたことで一転、「殺人者」と追われる羽目に。しかし彼らの「能力」は、史上最強の「力」も秘めていることがわかる。 史上最強の「能力」とは何か、そしてその力はどうして彼らに宿ったのか。人類はどうなってしまうのかーー。 井上夢人にしか書けないSF、ミステリ、サスペンス、そしてアクション。 最強のノンストップエンターテインメント! 解説:大森望
良いニュースと悪いニュースがある。多崎つくるにとって駅をつくることは、心を世界につなぎとめておくための営みだった。あるポイントまでは…。
この人が私の運命の相手?十年前、再会の約束を交わした元彼、同棲し始めたばかりの彼女、自分の理想の名前を持つ相手、小説家を目指すきっかけになった女性、上司のすすめでお見合いをした相手、同じ趣味を持つ同僚…。あなたの求める「たったひとり」はきっとこの世のどこかにいるはず!?注目の女性作家たちが描く傑作恋愛アンソロジー。
「四十五歳までに、跡目を継いで代議士になってみせる」主田衆議院議員の第一秘書戸原清一は改めて心に誓った。金庫番という地位を活かし、自らの選挙資金を密かに蓄えていた戸原。そんな折、主田が倒れ、息子や娘婿との間で熾烈な跡目争いが始まった!戸原は“女と金”を巧みに操り、蹴落としに奔走するが…。政界の裏の裏を赤裸々に描いた傑作官能サスペンス。
凍てつく冬、蝋燭問屋殺しで、腹違いの弟・忠助が捕らわれる。番頭らの話から日頃の冷遇を恨んでの凶行と思われた。だが事件の夜、外で忠助を見たという大工は証言を翻した挙げ句、不審死を遂げる。忠助の無実を確信し、黒幕を灸り出すべく大胆な罠を張る青柳剣一郎。驚くべき奸計が顕わになる時、敵は牙をむいた。青柳父子は真に守るべき者を守りきれるのか!?-。
便り屋・日々堂で代書をする剣術家・戸田龍之介は、剣でも恋でも道を譲ってばかり。だが、己が身を退けば丸く収まるはずが裏目の日々。実家と並ぶ鷹匠支配・内田家への婿入り話を譲つた異母弟・哲之助も、思わぬ不幸に見舞われていた。侭ならぬ人生の皮肉に悩む龍之介。そんな彼を、お葉の温かい眼差しが見守っていた…。人気沸騰の“泣ける”時代小説、第五弾。
城下町、小田原。介護施設の同僚だった朝子と正人、梓と卓也は恋人同士。けれど以前はお互いの相手と付き合っていた。新しい恋にとまどい、別れの傷跡に心疼かせ、過去の罪に苦しみながらも、少しずつ前を向いて歩き始める二組の恋人たちを季節の移ろいと共にみずみずしく描く。
テロ組織「黒い三角定規」が、いよいよ浜村渚に直接対決を挑んできた。渚と武藤龍之介をミュージカル劇場に招き寄せ、一次方程式を解けという。だが、その問題は普通のやり方では解けないうえに、「黒い三角定規」の驚くべき策略を示唆するヒントも仕込まれていた! シリーズ第五弾。(講談社文庫) テロ組織「黒い三角定規」が、いよいよ浜村渚に直接対決を挑んできた。渚と武藤龍之介をミュージカル劇場に招き寄せ、一次方程式を解けという。だが、その問題は普通のやり方では解けないうえに、「黒い三角定規」の驚くべき策略を示唆するヒントも仕込まれていた! シリーズ第五弾、文庫書下ろしで登場!! ことのはじまり 第1章(log10.) モンキィー・ホール・クイズショウ 第2章(log100.) 折る女たち 第3章(log1000.) 事情だらけの総合病院 第4章(log10000.) オペラ座の未知数 おまけ 解説
13年前の夏休み最終日、僕は「裏山」でロープを首に巻いた美少女を見つける。自殺を思いとどまった少女は、私の命をあなたに預けると一方的に告げた。それから7日間、ばらばらに存在する人や思いや過去が繋がりはじめた。結末は何処に?切なさと驚きに満ちた鮮烈デビュー作。第42回メフィスト賞受賞作。
母親と東京に住む小学生のハヤトは、同じ団地のトンダじいさんから「一生に一度のお願い」を頼まれる。それは古いオルゴールを鹿児島に届けること。福知山線の事故現場、広島の原爆ドーム、父さんの再婚ー出会うものすべてに価値観を揺さぶられながら、少年は旅を続ける。直木賞作家が紡ぐ心温まる成長物語。
錚々たる米文学者たちが絶賛する作家の美しき犯罪小説 この広くはない一画に人生の全てが凝縮されている カフェ・バークマンに勤めながら脚本を書いているユダヤ人のエリック。継父と団地に住むヒスパニックの少年トリスタン。妻と別れ息子たちをもてあますアイルランド系の刑事マッティ。一人の青年の死が人々の哀しみに光を当て、それぞれの人生を静かにつないでいく。米読書界絶賛の傑作長編。【解説・青山南】
情にもろく、涙もろい。「泣きの銀次」シリーズ最終章! 五十路を目前にした岡っ引きの銀次。長女が嫁に行くその日、不穏な事件の知らせが届く。翌朝、胸騒ぎを覚えた彼が見たのは轟音とともに過ぎていく空飛ぶ物体だった。以来、銀次の周りでは奇怪な事件が起こり始める。「虚ろ舟」と呼ばれるこの光る球は吉兆か、それとも凶兆か。
満員電車でふと自分の手に触れた冷たい手。間違いなく、それは38歳で死んだ嫁の手だった。生前からちょっと変わったところのある女だった嫁が、どうしても伝えたかったこととは。表題作「嫁の遺言」の他、不器用だけれどあたたかい人情に溢れ、人間がいっそう愛おしく思えてくる注目女流作家の珠玉短編集。
ダメ男・鈴木信男はたまたま試験を受けた一流広告会社になぜか採用される。彼に与えられた使命は、他の社員の軽蔑を一身に浴び、社内ストレスの“はけ口”となること。表向きは新入社員、実は役員待遇の「被取締役(とりしまられやく)」。信男は天性のダメ人間ぶりを発揮し、「ひとりいじめられっこ政策」は成功を収めたかに見えたのが……。森山未來主演でドラマ化! 1403作品の頂点に選ばれた、ドラマ原作大賞受賞作。 『営業零課接待班』著者の元気が出るお仕事小説 “下から目線”が会社を変える! 28歳落ちこぼれ、でも年収3000万円。史上最低のダメ男が帯びた密命とは? 小中高といじめられ続け、入社した会社もすぐ解雇。究極のダメ男・鈴木信男は、なぜか一流広告会社に採用される。そこで命じられたのは、エリート社員たちのストレスの捌け口となる「被取締役(とりしまられやく)」の極秘任務だった。かつてない“下から目線”で仕事の本質を衝いて反響と感動を呼んだ、ドラマ原作大賞受賞作。 一 プロローグ 二 内定書とマイ・ミッション(私の使命) 三 試用期間とアセスメント(評価) 四 外回りのアウトプット(成果物) 五 アフター5とサプライズ・ビジター(驚きの訪問客) 六 秋の夜長のNDA(秘密保持契約) 七 裏町ドロップアウト(落ちこぼれ) 八 被取締役のクライシス(危機) 九 ベストエフォート(最善の努力) 十 同僚のファイナル・ソリューション(最終解決策) 十一 モラルハザード(倫理の崩壊) 十二 マイ・ポテンシャル(私の潜在能力) 十三 エピローグ