2013年4月発売
河川敷の車から、男の死体が発見される。練炭自殺かと思われたが、不審な点があり、男と関係のあった銀座ホステス美奈子に容疑がかかる。弁護人の鶴見が調査を開始すると、彼女の周りで数名の男が死んでいる事が判明した。疑惑をもつ鶴見だったが、ある団体と美奈子の繋がりが浮かび…。悪女か、聖女か?魔性に翻弄されながらも真実を求めて闘う弁護士。長編ミステリー。渾身の書き下ろし。
ときは平安。左近衛中将宣能は、家柄もよく容姿端麗で完璧な貴公子だが、怪異を愛する変わり者。中級貴族の青年・宗孝は、なぜか彼と共に都で起きる怪異の謎を追うはめになり……。書き下ろし文庫。
今は亡き母は、なぜ最期まで私達姉妹に冷たかったのだろう?屋根裏で母が戦時に書いた日記と古い勲章を見つけたことで、再び謎と向き合うことになったエリカ。だが、勲章の鑑定を頼んだ歴史家は直後に撲殺され、ヒントを探すため読み始めた母の、別人のように感情豊かな日記は戦中のある日唐突に終わっていた。スウェーデン発シリーズ第5弾、二つの時代が交錯する味わい深い名作ミステリ。
ニューヨーク郊外の豪壮な邸宅で夜毎開かれる絢爛たるパーティ。シャンパンの泡がきらめき、楽団の演奏に合わせて、着飾った紳士淑女が歌い踊る。主催者のギャツビーは経歴も謎の大富豪で、その心底には失った恋人への焦がれるような思いがあった…。第一次大戦後の繁栄と喧騒の20年代を、時代の寵児として駆け抜けたフィッツジェラルドが、美しくも破滅的な青春を流麗な文体で描いた代表作。
南朝に殉じ命を落とした勇将・楠木正成。太平洋戦争中、彼はその生き様から軍神として崇められた。-そして現代。特攻隊の生き残りで歴史研究家の修吉は、正成の死に纏わる恐るべき真実を発見する。だが直後、何者かに毒を射たれ、瀕死の重体に。背後に見え隠れする秘密結社“南木の会”…。修吉の孫・瑠璃は高校の同級生で作家の京一郎とともに、祖父の命を助けるため、正成の秘密を追う。南北朝時代から現代、そして東京の史跡と愛媛県を繋ぎ、葬られた歴史の真実が、明らかとなる。
20世紀初頭に入り爛熟期を迎えた文化都市ウィーン。音楽と犯罪学に打ち込む素人探偵ダゴベルトは、友人グルムバッハ夫妻との晩餐後、葉巻と珈琲を楽しみつつ、ハプスブルグ朝末期の社交界で起きる様々な難事件解決の顛末を披露する。「クイーンの定員」にも選出されたダゴベルト探偵譚から9篇を精選。オーストリアのコナン・ドイルと称される著者の本邦初となるオリジナル短篇集。
公演を終え骨休めに訪れた地で遺体に遭遇したアバークロンビー・リューカー。深入りする気はなかったが、関係者の些細な嘘を契機に、眠っていた探偵の勘が呼び覚まされた。誰かが何かを隠そうとしている。あれを事故と考えるなら不自然な点にどう説明をつけるのか、殺人であれば犯人と動機が存在するはず…。探索を始め妙な光景を目にした夜、リューカーは新たな遺体を発見。
魔術の首都ロンドンー一羽の“ハヤブサ”が首に重いお守りをかかえながら飛行していた。それは、ヒヨッコ魔術師の危うい命令に従わされている5010歳のベテラン妖霊バーティミアスの姿だった…。超人気ファンタジーシリーズ、読みやすい軽装版。
1年間限定で自転車部に所属することになった正樹。走る喜びと恐怖の間で葛藤しながらも、レースに挑んでいく。走ることが祈ることであるかのように…。「サクリファイス」シリーズ最新長編、新たな舞台は大学自転車部。
福島県費生として上海に学び、現地入営した矢田部信幸。復員列車で助けられた男を探し、深山を巡るうち木工に魅せられ、木地師の源流とこの国のなりたちを辿ってゆく。23歳の終戦、いかに生き直すか。直木賞受賞作『生きる』から10年、著者初の現代小説。
山岳怪談実話の名手が放つ、著者自ら訊き集めた極上の山の怪異譚。自分が体験した話、山仲間から聞いた話、山麓の呑み屋で仕入れた話…。渓流釣りや山菜狩り、キノコ狩りなど、登山以外の山の達人から聞き集めた怪談も。山を愛する著者ならではの山岳描写豊かな全21編。文庫化にあたり書き下ろし「ポニーテールの女」を収録。
“アルトデステニア皇国”の南方に位置する南洋諸国で、突如事件が起きた!皇国を追われた貴族が海賊となって島を襲い、多数の死傷者を出したのだ。事態を重く見た摂政レクティファールは、自ら海賊討伐に乗り出すことを決めるー。
AmazonのKindleストアにて、「ベスト・オブ・2012」小説・文芸1位!話題の電子書籍、分量1.8倍以上の完全改稿版バーチャルリアリティ技術と遺伝子組換作物が浸透した近未来を描く、本格SFサスペンス。電子版の文体・構成を一新した完全改稿
極寒の大地にあって唯一豊穣を享受する王国〈緑の凍土〉。王家の少年ディアスと姪のアンローサは、その豊かさを支える新たな角を巡る王家の権力争いに巻き込まれる。日本ファンタジイの新たな傑作登場