2013年4月発売
プロの暗殺者“影ジェント”瀬見塚は豪華客船のオーナーを暗殺するため洋上の船に潜入した。船員はみな薬物で眠らせたはずだったが、なぜか暗殺チームの一人が殺される。しかも船は自動操縦で数時間後に座礁の危機。暗殺任務に加え、どこからともなく飛来したコンドル三兄弟の襲撃をかわし、仲間殺しの犯人を見つけなければならない。敵味方入り乱れて推理が交錯し、本格パズル・ロワイヤルの幕が開く。
すべては1世紀半前、当代の名優が観劇中のリンカーンに向け放った銃弾から始まった。演劇的想像力が世を覆い、大統領暗殺は、アメリカのみならず、世界全体へのテロリズムとなるだろう。ブッシュ、オバマ政権以降、ますます鮮明になるアメリカの終わらない「物語」の構図を、克明に解き明かす。
平凡な高校生でありながら魔王に就任した渋谷有利。誕生日前日に人生三回目の召喚を受けて異世界に辿り着き魔族の秘宝《魔笛》探索の旅へ。ところが地球に帰れなくなってしまい……!? シリーズ第2弾!
浅見光彦は、母・雪江のお供で兵庫県の名湯・城崎温泉を訪れた。土蜘蛛伝説が伝わるこの地で温泉情緒を満喫しようとした浅見母子だが、現地で「幽霊ビル」と呼ばれるいわくつきの建物で死体が発見された現場に行き当たり、現地で調査を始めることに。3人目の遺体が発見された異常事態を自殺と決め込む現地警察に対し、浅見はこのビルが悪徳商法で名高い保全投資協会に建てられた物であることから、事件性が高いと主張するがー。
時は平安。辛い記憶を取り戻した物の怪と共に、都に帰還した昌浩。そんな二人を待っていたのは、中宮・章子に忍び寄る黒い影と、祖父の安倍晴明が倒れたという報せだった。昌浩と晴明に、命の危機が迫る!!
天下の日本橋。ふらふらと橋を歩く坊主頭がいた。凶暴な顔つきのその男が、頭巾のようなものをかぶった途端、驚くべきことが起きた。なんと男は、いきなり爆発したのだ。阿鼻叫喚の騒ぎとなった橋から、男は逃げていったという。前代未聞の出来事が、実は長州忍者のしわざだと思った織江は、やがてその恐ろしい目的に気づくー。そして晩年、遠く離れた地で暮らす彦馬と織江は、再び妖しい影と対峙する。シリーズ第2弾。
将軍家重側近の屋敷に巨大な蜘蛛の妖怪が忍び込む怪事件が発生。京嵐寺平太郎は、天下無敵の妖刀茶丸、三つ目入道、白孤のおきんらと解決に乗り出すが背後には幕府滅亡を企む謎の影が……。シリーズ第2弾!
気がつくと涼は北京にいた。祖父・竜弦に“傀儡の術”をかけられたのか。だが驚く間もなく、涼は現代中国の恐るべき現実に直面する。少女を狙った人身売買、官僚の堕落と暴力、ウランの闇取引、公害の垂れ流し、死体ビジネス…。それが中国だけでなく日本をも侵蝕していると知り、涼は地元の組織とともに立ち上がる。しかし、中国を覆い尽くした闇は底知れず深かった…。アクション巨編第3弾。
根岸肥前守の発案で発足され、町奉行所で解決できなかった事案を改めて受け持つ「奉行組」。彦蔵は、その一員となることで生計を立てながら、絵の修業を続けていた。江戸随一の版元・蔦屋重三郎の紹介で歌川豊国に師事したものの、なかなか満足のゆく絵が描けない。そんな折に出会ったのが、東洲斎写楽だったー。幼きころの仇も姿を現し、彦蔵は運命の大きな流れに翻弄されてゆく。人気沸騰の書き下ろしシリーズ、第3弾。
余命いくばくもない父から、三十五年前に別れた元恋人を捜すように頼まれた僕。彼らが住んでいたアパートで待っていたのは、若き日の父と恋人だった……。新世代の圧倒的共感を呼んだ、著者初の恋愛小説。
老人介護施設で働く純子は、一生忘れたくても忘れられない女性の担当になった。かつて自分の担任で、給食を無理に自分の口に押し込んだ女のーー(「給食」)。「食」と「女」がテーマの傑作ホラー短編集!
片想いの美少女こよみと共に、奇妙に充実した「オカルト研究会」ライフを送る、大学生の八神森司。しかし桜の季節、こよみの元同級生の爽やかイケメンが現れて……。恋も恐怖も増量中の人気シリーズ第3弾!
南校イケメンヤンキーズ最大の敵・千春との一戦を終え、再び囚われの身となったミホのもとに現れたのは、屋敷に入ることを許されない甘党王子・千里。久々の対面を果たした2人は、『ロミオとジュリエット』さながらの甘ーい雰囲気…。「オマエを離すつもりはない」つ・い・にー妄想オジョーサマ・ミホを極悪な斉藤家から救出すべく、イケメンヤンキーズが総出で動き出す!!ミホが出席するというセレブパーティーの情報を入手し…はちゃめちゃなヤツらが、ついに社交界デビュー!!??ハラハラドキドキの第10巻。
ロンドンの美術商がアメリカで凄絶な事件に巻き込まれた。からくもイギリスに戻るが、新妻を迎えた家に忍び寄る不審な男の影。ボストンのギャングが追ってきたのか?相談を受けたシャーロック・ホームズは、「ベイカー街不正規隊」の少年たちに探索を命じるが、その一人が命を落とし、怒りに燃えるホームズを新たな罠が待ち受ける。「ハウス・オブ・シルク」の戦慄すべき秘密とは? 衝撃の事件がいま、明らかになる。
堀田家随一のイケメン、青の出生の秘密とは?(「紺に交われば青くなる」)、藤島社長と堀田家の初めての出会いとは?(「縁もたけなわ味なもの」)、地味な紺が、亜美を射止めたきっかけは?(「愛の花咲くこともある」)。老舗古書店「東京バンドワゴン」に舞い込む謎を、大家族の堀田家があふれる人情で解決する人気シリーズ第8弾、番外編。知られざるエピソードが満載。書き下ろし3編を含む全11編。
地震計を見つめる旧友と過ごす、海辺の静かな一夜(「強震モニタ走馬燈」)、豪雪のハイウェイで出会った、オーロラを運ぶ女(「葬式とオーロラ」)、空に音符を投げる預言者が奏でる、未来のメロディー(「ニイタカヤマノボレ」)、母の間男を追って、ピアノ部屋から飛び出した姉の行方(「忘れられたワルツ」)、女装する老人と、彼を見下ろす神様の人知れぬ懊悩(「神と増田喜十郎」)他二篇。「今」を描き出す想像力の最先端七篇。
スランプに陥った元人気作家の創作講義に、アルジェリア人学生がやってくる。過酷な生い立ちにもかかわらず、彼女はいつも幸福感に満ちあふれ、周囲の人々をも幸せにしてしまう。やがてある事件をきっかけに、彼女が「幸福の遺伝子」を持っていると主張する科学者が現れ、国民的議論を巻き起こすー。鋭敏な洞察の間に温かな知性がにじむ傑作長篇。
三十一歳、独身、派遣OL。地方都市で懸命に生きている女性が、ふとしたきっかけで犯罪に手を染め、転落し、それでもタフに生きていくさまを描いた究極のイヤミス。 田舎暮らしが嫌で実家を出た清原春菜は、地方都市で派遣OLをして暮らしている。三十路を迎えて婚活にいそしんでいたが、結婚相談所で紹介された男にお金を騙し取られ、同じころ派遣先からも仕事を切られてしまう。実家に援助を頼むが、男に騙されたとは言い出せず、家賃や公共料金の支払いさえ滞る始末。実兄が結婚し、春菜の実家での居場所はとうになくなっていたのだ。ハローワークに通ってもろくな再就職先はなく、しだいに毎日の食事にも困窮する春菜……。 ほんとうの幸せとは何か。なぜ、どれだけ頑張っても、自分は幸せになれないのか。幸せに憧れることが、そんなに贅沢な望みなのか。ただまっとうに暮らしてきた自分を、男たちも、会社も、いいように利用するだけ利用して捨てた。私には、世間からお金を返してもらう資格がある! 開き直った春菜は、騙される側から騙す側にまわることを決意し、「ある行動」に出る。 「なぜ、私ばかりこんな目にあうのだろう」「私はただ、普通に幸せになりたかっただけなのに」--やがて追われる立場になり、逃避行を続けながら、なお自らの肉体を武器にタフに人生を生き抜こうとする春菜。彼女に「安住の地」はあるのか? 彼女を待ち受ける驚愕の運命とは? 著者渾身のサスペンス・ミステリー傑作。