2013年5月発売
西暦2045年、大震災で崩壊した東京は、行動履歴解析と現実への情報層付与を組み合わせた制御技術“Un Face”により、完璧な安全を実現した層現都市イーヘヴンに生まれ変わっていた。そこヘ漆黒の強化外骨格を身にまとう青年・広江乗が、民間保安企業の契約者として派遣される。だが彼には、この故郷を離れざるを得なかった過去があった。そんな乗を試すかのように、白き男ピーターがイーヘヴンに降り立つ。3部作第1弾。
9・11の現場からアフガンまで暴力と絶望渦巻く世界五都市にて、日本製の機械人形の存在を通して人の行為の本質を抉り出す連作短篇集。ポスト伊藤計劃と目される気鋭の新人によるデビュー第2作
口紅を塗られたリカちゃん、髪が伸びる市松人形、伝説の作家が手掛けた昭和30年代のマネキンー素人同然の店主・澪、縫いぐるみの天才・冨永くん、わけあり熟練職人・師村さんーお店は本日も営業中!好評シリーズ第二弾。
黒乃真央は極悪な容姿だが、中身は普通の文系男子高校生。ある日の放課後、謎の頭痛によって気絶。彼が次に目覚めた時、始まったのは凄惨な人体実験と、過酷を極める殺し合い。名前を奪われ、意志を挫かれ、思い出さえも消されてゆく絶望の中に、一筋の光が差し込む。それは希望か、はたまた、新たな絶望への誘いかー剣と魔法の異世界召喚ダークファンタジー。
経営基盤が脆弱な中小企業を支援するため、税理士・飯塚毅が編み出した「別段賞与」の手法が税務当局を刺激した。脱税指導だとして糾弾する国税局を相手に、納得のいかない飯塚は正面から闘いを挑む。訴訟が泥沼化する中で彼を支えたのは、家族や心の師の存在だった。「一円の取りすぎた税金もなく、一円の取り足らざる税金も無からしむべし」の信念で、国家権力から税理士の独立を勝ち取った男の闘いを描く、実名経済小説。
「貴様の里を焼き払うてくれる」不気味な笑い声を残し姿を消した巌道。妹の真娯萌らの住む故郷を思い不安な日々を過ごす平太郎に、またもや化け物退治の命が下る。旗本の跡取り息子にできた瘤を、なんとかしてほしいというのだ。驚くべきことに、瘤から鬼が生まれるという。妖刀茶丸を携え、妖怪仲間と解決に乗り出すが、それは、恐ろしい災厄の前触れだったー。平太郎は故郷と仲間を救えるか?大好評シリーズ第3弾。
久しぶりの旧友からの電話で、彼女と待ち合わせることになった晴美。会った瞬間、彼女の口から「この世の終わりが来る」という言葉が発せられ、晴美は驚いてしまう。その頃、警視庁の片山刑事も、タクシー運転手が「天の声だ!」と突然叫び、交通事故で即死する事件に遭遇する。その後も増えていく自殺者たち。事件の真相を求め、片山刑事たちが辿りついた先は、謎の教団を率いる“教祖”様だった。三毛猫ホームズの裁きが下る。
哈爾濱の妓楼に入った少女フミは、天性の舞踊の才を開花させ、大陸一の芸妓を目指す。-それから9年の時が過ぎた。古巣の妓楼も今はなく、ロシア革命の嵐が吹き荒れ、時代が大きく動く狭間で、少女は大人の女になり、名妓・芙蓉の名も不動のものとなっていた。初恋のひと山村と別れ、パトロンの黒谷と家族のような愛を育んでいたフミだったが、おのれの舞を極めようとする強い心は、幸せを崩す奔流となって彼女を襲う。激動の第2巻。
函館本線の線路際で、警視庁を定年退職した川島が、絞殺死体となって発見された。一方、東京では川島の自宅に空巣が入る。十津川警部は、両方の事件が同一犯人の可能性があると考え、捜査を開始。しかし、捜査上に浮かんできた容疑者には、完璧なアリバイがあった…。ほか、根室本線の横転事故、廃駅の「幸福駅」を巡る事件など、北海道を舞台に、十津川警部が事件に挑む!トラベル・ミステリー傑作短編5篇。
北海道、旭川。とあるレトロなお屋敷に、「櫻子さん」が住んでいる。彼女は型破りなお嬢様。骨を偏愛し、骨と死体の状態から、真実を導くことができる。そんな彼女と一緒にいると、平凡な高校生であるはずの僕まで、骨と縁が深くなるようで…。夏の初め、櫻子さんに付き合って出かけた僕は、山道でひっそりと眠る骨に遭遇する。その骨に隠された悲しい秘密とは…。新時代の才能が放つ、最強キャラミステリ。
15年前、その日から人は死ななくなり、子どもは生まれなくなったー突如として、生も死も無くなった世界で、死にながらも生き続ける者たちに、穏やかに“本当の死”を与えることができる唯一の存在“墓守”。そんな墓守の少女アイは、死に囲まれた日常の中、やさしい光を放つ小さな奇跡であった。終わりゆく世界でアイが経験する出会いと別れ、そして運命ー発表後各方面から絶賛された“世界の終わりを守る少女”の感動の物語。
神様に見捨てられた世界に生きる墓守の少女アイ。大きな別れを経験した彼女は、この生も死もない絶望の世界を救う要を抱き、仲間とともに旅に出る。果てしない西への旅。その出発直後、アイは手錠をかけられた少年キリコに出会い、百万都市オルタスに向かうことに。オルタスー世界最大の“死者の街”。そして、そこには、やがて訪れる“日曜の時代”のための姫がいるというのだが…!?“世界の終わりを守る少女”の物語、第2弾。
里香が単身、渡米した。目的は父と兄を殺した叔父・雷忌の行方を捜すこと。しかしその身勝手な行動は“守護六家”の頭領・竜弦の逆鱗に触れ、涼に里香を日本に連れ戻してくるよう命が下る。猶予はわずか36時間。急遽LAに飛んだ涼だったが、待ち受けていたのは謎の失踪事件と「ジャッカル」と名乗る正体不明の人物だった。やがて戦争大国・アメリカの陰謀が浮き彫りになって…。超弩級アクション小説第4弾。
映像制作会社に勤める安藤孝則は、ネット上で生中継されたある動画の解析を依頼される。それは、中年男の首吊り自殺の模様を収めた不気味な映像だった。孝則はその真偽を確かめるため分析を始めるが、やがて動画の中の男が、画面の中で少しずつ不気味に変化していることに気づく。同じ頃、恋人で高校教師の丸山茜は、孝則の家で何かに導かれるようにその動画を観てしまうのだった。今“リング”にまつわる新たな恐怖が始まる。