2013年5月発売
保育園は予測不能のことばかり。保育士になって五年の小川美南と定時退社しやすい部署に異動し、子育てに奮闘する志賀隆平。園内の事件や行事を通して美南と隆平は気づき、育んでゆく、本当に大切にしたいものを。家族と恋の物語。
生家だった洋館を買い戻したいー初クライアントの依頼物件は、あろうことか白骨死体を呑んで、持ち主不明のまま佇んでいた。還暦を機に始めた探偵稼業は初日から暴風雨、気づけば尾行までつく波乱の門出。所有者の転々とする屋敷から亡霊をつつき出し、筋者との修羅場も乗切った二人だったが…。クライマックス三度、三重底の探偵小説。
矢島家はおめでたつづきだった。お鳥見役の務めで遠国の密偵に出た嫡男は命からがら戻り、嫁は懐妊、長女も初子に恵まれた。が、来る者は拒まずで誰でも受け容れる珠世のもとには、難題が持ち込まれる…。めぐりあえた喜び、好評シリーズ第七弾。
同級生の大地に誘われて地学部に入部した、高校一年生の徹。鉱石の話になると途端に饒舌になる彼と過ごすうちに、徹は大地が持つ不思議な「力」を知ることに。特定の石に触れると、前の所有者の記憶を読むことができるのだ。大地は、同じ力の持ち主である祖父・伝から記憶を受け継ぎ、昔、祖父が親友と交わした、当てのない約束を守り続けていた。話を聞いた徹は、大地を約束から解放したいと願い、ある決意をするーー。 同級生の大(だい)地(ち)に誘われて地学部に入部した、高校一年生の徹(とおる)。 鉱石の話になると途端に饒(じょう)舌(ぜつ)になる彼と過ごすうちに、 徹は大地が持つ不思議な「力」を知ることに。 特定の石に触れると、前の所有者の記憶を読むことができるのだ。 大地は、同じ力の持ち主である祖父・伝(つたえ)から記憶を受け継ぎ、 昔、祖父が親友と交わした、当てのない約束を守り続けていた。 話を聞いた徹は、大地を約束から解放したいと願い、ある決意をするーー。 水晶、瑪(め)瑙(のう)、琥(こ)珀(はく)、翡(ひ)翠(すい)……、鉱物が照らし出す真実とは?
時は戦国の世が終わり江戸幕府の支配が確立したころ。響鬼たち鬼の一族は吉野の里に隠れ棲み、魔化魍の浄化に努めていた。父の無念を晴らすべく鷹の化身となって血車党殲滅を目論む変身忍者嵐。運命的な出会いを果たした二人には過酷な戦いが待っていた!
この樹がなくては国がほろび、この樹があるから民が死ぬ。「一体、タンムズの樹って、何なのだ!」「それは、まだお教え出来ません(中略)…もう少し、あと五年、そう、坊っちゃまが十五歳におなりになりましたら、必ずお教えいたします」。悪魔の掟がルビー色の眼の王子を追い詰める。深く切ない親子の情・友情・人間愛が心を揺さぶる感動作。
父を亡くした娘を次々と襲う怪事件。陰ながら彼女を見守るアルセーヌ・ルパンは、見えない敵に苦戦する。封印されてきた幻のシリーズ最終作。本邦単行本初収録の短篇「壊れた橋」を特別収録する決定版
ガブリエルとジュリアの道ならぬ恋はついに実ったかに思えた。しかし、イタリアでの最高の休暇から戻った二人は、大学内での激しい非難にさらされ……。大人気ロマンス『インフェルノ』の続篇!
9・11の現場からアフガンまで暴力と絶望渦巻く世界五都市にて、日本製の機械人形の存在を通して人の行為の本質を抉り出す連作短篇集。ポスト伊藤計劃と目される気鋭の新人によるデビュー第2作
OLをリストラされたことをきっかけに、祖父母から譲り受けた「玉阪人形堂」店主となった澪。人形制作に関しては素人の澪だったが、押しかけアルバイトの人形マニア・冨永と、高い技量を持つ訳あり職人・師村の助けもあって、人形堂はそこそこにぎわいを見せていた。一時店はは閉店の危機に見舞われたが、資産家の坊(ぼん)でもあった富永が共同経営者の立場に立つことで、その危機は去ったーー。今日もこの小さな店には人形に関する様々な難題が持ち込まれる。赤いマーカーの汚れがついてしまったリカちゃん人形、グループ展でなぜか壊されてしまう人形作家の「ある作品」、髪が伸びる市松人形とその作者の謎、盲目のコレクターが持ち込んだ小田巻姫の真贋ーー。思いがこもった人形は、実は人間にとても身近な存在であることを、津原氏は円熟の筆で描きます。今まで自分の近くにあった人形は何であったか、自分の込めた思いは何であったか、その追憶と郷愁も誘う絶品「人形」連作集の第二弾。
黒乃真央は極悪な容姿だが、中身は普通の文系男子高校生。ある日の放課後、謎の頭痛によって気絶。彼が次に目覚めた時、始まったのは凄惨な人体実験と、過酷を極める殺し合い。名前を奪われ、意志を挫かれ、思い出さえも消されてゆく絶望の中に、一筋の光が差し込む。それは希望か、はたまた、新たな絶望への誘いか。剣と魔法の異世界召喚ダークファンタジー。
経営基盤が脆弱な中小企業を支援するため、税理士・飯塚毅が編み出した「別段賞与」の手法が税務当局を刺激した。脱税指導だとして糾弾する国税局を相手に、納得のいかない飯塚は正面から闘いを挑む。訴訟が泥沼化する中で彼を支えたのは、家族や心の師の存在だった。「一円の取りすぎた税金もなく、一円の取り足らざる税金も無からしむべし」の信念で、国家権力から税理士の独立を勝ち取った男の闘いを描く、実名経済小説。
「貴様の里を焼き払ろうてくれる」そう言い残し消えた巌道。故郷の心配しつつ、次々に舞い込む化け物退治の依頼を、妖怪仲間と共に解決するが、ついに故郷から一大事を知らせる手紙が……。どうする平太郎!