2013年7月発売
ヘミングウェイの妻ヘミングウェイの妻
若き日のヘミングウェイと、彼を物心両面で支えながら共にパリに渡った最初の妻ハドリー。1920年代のパリ、ふたりは貧しくとも愛に溢れた日々を送っていた。だがフィッツジェラルド夫妻らをはじめ、裕福で奔放な友人との交遊の中で、ふたりの絆はやがて葛藤と裏切りに塗れてゆく…。運命の出会い、出産、そして背信…。史実と大胆な想像力をもって描かれたスリリングな恋愛長編。
出訴期限出訴期限
判事ジョージ・メイソンは苦悩していた。世論が厳罰を望む悪質な暴行事件には、法手続き上の穴があったのだ。第一審どおりの刑を科すべきか、あるいは出訴期限の超過を理由に被告人を放免すべきか?裁くことへの苦悩の果てに、メイソンは忘れかけていた自身の暗い記憶と直面することになる…。『無罪INNOCENT』で翻訳ミステリー大賞を受賞したリーガル・サスペンスの巨匠が、またも放った傑作。
謀る理兵衛謀る理兵衛
商人の町・大坂がもっとも華やかな時を迎えていた元禄時代。日本一の豪商と呼ばれる丹生屋の四代目・重兵衛は放蕩の限りを尽くしていた。その姿を息子である理兵衛は、苦々しく見つめていた。しかし、重兵衛の散財には理由があった。数多の大名に大金を融通し、隠然たる力を持つに至った丹生屋を疎ましく思っていた幕府の大老が、丹生屋を取り潰し、その血を根絶やしにするため、様々な策を弄して丹生屋を陥れようとしていたのだ。大坂商人の意地を賭け、幕府へ反旗を翻した丹生屋二代にわたる大立ち回りが始まった…。