2013年7月発売
江戸の街で頻発する神隠し。拉致されかけた娘を偶然助けた流英次郎は、彼女を手がかりに神隠しの正体に迫る。浮上した幕府の大屋台に巣くう恐るべき白蟻は、麻薬と人身売買により、幕政の根幹たる鎖国令を食い荒らしている。巨大な白蟻の巣に近づきすぎた流一統に、過去最強の海外からの刺客たちがぞくぞく襲いかかる!
2007年1月〜2008年1月放送の仮面ライダー電王の小説版です。 時空を駆けぬける戦士 仮面ライダー電王ーー参上! 過去を作り変え、世界を壊そうとするイマジンーー許すまじ! 2013年4月、建設中の東京ワールドタワーがそびえたつ再開発地域に巻き起こった魔犬騒動。その中心には“未来を知る”と呼ばれた男の存在があったーー。契約者の欲望に取り入って過去を作り変えようとするイマジン。その真の目的とは……!? 0 翡翠 1 二〇〇五年二月十日 2 エイトライナーの魔犬 3 未来を知る男 4 幻の酒 5 契約者 6 第二のイマジン 7 幕間 8 ヒスイ 9 夜のパストラミ 10 二〇〇八年九月十五日 11 二〇一三年四月二十三日──と、その未来
江戸下町の若い表具職人、栄二は、器用で俊敏、将来を嘱望されていた。だが、ある日突然、無実の罪を着せられ、人足寄場へ送られる。陥れた者たちを呪い、自暴自棄になる栄二だったが、同じ職人仲間で何をやっても愚鈍なさぶの、ひたすらな友情に励まされ、少しずつ生きる勇気を取り戻していく。しかしそこにも、たちの悪い男が現れて…。厳しい試練に、必死で立ち向う若い男女の友情と愛を、切々と描いた逸品。
現代中国の最重要作家が1988年から2009年までに発表した短篇小説から精選、年代順に編む、日本オリジナル傑作集。ある上申書を書き直し続ける母と、夢と本によって母に現実を示す娘を語る「瓦の継ぎ目の雨だれ」から、地下に向かって生長する不思議な植物をめぐり変化する人々を描く「アメジストローズ」まで、夢の論理に細部まで貫かれた14篇を収める。
突然命を絶ったレルヌ公が美しい娘コラに残した遺書には、四人の男友達のなかにいるはずのリュパンの正体を突きとめて彼に頼るようにとあった。折しも彼女と英国の王位継承権を持つ公爵との縁談が持ち上がり…。リュパン最後の、真実の恋の物語。遺族の序、ルブラン自身のエセー、リュパン研究の第一人者J・ドゥルアール「モーリス・ルブラン、最後の小説」を併録した完全版。
1889年、切り裂きジャックの恐怖が残るヴィクトリア朝ロンドン。地に落ちた警察への信頼を回復するため、ロンドン警視庁に殺人捜査課が創設された。日々捜査に忙殺される中、仲間のひとりが無残な死体となって発見される。事件の捜査を命じられたのは、新米警部補のディだったー。巨大都市にはびこる犯罪の闇、それに立ち向かう刑事の光。斬新なスタイルで贈る傑作警察小説!バリー賞、「ストランド・マガジン」批評家賞ノミネート。
科学的犯罪捜査の先駆者キングスリー博士の助けを借りながら、ロンドン警視庁の殺人捜査課警部補のディは、同僚刑事殺害の謎を追う。一方で、卑劣な犯罪を目の当たりにしたハマースミス巡査は、密かに捜査することを決意する。その先に、罠が待ちうけているともしらずに…。刑事たちの終わらない捜査の日々の、わずか三日間のドラマを活写する、圧巻のヴィクトリア朝警察小説。
町ごと大火で焼失したグラストンベリー大修道院の墓地から、国王ヘンリー二世の命により掘り出された二体の人骨。それは伝説のアーサー王とその妃のものなのか?住み慣れた町を追われた女医アデリアは王に依頼され、供を連れ骨の鑑定に赴くが、途中まで一緒だった友人エマの一行は消息を絶ち、目的地でも数々の危難が待ち受ける…。CWA最優秀歴史ミステリ賞シリーズ第三弾。
異様な精神が創り上げる罪の庭の美を描く表題作のほか3篇を収録する“幻想小説篇”に、書籍初収録の「露店将棋」「ビヤホール風景」を収める“コント篇”、「ロボット殺人事件」など科学趣味に溢れた先駆的な作品を集めた“SF篇”で贈る第四巻には、未発掘だった随筆と関連資料を多数併載する。生前歿後を通して初の単著文庫となる決定版全集、堂々完結。
貴子(きこ)と永遠子(とわこ)。葉山の別荘で、同じ時間を過ごしたふたりの少女。最後に会ったのは、夏だった……。25年後、別荘の解体をきっかけに、ふたりは再会する。ときにかみ合い、ときに食い違う、思い出。境がゆらぐ現在、過去、夢。記憶は縺れ、時間は混ざり、言葉は解けていくーー。やわらかな文章で紡がれる、曖昧で、しかし強かな世界のかたち。小説の愉悦に満ちた、芥川賞受賞作。
見知らぬ赤ん坊を連れてきた父親が、まさかの突然死。母亡き後ひきこもり歴4年の雅祥が、いきなり育児を任されることに。この時から地獄の二人暮らしが始まった。ミルクを飲ませても、おむつを替えてもタカヤは泣き止まない。母親はいったい誰…迎えが来る日まで、あと1日。だが、まあくんとタカヤと母親の人生は驚愕の真実へと急転直下する!胸に染みる、痛快青春ミステリー。
“雑司ヶ谷の妖怪”こと、泰幸会教祖・大河内泰が死んだ。享年102。葬儀に参列するため中国から帰国した俺を待っていたのは、ババアが書き残した謎の遺書。教祖のイスと莫大な財産は俺の父親に譲るというが、親父ならとっくに死んでいる。ババアの魂胆は何か?初代教祖の戦前戦後の過去と、二代目就任をめぐる抗争劇の現代が交錯する、衝撃の問題作「雑司ヶ谷」シリーズ第二弾。
元薬物研究員が勤務地の近くで肉と骨の姿で発見された。埼玉県警の槇畑は捜査を開始。だが会社は2ヶ月前に閉鎖され、社員も行方が知れない。同時に嬰児誘拐と、繁華街での日本刀による無差別殺人が起こった。真面目な研究員は何故、無残な姿に成り果てたのか。それぞれの事件は繋がりを見せながら、恐怖と驚愕のラストへなだれ込んでいく……。
高齢のヴィルヘルミーネを介護するために、ロシアからドイツにやってきた二十三歳のイェリザヴェータ。二人の人生には、第二次世界大戦の「爪痕」が生々しく遺されていた。ある日、一本の電話をきっかけに、その戦争の記憶がうごめきだすー。過去と現在を往還する、息詰まる心理劇。