2013年発売
天下の日本橋。ふらふらと橋を歩く坊主頭がいた。凶暴な顔つきのその男が、頭巾のようなものをかぶった途端、驚くべきことが起きた。なんと男は、いきなり爆発したのだ。阿鼻叫喚の騒ぎとなった橋から、男は逃げていったという。前代未聞の出来事が、実は長州忍者のしわざだと思った織江は、やがてその恐ろしい目的に気づくー。そして晩年、遠く離れた地で暮らす彦馬と織江は、再び妖しい影と対峙する。シリーズ第2弾。
病に伏せっていた将軍家重の側近、大岡出雲守忠光が、闇夜に化け物に襲われた。辛くも撃退するが、その正体を探るべく、またもや京嵐寺平太郎に白羽の矢が立てられてしまう。平太郎はいやいやながらも、幼馴染の妖怪大将・樋熊長政の力を借り、小さな雷の妖怪“らいき”を肩に乗せた大田道寛とともに化け物を追うが…。江戸を賑わす怪事件の元凶が、ついにその正体を現す!妖怪痛快時代小説、緊迫のシリーズ第2弾。
気がつくと涼は北京にいた。祖父・竜弦に“傀儡の術”をかけられたのか。だが驚く間もなく、涼は現代中国の恐るべき現実に直面する。少女を狙った人身売買、官僚の堕落と暴力、ウランの闇取引、公害の垂れ流し、死体ビジネス…。それが中国だけでなく日本をも侵蝕していると知り、涼は地元の組織とともに立ち上がる。しかし、中国を覆い尽くした闇は底知れず深かった…。アクション巨編第3弾。
根岸肥前守の発案で発足され、町奉行所で解決できなかった事案を改めて受け持つ「奉行組」。彦蔵は、その一員となることで生計を立てながら、絵の修業を続けていた。江戸随一の版元・蔦屋重三郎の紹介で歌川豊国に師事したものの、なかなか満足のゆく絵が描けない。そんな折に出会ったのが、東洲斎写楽だったー。幼きころの仇も姿を現し、彦蔵は運命の大きな流れに翻弄されてゆく。人気沸騰の書き下ろしシリーズ、第3弾。
老人福祉施設のデイサービスセンターに勤める純子は偶然、一生忘れようとしても忘れられない女性の担当になった。かつて、純子が小学生の頃、食べきれない給食を無理やり食べさせようとした女のー(『給食』)。「食い物の恨み」はこんなにも恐ろしい!食事にまつわる怖い話を語る女性たちのおしゃべりが次第にエスカレートしていくさまを描いた「怖い食卓」など、「食」と「女」をテーマにした心理ホラーをあつめた短編集。
幽霊が視えてしまう体質の大学生、八神森司。その能力を生かし(?)、オカルト研究会で、美少女こよみに密かに片想い中。しかしオカ研には、恐怖の依頼が続々と、凍死寸前の男が訴える「雪おんなの祟り」や隙間から覗く眼など、難問奇問を調査する中、恐れていた出来事が!それは、こよみの元同級生だという、爽やか系今どき男子(しかも好青年)小山内の登場で!?ホラーなのに胸キュンと大人気、青春オカルトミステリ第3弾。
高校を卒業したあゆみは、なおやと出会った。かっこよくて優しくてちょっと陰のあるなおやに惹かれたあゆみは、ほどなくして付き合い自分のアパートで同棲を始める。だが、なおやは徐々に変わり、働きもせずギャンブル三昧、機嫌が悪ければ物にあたるように。好きだった彼に不信感を抱き始めた頃、あゆみはなおやから暴力をふるわれるようになってー。立ち上がれないほどに殴られ続けるあゆみだけど、なおやから逃れられなくて…。絶え間なく続く彼からの暴力、地獄のようなDVの日々。逃れられない愛に苦しんだ末、少女が辿った衝撃の結末とはー。第6回魔法のiらんど大賞ホラー部門賞受賞。
南校イケメンヤンキーズ最大の敵・千春との一戦を終え、再び囚われの身となったミホのもとに現れたのは、屋敷に入ることを許されない甘党王子・千里。久々の対面を果たした2人は、『ロミオとジュリエット』さながらの甘ーい雰囲気…。「オマエを離すつもりはない」つ・い・にー妄想オジョーサマ・ミホを極悪な斉藤家から救出すべく、イケメンヤンキーズが総出で動き出す!!ミホが出席するというセレブパーティーの情報を入手し…はちゃめちゃなヤツらが、ついに社交界デビュー!!??ハラハラドキドキの第10巻。
ロンドンの美術商がアメリカで凄絶な事件に巻き込まれた。からくもイギリスに戻るが、新妻を迎えた家に忍び寄る不審な男の影。ボストンのギャングが追ってきたのか?相談を受けたシャーロック・ホームズは、「ベイカー街不正規隊」の少年たちに探索を命じるが、その一人が命を落とし、怒りに燃えるホームズを新たな罠が待ち受ける。「ハウス・オブ・シルク」の戦慄すべき秘密とは?衝撃の事件がいま、明らかになる。
堀田家随一のイケメン、青の出生の秘密とは?(「紺に交われば青くなる」)、藤島社長と堀田家の初めての出会いとは?(「縁もたけなわ味なもの」)、地味な紺が、亜美を射止めたきっかけは?(「愛の花咲くこともある」)。老舗古書店「東京バンドワゴン」に舞い込む謎を、大家族の堀田家があふれる人情で解決する人気シリーズ第8弾、番外編。知られざるエピソードが満載。書き下ろし3編を含む全11編。
地震計を見つめる旧友と過ごす、海辺の静かな一夜(「強震モニタ走馬燈」)、豪雪のハイウェイで出会った、オーロラを運ぶ女(「葬式とオーロラ」)、空に音符を投げる預言者が奏でる、未来のメロディー(「ニイタカヤマノボレ」)、母の間男を追って、ピアノ部屋から飛び出した姉の行方(「忘れられたワルツ」)、女装する老人と、彼を見下ろす神様の人知れぬ懊悩(「神と増田喜十郎」)他二篇。「今」を描き出す想像力の最先端七篇。
スランプに陥った元人気作家の創作講義に、アルジェリア人学生がやってくる。過酷な生い立ちにもかかわらず、彼女はいつも幸福感に満ちあふれ、周囲の人々をも幸せにしてしまう。やがてある事件をきっかけに、彼女が「幸福の遺伝子」を持っていると主張する科学者が現れ、国民的議論を巻き起こすー。鋭敏な洞察の間に温かな知性がにじむ傑作長篇。
世界各地で、一次心理試験を突破した子供たちが、練習生となるべく、行動的適性を調べる二次試験に挑んでいた。だがその試験は、筆記や口頭試問ではなく、仮想現実空間内での一種のゲームであった!一方、一週間の休暇を終えた恵一ら教官候補生40名を乗せた練習戦艦アルケミスは、補給艦エデンから出航し、訓練空域である太陽系外縁部へと向かう。どんな熾烈な戦闘状況になろうと、絶対に負けない!そう心にきめて。
天才絵師・狩野永徳の恍惚と不安。稀代の名作『洛中洛外図』を描き、時代を席巻した永徳。-あの男は、どうしておれを苛立たせるのか。長谷川等伯への嫉妬に身悶えしながら、画境の極みを目指す。絵師の業を極限まで描く、傑作長編。
清原春菜。31歳、独身、派遣OL。田舎暮らしを嫌い、実家を出て働いていた春菜は、男に金を騙し取られ、派遣先からも仕事を切られてしまいます。実家に援助を頼もうとするも、騙されたとは言い出せず、ついには毎日の食事にさえ困窮するように…。それでいて、彼女はどこか明るく、前向きなのです。-気がつけば、私たちは春菜の一挙手一投足から目が離せなくなっています。
ジョー・ヴェニス。男。ニューヨーク在住。職業、私立探偵。依頼の件は、オフィスで聞こう。気負わず、たゆまず、ゆるがない。ニューヨークを行く自然体の私立探偵が、9・11を経た街で出会う、数々の事件と忘れがたき人々。書き下ろしを含む全七編を収録した連作短編集。
帰国子女の栄美は桜の美しさを楽しむ余裕もなく、不安いっぱいで日本の高校での初日を迎えた。幸いにも友達ができ、気になる男の子とも仲良くなれたものの、やがて辛い別れを経験することに…。時は流れ、大学生となった栄美の前に現れたある人との出会いをきっかけに、高校時代の思い出はまったく別の形を見せてゆくー。『慟哭』の著者が仕掛ける、忘れられない青春ミステリ。
超自然現象研究会が配布した“エリア51”の「市立七不思議」特集が影響を与えたのだろうか?突如休み時間に流れた、七不思議のひとつ「カシマレイコ」を呼び出す放送。そんな生徒はもちろん存在しない。さらに「口裂け女」「一階トイレの花子さん」の悪戯まで見つかった。なぜこの三つなのだろう…。調査を進めた葉山君は、ある真実に気づく。ますます快調な、シリーズ第五弾。