2013年発売
とってもいい目をしているが、おつむが足りない若き新聞記者フレッド・フォーリー。彼はテレパシーでつながって人間を越えた存在になろうとする七人組の“収穫者”にそそのかされ、さる政界の大物が五百年前に実在した政治家と同一人物ではないかと思いつく。この記事を調べるうちに、フォーリーはいくつもの超自然的友愛会が世界に陰謀をめぐらしていることを知り、熾烈な争いの中に巻きこまれていく…世界最高のSF作家、ラファティによる初期傑作長篇がついに登場。善と悪、現実と幻想、正気と狂気が入り乱れ、奇天烈な登場人物が大暴れする唯一無二のラファティ・ワールド。
天正十七年、小田原。二年ぶりに帰参した豊臣秀勝は、真砂五右衛門からひとつの忠告を受けるー「敵は外ではなく、内にいる」。混迷する太閤・秀吉の天下。そこに下されたひとつの命。「天皇を助けて秀吉を討ち取った者が次の天下人である!」伊達、徳川、蒲生、細川、そして豊臣秀次・秀勝兄弟…。己の天下を目指して、皆が一斉に「秀吉の首」を狙う!果たして次の天下人は誰か?-。
孫権のもとで発展を遂げた呉に目をつけた曹操。しかし呉の周瑜は曹操の求めに従わず、天下三分の計を持論とする孔明に煽られ、開戦へと突き進む。互いに策謀を巡らせながら、赤壁において両軍はついに激突。そして孔明の能力が次の脅威となるを恐れた周瑜は、彼の命を狙うー。物語最大の山場を迎える、野望と決戦の第六巻。
蓮華王院三十三間堂。兄の仇と一門の汚名返上に奮い立つ伝七郎に対峙した武蔵は、一太刀であたりの雪を赤く染め上げた。これにより吉岡方の恨みは頂点に!次なる舞台は、総勢七十余名の待ち受ける一乗寺下り松。圧倒的不利の状況で次々と挑みくる敵を無心に斬り続け、武蔵の肉体が限界を迎えたその時、遂に二刀流が生まれたー。血潮飛び散る苦闘の第四巻。
両親を亡くした卯乃は、筑前黒田藩で権勢を振るう立花重根に引き取られたが、父の自害に重根が関与したと聞き、懊悩のあまり失明してしまう。前藩主の没後、粛清が始まった。減封、閉門、配流。立花一族は従容として苦境を受け入れるが追及は苛烈を極め、重根と弟・峯均に隻腕の剣士・津田天馬の凶刃が迫る。己の信ずる道を貫く男、そして一途に生きる女。清新清冽な本格時代小説。
「その日を死に番と心得るべし」との覚悟で幾多の合戦を生き抜いた藤堂高虎。織田信長亡き後、豊臣家に三顧の礼を持って迎え入れられるが、秀吉は茶々との愛欲に溺れ、天下人としての資質を失っていく。落胆した高虎は一時出家さえ試みるが、徳川家康から届いた一通の手紙に心を動かされ、再び下天を謀る決意を固めるー。「戦国最強」との誉れ高い異能の武将を描く本格歴史小説。
石田三成らの讒言により豊臣家から疎まれた藤堂高虎は、家康の人柄に魅了され徳川家に接近。類い稀なる諜報能力を駆使して、家康の危機を救うこととなる。そして訪れた太閤秀吉の死。高虎は外様でありながらいち早く旗幟を鮮明にして東軍に付き、雌雄を決する合戦に挑む。その唯一の望みは民が平和に暮らせる世ー。激動の時代を怜悧な判断力で巧みに生き抜いた男の人生を描く。
遙かな洋上にいる息子彰之へ届けられた母からの長大な手紙。そこには彼の知らぬ、瑞々しい少女が息づいていた。本郷の下宿屋に生まれ、数奇な縁により青森で三百年続く政と商の家に嫁いだ晴子の人生は、近代日本の歩みそのものであり、彰之の祖父の文弱な純粋さと旧家の淫蕩な血を相剋させながらの生もまた、余人にはない色彩を帯びている。本邦に並ぶものなき、圧倒的な物語世界。
両親を失った晴子は福澤家で奉公を始める。三男二女を擁する富と権力の家ーその血脈は濁っていた。やがて運命に導かれるように、末弟たる異端児淳三と結婚する。一方、母の告白により出生の秘密を知った彰之は、苛酷な漁に従事しながら、自らを東京の最高学府から凍てつく北の海にまで運んだ過去を反芻する。旅の終りに母子が観た風景とは。小説の醍醐味、その全てがここにある。
1920年代、イギリスの港町ブリストルに住む貧しい少年ハリーは、サッカー選手か世界を旅する船乗りを夢見ていた。しかし、意外な才能に恵まれ、進学校へすすんだ彼は、富裕層の御曹司たちから再三いじめを受ける。やがて名家出身のジャイルズという親友を得るが…。『ケインとアベル』より30余年、貴族と庶民の生きざまを描く著者畢生の最高傑作。壮大なるサーガ、ついに開幕。
波乱の学校生活のなか、それでも学業に励むハリーは次々に厳しい真実と向き合うことになる。英雄として戦死したと教わった父の本当の姿。ウェイトレスとして働く母メイジーの暗い過去。師と崇める謎の男ジャック・ターが背負う傷。伯父スタンの許しがたい行い…。少年が大人への扉を開けてゆく中、ついに直面することになった驚愕の事実とは?全英1位ベストセラー、日本上陸。
地下鉄の新線開業を間近に控えたある日、保線作業員の的場哲也は、勤務中にトンネルの中で怪しげな人影を見つける。またインターネット上でも、東京の地下に「地底人」が出現するという噂が飛び交っていた。そんな中、的場は母から、弟の洋次が鬼童征夫なる経済学者が主宰する怪しげな勉強会に通っていると相談を受ける。事情を探るために鬼童の講演会に出かけた的場は、そこで意外な人物を見かけるのだが。「東京の地下を支配した」と宣言する、テロリストたちの意外な目的とは何か?複雑怪奇な地下迷宮(ダンジョン)と化した東京の地下を舞台に、クライシス小説の旗手が描く、緊迫のサスペンス。
間宮伯爵家は大日帝国の王家を裏で支える、代々続くヴァンパイアの家系だ。だが嫡男の弓弦はそんな己の運命を呪っていた。というのも、幼き日に結婚の約束をした親友の忠匡が、帝国陸軍の対ヴァンパイア特殊部隊VETに所属しているからだ。忠匡は知る由もないが、自分と彼とは違う種族、そして敵同士。愛すればこそ忠匡をこの忌まわしい血に巻き込んではいけない。弓弦は忠匡との接触を避けるようになるが…。
普仏戦争直後のパリに詩人を目指してやってきたランボーは、弟子入りしたヴェルレーヌとの激しい恋に身を焦がす。しかし家庭を捨てきれないヴェルレーヌとのすれ違いの末、ランボーはついに文学に絶縁状を叩きつける。彗星のごとく駆け抜けた若き天才の非凡な自伝でありながら、文学史上に燦然と輝く傑作詩集を漫画化。
小野が義兄・王の邸を出てからひと月。王のもとへ小野の婚約披露パーティーの招待状が届いた。さらに、かつては宿敵であった姜と手を結び、トラブルを仕掛けたりと嫌がらせは次第にエスカレートしていく。危険を感じた王は、恋人の三枝をしばらく実家に帰すことにしたのだが、その夜、王の邸に火が放たれ、三枝が拉致されるという最悪の事態が…。王VS小野。究極の兄弟対決の結末は?緊迫するシリーズ最終巻。
超能力者・斉木楠雄に新たな災難…燃堂がニーチェを語り出し、海藤が狐高のウィザードに…!?大盛り塩ラーメンに仕掛けられた罠、そして、斉木が学校を欠席した理由とは…!?日常番外編をノベライズ。