2013年発売
幼馴染の蓮(レン)と鈴(リン)は、部活に、進路に、恋に、悩みながらも成長していく。さらに、ハル先輩を想い続ける未来(ミク)が、ついにドイツへ!?『桜ノ雨』シリーズ第三弾!!スピンオフ作品として登場!『桜ノ雨』のキャラクターたちが織り成す珠玉の青春ストーリー!
定年退職した65歳の男が、20年前に同僚だった女性のお見舞いをしたくて、ただただありがとうを伝えたくて、1000キロの道を歩き始める。去来する人生の苦い記憶と“秘密”を踏み越えながら。そして巡礼の最後に訪れる、深く静かな感動の救済ーナショナル・ブック・アワード新人賞受賞作各国でNo.1のロードノベル!
人間の生きてきた痕跡や事件までを消す「消し屋」の省吾は、政治家・轟の依頼により、本栖湖に本拠地のある新興宗教団体「真々教」を内部から探る。教祖の畠山織江は人殺しの前科があり、織江の孫、カリスマ性の高い美形の立花遙介は殺人を快楽の一つと捉えていた。新しい宗教に、人殺したちが集まったー。
怪奇小説家ハワード・フィリップ・ラヴクラフトと、彼と親しい作家たちの間で形成された架空の神話体系『クトゥルフ神話』。人間の情念のおよばない、より原初的な恐怖(宇宙的恐怖)を描くラヴクラフトの小説を起点とするその世界観は、現代においては小説にとどまらず、音楽・映画・ゲーム・コミック等、様々な媒体に共有され、「クトゥルフ神話」を知らずともその末端にも触れたことがないという人はいないのではないかという程に拡大している。数多くの作家が好き勝手に設定を作ったり無視したりして作られていることはクトゥルフ神話のひとつの特徴と言える。本検定はその混沌とした世界観はそのままに、「お約束」となっているような設定や、個々の作品の内容、またラヴクラフトとその周囲を中心とするクトゥルフ神話作家たちのエピソード等を問う。
年下の、男の匂いのしないユヒラさんに誘われて、春まだ浅い夜、月光をかがり火がわりに夜釣りに出かけた。一度吸えば、もう死んでもいいと思うくらい美味しいというトモスイを探しにー。第三の性に寛容なタイ訪問を機に創作された川端康成文学賞受賞の表題作。バリの噎せ返る緑のなか、姉と弟の禁断の愛を描く「芳香日記」ほか、アジアのエロスと情熱を湛えた傑作短編十編。
諸葛亮と司馬懿、二人の天才による対決がいよいよ始まった。勇将・姜維を得るも、趙雲や関羽の遺児らを亡くし、期待されていた馬謖は街亭で痛恨の敗北を喫するなど、蜀漢は人材不足に悩んでいた。だが諸葛亮は、三年の内政で国を建て直し、忠純と神算鬼謀の限りを尽くして、秋風の五丈原における最期の決戦に挑むー。宿命と永訣の最終巻。
出世欲に揺れ、女に惑いながらも己の剣の道を必死に磨き続けてきた武蔵の半生。憎まれ、救われ、教わり、愛した数多の記憶を胸に、お通と思いを確かめ合ったのは、因縁の相手・佐々木小次郎との決戦間際だった。向かう先に待ち受けるは勝利か、死の府かー。人々の祈りを乗せていざ、船島へ!思索と感動に満ちた圧巻の結末がここに。最高にシビれる歴史ロマン落涙必至の最終巻。
ついてないな。そもそも高校に入ったときからついてない。バスに乗り遅れたナツミは停留所で小学校時代の友人と再会する。ぎこちない会話はやがて不幸の手紙へー(「銃を撃つ」)。少しずつ少しずつ積み上げてきた生が、ふと直面する戸惑い、やりきれなさ、苦い思い。その儚くも愛しいミルフィーユのような断面を鮮やかに描き出す珠玉のナイン・ストーリーズ。著者初の短編小説集。
オレ、シンジ、パンクロックにハマッたんだ!-17歳の少年の脳内に突如、100年前の革命家の魂が棲みついた。関東大震災後に虐殺された伝説のアナーキスト大杉栄だ。パンク少年+アナーキストは閉塞した21世紀ニッポンを疾走する。二人の運命は?アイドル美少女との恋の行方は?政治と文学、アイドルとパンク、時空を突き抜け元気になる!!「恋と革命」の痛快パンク青春小説。
「そもそものはじまりは間違い電話だった」。深夜の電話をきっかけに主人公は私立探偵になり、ニューヨークの街の迷路へ入りこんでゆく。探偵小説を思わせる構成と透明感あふれる音楽的な文章、そして意表をつく鮮やかな物語展開ー。この作品で一躍脚光を浴びた現代アメリカ文学の旗手の記念すべき小説第一作。オースター翻訳の第一人者・柴田元幸氏による新訳、待望の文庫化!
“やりすぎミステリー”の旗手が贈る、100パーセントの推理小説!“血の池”に浸かった死体には両手首がなかった。難事件に挑むのは、孫におんぶされたおばあちゃん!名刑事の未亡人・城沢薫の“位牌推理法”が炸裂する!?
秀吉の朝鮮出兵が始まった頃のこと。京の一商人・角倉了以は朱印船貿易を終えた帰途、備前・吉井川で人生を変える出来事に遭遇した。了以は、舟子が「ほ〜いほい、ほ〜いほい」と掛け声を上げながら、上流へ舟をひっぱり上げる光景を目撃したのだ。かねてより了以は山城の北西部、大堰川・保津川に水運を開けば人々のためになると考えていて、その方法がわからず悩んでいたが、奇しくもこの光景がその方法そのものだった。しかし戦国の世はまだ収まらず、了以の思いは子の素庵を巻き込み家業もなげうった末、ようやく十三年後に達成される。さらに父子は富士川や高瀬川開削舟運にも着手すると、豪商へとまっしぐらに進んでいくー。「京都の水運の父」として歴史に名を残すことになった父と子の生きざまを描く歴史長編。
俺、柳井馨は存在感の薄い地味なリーマン。そんな俺が休暇を利用して訪れたのは、遺跡で知られる中東の小国ネムル・アルカト王国だ。ところが、どうやらこの国では俺の冴えない容貌が「完璧な美」に見えるらしく、入国するやいなや超絶ハンサム王子のシャルクに一目惚れされ王宮に連れてこられた挙句、遺跡の案内まで買ってでられて…。四人の腹違いの王子様に囲まれ…突然の“モテキ”に、どーする俺!?
平家討伐の先兵となるも、京洛で狼藉を働き、都を追われた悪逆の徒、朝日将軍・源義仲。父を身内に殺され、孤独の身で遠き木曾に追いやられた不肖の「源氏の子」。人々の幸せ、新しい国のかたちを求めて戦い続ける男は、やがて天下に手をかけるが…。最注目の新鋭による、渾身の書き下ろし時代長編。誰もみたことのない源義仲、真・源平合戦絵巻。
日本海側に位置する、とりたてて特色のない雪国・X県。地産地消の食べ物、整った子育て環境、健康長寿。X県を彩る言葉は女たちを縛り付けて、放さない。30歳の蒼子は、代々X県に土地を持つ家の一人娘。夫と二人きりで、自らの実家で穏やかに暮らしていた。彼女が自分の姿を重ねるのは、隣家を守り続けてきた番犬トウマ。年老いたトウマは、飼い主の母娘に虐げられていた。蒼子はまだ知らない。彼女を取り巻く人々の悪意が、幸せの裏で膨れあがっていることを。「隣犬トウマの破顔」ほか、X県で暮らす6人の女性の幸せの歪みを描く、連作小説。
DNA鑑定が指し示す、17年前の殺人事件=「冤罪」の可能性。この街で夢を追いかけた少女の悲劇。闇に潜む真犯人を、追い詰める。1995年、代官山・カフェ店員殺人事件。被疑者となったカメラマンは変死。2012年、川崎・女性殺人事件。代官山の遺留DNAの一つが現場で採取。「17年前の事件の真犯人を逃して、二度目の犯行を許してしまった、となると、警視庁の面目は丸つぶれだ」-。かくして警視庁・特命捜査対策室のエース・水戸部に密命が下された。「神奈川県警に先んじて、事件の真犯人を確保せよ!」好評「特命捜査対策室」シリーズ第二弾。
訴訟で一度も負けたことのない敏腕弁護士・古美門研介と、融通のきかない堅物新米弁護士・黛真知子。水と油のふたりがタッグを組んで、殺人、著作権侵害、ストーカー、日照権、収賄罪、離婚、親権問題…さまざまな裁判に挑む!その一方、古美門の宿敵、大手弁護士事務所の三木長一郎との闘いもクライマックスへと…。