2013年発売
著者の芸術活動の最初期にありながら、会田哲学、セオリー、善悪、聖と俗の逆説、執拗なまでの観察力と巧みな描写技法など、天性の画家ならではの表現が既に完成された小説であり、確信犯の犯行声明ならぬ、美術家・会田誠の制作のプロットであり予告であった。本作品の単行本刊行に大きく関わった松蔭浩之氏の書籍化までを追った回想的解説文を付す。
中世幻想譚の精華たる謡曲から、童話や探偵小説、そして戦後文学を代表する人々まで多彩な幻視者たちの文学を集大成。現実を超えた世界を追求する作家たちの鮮烈な軌跡を、識者によるオールタイム・ベストをもとに選ばれた名作佳品21篇によって跡づける。
母・乙美が遺してくれた、愛情たっぷりのレシピ。すこやかに、幸せに過ごしてほしいー映画『四十九日のレシピ』から飛び出したおいしくて楽しい、料理&暮らしのレシピ。
史上、これほど愛された女性がいたろうかー時の最高権力者・白河法皇と、その養女にして最愛の恋人・待賢門院璋子。法皇63歳、璋子15歳。およそ50歳も離れた二人の愛は、平安という貴族社会を炎上させるほど、激しく純なものだった。文藝春秋読者賞を受賞した、渡辺文学の集大成!巻末には麻木久仁子氏との対談を収録。
すべての女を虜にする、江戸随一の色男! 天下の色男・慶左衛門、伊勢参りで自慢のモノがついに回復、京都で大坂で金比羅で、さあ色欲全快! 痛快エロティック時代小説。
隣の病室にいるのは、もしかして? 傑作短編集 食道がんで入院した51歳の多花子はある日、隣の病室に昔の男がいることに気づいた。成熟した女が見据える人生の妙味を描く短編集。
1993年、あと一歩のところで連続幼児殺人犯を取り逃がした不破と田村の同期コンビ。17年後、不破を訪ねてきた田村は、その夜に変死を遂げた。定年後も事件の捜査を続けていた田村の執念、そして刑事訴訟法改正の狭間で“公訴時効”の名の元に忘れ去られた被害者たちの無念を胸に、不破は真犯人に迫る!
訴訟でやってくる者たちが泊まる“公事宿”のひしめく日本橋馬喰町。お裁きがまさに始まろうとしたお白洲で、獣に食いつかれたような傷を残して公事師が突然死んだ。“マミ”が出たという騒ぎ、卵を産んだ女房、三日月井戸…馬喰町七不思議のなかに隠された巨大な悪事に根岸肥前守が挑む、大人気殺人事件シリーズ第16弾!
貧しい人を放っておけないとガラクタさえも預かる質屋を営む長屋の大家夫婦。店子を支え、長屋の暮しを守ってきたが、突如、悪徳高利貸しに立ち退きを迫られー「弱い者いじめはいい加減にしたほうがいいぞ!」強い信念と熱き心で立ち向う若き町年寄の三四郎が、影の情報集団・百眼と江戸の事件を未然に防ぐ。人気シリーズ第11弾。
スピルバーグ製作TV化。10月よりBS Dlifeで放映開始 小さな町を突如覆った巨大で透明なドーム。破壊不能のドームに封鎖された空間に恐怖と狂乱が充満する。帝王キングの新たなる代表作!
恐怖に駆られた町民たちが引き起こしたパニックで死者が続出。軍は障壁の外側から、ドーム破壊のためのミサイル攻撃を計画する。そんな中、一人の男が立ち上がった。その名はビッグ・ジム。町を牛耳る権力者。彼は混乱に乗じて警察力を掌握、暴力による支配を目論む。逃げ場のないドームの中で、絶対的恐怖政治が開始された!
世間には知られていない、一風変わったふしぎな職業についた人々に光を当て、その仕事の詳細を聞いた「架空」のインタビュー集。ひょっとしたら世界のどこかに、あるかもしれない……、知られざる「わたくし」たちの物語。クラフト・エヴィング商會と、写真家・坂本真典氏が紡ぎだす「ひと」と「仕事」にまつわる19人の肖像。
「こっこ」こと華原琴子、早生まれの8歳、小学校3年生。好きな言葉は「孤独」。 狭い公団住宅に、中華屋から譲り受けた赤い大きな円卓で食事をする華原家は、頑固で文字好きの祖父、明朗快活な祖母、ハンサムで阿呆な父と美人で阿呆で素直な母、それに中2の美人の三つ子の姉の8人家族。みんなこっこがかわいくてしょうがなく、何かと構うが、こっこは反骨精神豊かに「やかましい!いろいろと」「なんで、て聞くなやボケが」と心で思う。 こっこの尊敬する人物は、祖父の石太と、同じ公団に住む同級生のぽっさん。ぽっさんの吃音を、こっこは心から美しいと思う。吃音や眼帯をした同級生のものもらい、韓国人の同級生の不整脈をかっこいいと憧れ、それを真似したときに、「こっこはなんでそんな風なんや」と大人に怒られてしまう。しかしこっこは感じる。なぜかっこいいと羨んでやったことがいけないのか。こっこはぽっさんに相談し、人の痛みや言葉の責任について、懸命に「いまじん」するのだった。そうして迎えた夏休みの祖母の誕生日。ぽっさんにも「言わない」出来事がこっこに起きてーー。 世間の価値観に立ち止まり、悩み考え成長する姿を活きのいい言葉でユーモラスに温かく描く。2014年に芦田愛菜主演で映画化され話題に。
本所の貸本屋・辰巳屋文三が辻斬りに襲われたところを、新内流しの門付け芸人であるおれんに助けられた。おれんは義父の刀匠・呉羽暁斎の遺言で、彼が呪いを込めて打ってしまった邪剣四振の行方を追っているという。おれんは文三の助けで邪剣を探し当て、邪剣に魅せられた者たちと死闘を繰り広げていく。話題の清張賞受賞作家、幻のデビュー作。
警視庁捜査一課OBの岡田利夫と、特急『きのさき5号』で名刺交換した宝石外商員の北野敬が、城崎温泉で殺害された。一年前には、鳥取県の三朝温泉と島根県の玉造温泉で愛人のために北野から宝石を買おうとした地元の名士が不審死している。岡田とともに事件を追う十津川の前に立ちはだかる巨悪とは!?
世界初?たまごかけご飯専門店にようこそ!「限界集落」に暮らす村人たちを、俺が元気にしてやんべ!養鶏農家でお人好しの二郎は「たまごかけご飯専門店」を開くと決意した。しかも、限界集落からさらに山奥に入った森のなかで。このあまりにも素っ頓狂な計画に、村人たちは大反対するが…。小さな山村に暮らす愉快な面々が繰り広げる、笑って泣ける物語。