2013年発売
“雪だるま”事件は連続殺人の様相を呈していた。また、10年前に起きた警官失踪が、事件に関係していることも明らかとなる。捜査班の前には、次々と容疑者が浮かぶが、真犯人はあざ笑うかのように先回りし、やがて、その魔手は、ハリーの身辺にも迫る…。アルコール依存症と闘いながら捜査に打ち込む、陰影に富む主人公と、癖のある同僚警官たち。30カ国以上で出版されている傑作警察小説。
ひょんなことから、俺様財閥総裁・原島俊紀に気に入られ、彼の専属夜食係になった谷本佳乃。俊紀の事故、会社の危機など艱難辛苦を乗り越えた彼女は、俊紀との間に新しい命も授かり、あとは結婚式を待つばかり。けれど、義母である和子とはぎこちないまま…佳乃はなんとか和子との関係を修復しようとするがー義母との関係修復に奮闘する「いい加減な和解」他、出産編「いい加減な登場」、育児&仕事復帰編「いい加減じゃない保育所」の全3編を収録。俺様総裁と、一筋縄ではいかない元夜食係のすったもんだストーリー、待望の第3巻!
北極圏に墜ちた機体のブラックボックスを回収せよーロシア人大富豪の乗ったプライベートジェットが、北極圏で消息を絶った。暗殺が疑われるが、確認の術がない。ブラックボックスからの信号は、あと3日で止まるという。信号が届く範囲はわずか半径10キロ。元SASのウェストらは、視界ゼロの猛吹雪の中、どうにかターゲット・エリアに到達するが、信号はまったく検知できない。そんなとき、ロシア製攻撃ヘリコプター、ブラック・シャークが飛来し、彼らを上空から襲撃するー。想像を絶する過酷な環境下で展開する渾身のミリタリー・アクション。
天正遣欧使節団とともに、長崎を出航して二年半。異国の地で貪欲に西洋の技を身につけていく次郎左。言葉の壁を実力で乗り越え、普請現場で、たちまち名を上げていくが…。嫉妬の目、密告、逃避行、戦乱の日々。帰国を夢見つつも、イスパーニャ軍の暴虐に反旗を翻すネーデルラント共和国軍に力を貸し、鉄壁の城塞を築き上げた男の波乱の生涯!
高貴中の高貴薬といわれるのが、「紫雪」である。まさに秘薬であった。医薬の研究者なら一度は目にして、できれば口に含んでみたいと熱望する名薬である。口中に投じれば淡雪のように融けるという。そこから、「雪」の字が当てられていた。用いる生薬類も入手困難のうえに高額で、製法に高度な技術を要するので、当時、製剤は事実上、不可能だった。中国から輸入され、唯一、正倉院に所蔵されているだけである。奥医師ですら現物を見た者はいない。幻の薬である。その幻の薬を家康は欲したのではないか。医典籍を渉猟し、みずからも製剤するまでに医薬に長けた家康だからこそ、正倉院に幻の薬を発見して入手を思いたったといえる。家康は単なる好奇心だけで「紫雪」を探したのだろうか。
九州を平定し、荒廃した博多を最後に復興した秀吉には、大明国制覇の野望があった。大陸との交易で栄えてきた商人として、対馬の宗氏とともに戦火を交えぬための工作をした宗室だったが、秀吉は息子鶴松の死をきっかけに朝鮮出兵を決断。宗室は石田三成に密かに呼び出される。名だたる戦国武将たちと渡りあいいくさなき世を求めた、気骨溢れる商人を描く。
精神病院で受けた絵画療法によって絵の才能が開花した青年を巡る、病院関係者たちの心の闇を書簡形式で綴るミステリ「火焔樹の下で」、隣室をのぞき見た孤独な娘を誘う異様な遊戯とその結末を語る「密室遊戯」のほか、初文庫化に際し、閉鎖的な地方に生きる少年少女の倦怠と残酷を幻視的な筆致で描き出した「バック・ミラー」など3篇の単行本未収録作を附した16篇を収める。
地の民を治療する医術の匠を目指すことにしたダグは、“新月湖”駐留地に基礎継ぎの匠がいるとの噂を聞いたフォーンに勧められ、教えを乞おうと決意する。果たして湖の民と地の民の夫婦は歓迎してもらえるのか?弟子入りを志願してきたダグに基礎継ぎの匠は戸惑いを隠せない。ふたつの民族の融和に奔走するダグとフォーンの奮闘を描く、ビジョルドのファンタジー四部作完結。
“新月湖”駐留地の基礎継ぎの匠への弟子入りを許されたダグ。妻のフォーンも元警邏員の若者たちも、安住の地を見いだしたかにみえた。だが地の民の子どもをダグが治療したことから、再び駐留地を出て行く羽目に。驚いたことに師となった基礎継ぎも一緒に来てしまう。平和な旅も束の間、一行の前に悪鬼の影が。数少ない警邏員で、恐ろしい悪鬼に立ち向かうことができるのか。
「すべてはあの町から始まったのよね」母が最期に残した言葉の真意を知るため、独りきりになった少年は母の故郷を訪れる。手がかりは古いモノクロフィルムと未完の小説。町は徐々に陥没がすすんでいて、一部が大きな湖に飲み込まれていた。湖底に残された“思い出の品”を回収する男性・モグリに出会った少年は、しなやかに泳ぐ姿から“サカナ”と名付けられ、彼の仕事を手伝うことに。そのモグリもまた、過去にある秘密を抱えていた。サカナは、聞けなかった母の想いと顔を知らない父の秘密に近付いていく。
中学二年のときに同じクラスだった、28歳の女性三人。設計士として仕事と向き合いながらも、突如豹変した母親との関わりに悩む曜子。結婚し、娘を保育園に通わせる日々。幸せなはずなのになぜか満たされない紀子。優雅な実家暮らしだが、誰にも明かせない“秘密”を一人で抱えている朋美。仕事、家族、恋愛ー同窓会で再会した三人の人生が交錯するとき、そこには神社に潜むという、あの不思議な小人がいて???ボイルドエッグズ新人賞の第15回受賞作。
皇妃となった元春の里帰りのために、贅の限りを尽くして造営された「大観園」。やがてそこに移り住む少女たちは、それに先立ち、なぜか揃って悲惨な未来を暗示する謎々を作るー。いよいよ本領発揮、いよいよ本領発揮、林黛玉の繊細な魅力にも注目!
11月下旬の八ヶ岳。山荘で目醒めた小説家の安斎が見たものは、次々と襲ってくるスズメバチの大群だった。昔ハチに刺された安斎は、もう一度刺されると命の保証はない。逃げようにも外は吹雪。通信機器も使えず、一緒にいた妻は忽然と姿を消していた。これは妻が自分を殺すために仕組んだ罠なのか。安斎とハチとの壮絶な死闘が始まったー。最後明らかになる驚愕の真実。ラスト25ページのどんでん返しは、まさに予測不能!
十八歳になる弥生は、「弥吉」を名乗り、男姿で船頭として働くいっぽう、夜は裏稼業の逃がし屋、「とんずら」にも余念がない。情に脆く、「とんずら屋」の客にすぐに同情してしまい、女将のお昌とぶつかることもしばしばだ。東慶寺で生まれ、出生の秘密を持つ弥生を取りまくのは、松波屋に拾われた啓次郎、身分を隠し松波屋に逗留する進右衛門など、彼女を助太刀する男性陣。今日も依頼が舞い込んでー。シリーズ第1弾!
来栖黒悟(クロ)、高校一年生。好きなもの=歌舞伎。その想いが募り、カブキ同好会を結成したクロだけど、お披露目の舞台を前に、熱中症で倒れてしまう。同学年で歌舞伎経験者の阿久津が飛び入りで代役をこなし、舞台はなんとか無事終了。しかも、阿久津には才能があると、クロは見抜く。さて次なるは大舞台の文化祭。人気実力兼ね備える演劇部と、場所の取り合いで対決することになり!?カブキブVS演劇部、いざ出陣の第二弾!!
大鳳と久鬼を案じる雲斎はキマイラの正体を探るべく、単身台湾へ発つ。そこには鍵を握る第3のキマイラ「巫炎」がいた。八位の外法ー鬼骨の車輪とは?一方、キマイラ化した大鳳と対峙した九十九。己の肉体に疑問を持ち始め悩む九十九の前に、気を操る謎のアメリカ人、フリードリッヒ・ボック、異能の格闘家・龍王院弘と次々に強敵が。キマイラを巡り熾烈さを増す争いのなかで、九十九の修羅の道は続くー。激動の第3弾!
琉球王国の商都である那覇の街は、眩しい陽光と活気に満ち溢れている。このたび無職の三線弾きから晴れて筑佐事(岡っ引き)に転身を果たした武太は、にわか仕込みの正義感を引っ提げて、市井を駆け回っていた。墓泥棒に黒手巾の義賊、子どもたちの失踪、国宝級三線の盗難、絶世の美女の詐欺働き、そして大好きなオバァの過去…。事件の裏に隠された真相を知り、青年は大人への階段を上っていくー。極彩色の琉球版・千夜一夜物語!
あの日、少女はなにを見たのだろうー。17年前、6人の中学生がUFOを呼び、1人の少女が姿を消した。オカルト雑誌「マアジナル」の編集者・高木は、ひとつの投稿をきっかけに残された5人の人生をつないでいく。かつて現実と非現実の境界に立った者たちは、数奇な運命に翻弄されていた。UFO伝説の残る能登の地で、揺らいだ現実の先に高木が見たものとはー。世界と自分の在り方を問う、魂を揺さぶる傑作長編小説。