2013年発売
リンショーピン郊外では森林火災がすべてを焼きつくそうとしていた。娘が元夫とバリに旅立ち、寂しさをこらえつつ少女たちの事件を追うモーリン。犯人は移民の若者、それとも同性愛者?次々と浮かぶ可能性に必死で捜査する刑事たち。だがそんな彼らの努力を嘲笑うようにまたも犠牲者が。少女たちの声はモーリンに届くのか。世界25ヵ国で出版、本国で150万部突破の人気シリーズ。
北海沿岸を襲った大洪水の夜、崩れかけた農家に残された人々が数奇な身の上を物語る「ノルデルナイの大洪水」、若い男女の結婚話が驚くべき展開を見せる「猿」他、愛の奇蹟と運命の不思議に満ちた全4篇。『アフリカの日々』の作者が典雅な筆致で紡ぎあげた珠玉の物語集上巻。
19世紀、北極圏で消息を絶った探検家ジョン・フランクリンの知られざる「緩慢な」生き方。数十か国語に翻訳され、四半世紀にわたり広く読まれ続ける、“ハンス・ファラダ賞”受賞作家によるドイツ文学の新たな古典。
キャサリン・ダンス・シリーズ最新作! 人気歌手の元恋人がヒット曲の詞をなぞるように変死。「人間嘘発見器」ダンス捜査官は歌手の依頼で姿なき殺人者の正体を追うが……。
人生の岐路に立つ六人の女の運命を変えたのは、ひとりの女の“幸せ”だった。-道立湿原高校を卒業したその年の冬、図書部の仲間だった順子から電話がかかってきた。二十も年上の職人と駆け落ちすると聞き、清美は言葉を失う。故郷を捨て、極貧の生活を“幸せ”と言う順子に、悩みや孤独を抱え、北の大地でもがきながら生きる元部員たちは、引き寄せられていくー。彼女たちの“幸せ”はどこにあるのか?
「母さん…」痩せて節くれだった指に触れる。まだ温もりがある。きっと魂はまだ近くにいるのだ。窓の外に目を向けると、何かの鉄塔の先端に光が点滅していた。まるでオンエアーの赤いランプが点いているようだ。「母さん、いいかい…」私はベッドに上体を載せると、母の耳元に口を近づけた(「最後のお便り」から)。最後に必ず一条の光が射し込んでくる、現代の「リアル家族短編集」第7弾!
僕は長いこと父とふたりで暮らしてきた。父のもとでトレーニングを重ねてきた。僕の父は「アジアの帝王」。陸上競技、デカスロン(十種競技)のアジア記録保持者にしてオリンピアン。僕はいつも父と一緒だった。だけど今日、僕は決めた。「父のコピーはやめた」。長編青春小説。デカスロンに打ち込む少年の心と体の成長記。
オカルトサークルのメンバー6人が、夏休みに廃墟のラブホテルで合宿を行うことになった。ラブホテルに侵入していた見知らぬ若者2人も加わって合宿は始まったが、2日目の朝、メンバーの女性が全裸で拘束されているのが見つかった。さらに、出口には新たな鍵が掛けられており、ラブホテルは完全な封鎖空間となった。極限状態の人間を描く狂気サバイバル。
不屈の意志と教養に加えて底知れぬ財宝をもつモンテ・クリスト伯は、人々の賞賛と感嘆をよそに冷やかにすべてを予見し、巧みな変装を用いて計画を着実に進めてゆく。仇敵ダングラール、モルセール、ヴィルフォール三家の運命は彼の掌中に握られている。
第21章 第22章 第23章 第24章 第25章 第26章 第27章 第28章 第29章 第30章 第31章 第32章 第33章 第34章 第35章 第36章 第37章 第38章 解 説
大晦日までの僅かな期間にだけ立つ「細蟹(ささがに)の市」。そこで手に入らないものはないという。 ある者は薬を。ある者は行方不明の少女を。ある者はこの世ならぬ色を求めて、細蟹の市へと迷い込む。 異形の者たちが跋扈(ばっこ)する市で、市守りのサザが助けたのは記憶を喪った身元不明の少年・カンナだった。呪われた双子の少女は唄う。「ああ、不吉だ、不吉だ」「おまえがもたらす流れ、その循環は、混沌を呼ぶわ」…… 一ノ経 チョコレートスープ 一ノ緯 マドウジ 二ノ経 ヒナちゃん 二ノ緯 エフェメラの苗床 三ノ経 雪客衆 三ノ緯 曼殊沙華 四ノ経 サザ 四ノ緯 カンナ
本編では明かされなかった空白の11年間にはこんな時が流れていた! 王国の行く末を左右しかねない、政治的な運命を背負っていたエリンは、苛酷な日々を、ひとりの女性として、母親として、いかに生きていたのか。時の過ぎ行く速さ、人生の儚さを知る大人たちの恋情、そして、一日一日を惜しむように暮らしていた彼女らの日々の体温が伝わってくる物語集。単行本未収録の書き下ろし短編「綿毛」も収録。 エリンとイアルの同棲時代、師エサルの若き日の苦い恋、息子ジェシのあどけない一瞬……。 本編では明かされなかった空白の11年間にはこんな時が流れていた! 文庫版には、エリンの母、ソヨンの素顔が垣間見える書き下ろし短編「綿毛」を収録。 大きな物語を支えてきた登場人物たちの、それぞれの生と性。 王国の行く末を左右しかねない、政治的な運命を背負っていたエリンは、苛酷な日々を、ひとりの女性として、また、ひとりの母親として、いかに生きていたのか。高潔な獣ノ医術師エサルの女としての顔。エリンの母、ソヨンの素顔、そしてまだあどけないジェシの輝かしい一瞬。時の過ぎ行く速さ、人生の儚さを知る大人たちの恋情、そして、一日一日を惜しむように暮らしていた彼女らの日々の体温が伝わってくる物語集。 【本書の構成】 1 文庫版描き下ろし エリンの母、ソヨンが赤子のエリンを抱える「綿毛」 2 エリンとイアルの同棲・結婚時代を書いた「刹那」 3 エサルが若かりし頃の苦い恋を思い返す「秘め事」 4 エリンの息子ジェシの成長を垣間見る「はじめての…」 「ずっと心の中にあった エリンとイアル、エサルの人生ーー 彼女らが人として生きてきた日々を 書き残したいという思いに突き動かされて書いた物語集です。 「刹那」はイアルの語り、「秘め事」はエサルの語りという、 私にとっては珍しい書き方を試みました。 楽しんでいただければ幸いです。 上橋菜穂子」 綿毛 刹那 秘め事 初めての…… 人生の半ばを過ぎた人へ 綿毛が飛んだ日──文庫版 あとがき
何時、どこで、誰が、何を、何故、どのように?ミステリーの基本「5W1H」を手掛かりに魅惑的な謎を解く。シリーズ第八弾の案内人はいま最も注目を集める作家・辻村深月。自身の思い出も含めた書下ろしの解説とともに選んだ、一九七七年、一九八七年、一九九七年の七つのベストミステリー。
大晦日までの僅かな期間にだけ立つ「細蟹の市」。そこで手に入らぬものはないといわれ、欲望と幻想が妖しく交わるこの場所も、しかし少しずつ衰退の兆しを見せていた。滅びの予感に身をゆだねながら、赤腹衆のサザは最後の市守りとして今年もまた仮面をつけ、夜ごと市を巡回する。そんな折、市に大道芸人の父娘が流れてきた。彼らはある呪いを解くため、「うろくづ」という不思議な道具を探しもとめており…。
死亡事故を起こした元自動車セールスマン、不倫相手のために犯罪に走ろうとするOL、過去の恋愛を40年間妻に隠し続ける老人。京都西陣のシェアハウスには悩み多き住人たちが住んでいた。触れて欲しくはない彼らの内面にどんどん踏み込み、憎まれ口を叩く隣人・有村志穂。このお節介が本人たちも気付かなかった謎を解きあかす。ところが志穂にも言えない何かが…。
検事・岩崎紀美子。仕事にいっさい妥協はしない。少年による猟奇殺人に騒然とする横浜地裁。裁判員裁判が始まろうとするその日、別の法廷で医師射殺事件が起きる。二つの事件に見え隠れする巨悪の影。待望の著者によるノンストップ・エンターテインメント!
旧家に伝来する葬送儀礼と密室殺人! 幼いころ父に連れて行かれた百巳家。そこに無気味な空気を漂わす百蛇堂がある。私はそこで見たのだ。暗闇を這うそれを……。「作家三部作」第三編前編。 幼いころ父に連れて行かれた百巳家。そこに無気味な空気を漂わす百蛇堂がある。私はそこで見たのだ。暗闇を這うそれを……。「作家三部作」第三編前編。
誘拐犯からの犯行予告に記された謎の言葉「空」「水」「アメリカ」「子供」「金」が指し示すのは、いったいどのSLなのか?探し当てなければ、人質の命が危ない。期限はあと2日!犯人が仕掛ける謎かけに、十津川警部は果たしてどう応える?そして運命の日、予想外の事件が発生。事態は一気に混迷を深める!!
実父・信虎を追放した武田信玄が目論む諏訪攻略の前夜。山に暮らす木暮衆の無坂は、のちに勝頼の生母となる幼い姫の命を救う。血で血を洗う乱世の中、流浪を宿命とする山の民も否応なく政争に巻き込まれ、集落同士が生き残りをかけ死闘を繰り広げる。熱狂的ファンを生んだ『嶽神』が甦る!<文庫書下ろし> 睡眠不足、必至! 武田信玄の野望が、清貧に暮らす山の民を政争に巻き込んでいく。 集落の生き残りをかけた死闘が、いま始まる。 実父・信虎を追放した武田信玄が目論む諏訪攻略の前夜。山に暮らす木暮衆の無坂(むさか)は、のちに勝頼の生母となる幼い姫の命を救う。血で血を洗う乱世の中、流浪を宿命とする山の民も否応なく政争に巻き込まれ、集落同士が生き残りをかけ死闘を繰り広げる。熱狂的ファンを生んだ『嶽神』が甦る!<文庫書下ろし> 序 第一章 小夜姫 第二章 《足助働き》 第三章 諏訪 第四章 落城 第五章 客 第六章 病道