2014年2月発売
特集「警察小説を捜索せよ」では、多くの読者の支持を集める警察小説の魅力と読みどころに迫ります。今野敏と佐々木讓による熱い対談も実現。新連載には今野敏、堂場瞬一、柚月裕子のほか、葉室麟が登場。
中学二年生の春、友人・春来から「唯一、彼女の名前を呼べる権利」をプレゼントされた赤音。その特別な権利によって友情を深めた二人だが、学校の中心的存在・舞によって仲を引き裂かれてしまう。以来、孤独な日々を送るように見えた赤音だが、彼女には秘密があった…。少女たちの愛憎と友情が行き着いた、驚愕の結末とは?思春期の痛みと成長を繊細な筆致で描いた傑作ミステリ。
ダヴェドの大公プウィスは、狩りに訪れた森で冥界の王アラウンに出会い、彼にかわって冥界のもうひとりの王と戦ってほしいと頼まれる。だがそのためには互いの身体を交換して相手の領地に行かねばならない。プウィスはアラウンの身体を借り、冥界に乗りこむが…。世界幻想文学大賞で生涯功労賞をうけたファンタジー界の重鎮が描く、神話ファンタジーマビノギオン物語第一話。
「いつもいっしょ…」「こっそりと…」「もし二人が恋仲にでもなったら…」彼女は視線をゆっくり上げ、わたしたちは互いにみつめあった…。みずみずしい描写で語られる愛と友情、波瀾万丈の物語。小説史上まれにみる魅力的なヒロインが、こんなところに隠れていた。美少女と美少年、美しくせつない「恋」と「疑惑」の物語…偏屈卿と呼ばれた男の、数奇な?自叙伝?ブラジル文学の頂点。ブラジル文学第2弾!
ただ独りで音もなく犯罪者に食らいつくーー。「新宿鮫」と怖れられる新宿署刑事・鮫島。歌舞伎町を中心に、警官が連続して射殺された。犯人逮捕に躍起になる署員たちをよそに、鮫島は銃密造の天才・木津を執拗に追う。突き止めた工房には、巧妙な罠が鮫島を待ち受けていた! 絶体絶命の危機を救うのは……。超人気シリーズの 輝ける第一作が新装版で登場!!
ーー私は、ここにいる。それは間違いなく、たしかな現実だわ 小説家である主人公が、ネットワークを使った コミュニケーション・システム「ELIS」をめぐって起こる さまざまな事件を目の当たりにし、調査を進めていく……。 情報ネットワーク社会に潜む闇とは? 『妹がスーパー戦隊に就職しました』(スマッシュ文庫)、 『ライトノベルは好きですか?』(雷鳥社)の著者がはなつ、 ライトノベル最新刊! 【あらすじ】 冬のはじめ、一人の少女が変死体で発見された。 ネットワーク上やマスメディアでは、彼女の名前が桜坂恵理朱だ という情報が、さかんに流れていた。その日、小説家をしている 葉山秀司(はやま・しゅうじ)が使っているネットワーク・システム 「ELIS」のアカウントに、1通のメッセージが届いていた。 そこには動画が添付されており、死亡が伝えられている少女の 凄惨な死体の様子が映し出されていた。そのメッセージの送り主は、 「13番目の魔女」を名乗る人物である。 しかもそのメッセージは、秀司の友人である田上梨愛(たうえ・りあ) のところにも、ほとんど同じものが送られていたらしい。 田上梨愛から相談を受け、事件の真相が「13番目の魔女」から 送られてきた秘密めいたメッセージに隠されていると考えた秀司は、 それ以来、自分の担当編集者である赤城知佳(あかぎ・ちか)の 手を借りて調査をはじめるが……。 次々と「魔女」たちが死んでいく中で、明らかになっていなかった 「12番目の魔女」、その正体とは……。
洋々たるミシシッピーの流れに乗って筏の旅を続ける陽気な浮浪児ハックと逃亡奴隷ジム。辺境時代のアメリカの雄大な自然と活力溢れる社会をバックに、何ものにもとらわれずに生きようとする少年と、必死に自由の境涯を求める黒人の姿をユーモラスに描く。
「本当の人間は妙に纏めにくいものだ。」十九歳の家出青年が巡る、「地獄」の鉱山と自らの心の深みー「虞美人草」と「三四郎」の間に著された、漱石文学の真の問題作。最新の校訂に基づく本文に、新聞連載時の挿絵を収録。
OLの瑠衣子はパリで美しい男の人形を買う。等身大の“彼”はある目的のために作られたもの。瑠衣子は人形に甘い言葉をささやかれる夢想をしながら、エロティックな行為にふける。「お前の口で脱がすんだ」。だが、人形の要求は次第にエスカレートして…!あらゆる欲望をすべて満たす、エロティックラブストーリー。
社交的だったり、シャイになったり。その落差に惹かれて里美とつきあい始めた祐児。しかし初めてのパリ旅行で、お世話になったご婦人を無視する里美に憤った祐児は、彼女から人の顔を覚えられない「相貌失認」だと打ち明けられる。人知れぬ生きにくさを背負う彼女が招く数々の苦難を二人は乗り越えられるか。
イギリス西部の田舎町・パグフォードで地方自治組織議会の議員、バリーが突然亡くなった。議席に「カジュアル・ベイカンシー=突然の空席」が生じ、選挙が始まる。隣町との町境に、「フィールズ」という低所得者向け公営住宅が建つが、選挙如何では、フィールズへの支援は途絶えるのだ。そして様々な本音が明らかに…。
突然の空席が生じた議席に立候補したのは3人。選挙活動が続く中で、さまざまな「戦い」が明らかになる。「子ども同士」「富裕層と貧民層」「嫁姑」「親子」「恋人同士」-。町の人々の欲望が明らかになり、ぶつかり、濁流となって衝撃と感動のラストへ!稀代のストーリーテラーがどうしても描きたかった物語がここにある。
栃木県の那須で開催されるゴルフのビッグトーナメント直前に、「この大会中に、あいつを殺してやる」という脅迫状が舞い込む。競技委員の吉田は十津川に警備を依頼するが、その夜、ひき逃げ事故で死亡。そして、大会最終日、小銃狙撃による殺人事件が起きる。姿を見せない殺人者の狙いは?十津川の推理は!?巻末企画・特別連載「寝台特急トワイライトエクスプレスを爆破せよ」。スペシャル・インタビュー。都道府県別データ。わが故郷の駅弁自慢。
のどかだった町は、すっかり変わってしまったー。移り住んできたよそ者たちの度重なるトラブルに頭を抱えていた桃ノ木坂互助会会長の光太郎。元海自曹長でもある彼は、悪い芽は早く摘まねばと、町に害を及ぼす人物を仲間たちとともに次々と町から追放することに。次なるターゲットは、大家とトラブルを起こしていた男、武藤。しかし、男を狙っていたのは光太郎たちだけではなかった。とある事件を機に、互いの思惑は狂い始め…。江戸川乱歩賞作家の新機軸ミステリー。
両親と兄弟を流行り風邪で亡くし、叔母に育てられている十歳の少女・おさき。箱根山を登る旅人の荷物持ちで生計を立てている彼女は、ここ数日、幾度も見かける若侍が気になっていた。旅人はおおむね、道を急ぐもの。おさきの視線に気づいた若侍は来島主税と名乗る。人探しのため西に赴く途中だというが…(表題作)。東海道を行き交う人びとの悲喜こもごもを清冽な筆致で描く連作集。