2014年2月発売
都会の片隅、猫たちがこんな甘やかな恋愛遊戯にひたっていたなんてー。若きシャム猫・錫乃介はその美貌ゆえに放蕩の日々。かつて道ならぬ恋にあった義姉・永遠子にけしかけられ侯爵家の令嬢・深雪を百日で篭絡できるかの賭けをする。手練手管で誘惑し、褒美を得るはずだったのだが…。大型新人が斬新な発想で描く現代猫版“危険な関係”。
朝鮮出兵に叛旗を翻した罪で捕縛され、妻子領民を目前でなぶり殺しにされた五郎太。処刑されず追放され、絶望の彷徨が始まる。九州から、マニラ、京へ…。心に闇を抱えた男に恩寵は訪れるのか。罪深き所業の数々、おくに踊りの自由と熱狂、関白秀次との黙契。俗悪を蔑み、世の綺麗事を踏みにじり、祈りが尽きた最果てで、生の意味を希求した魂の物語。足裏に、「仏」の一字を彫りこんで、太閤暗殺におのれの証を賭けた執念の男を描く、暗黒の歴史小説。
東京吉祥寺に住む若夫婦が営みの最中に手斧で惨殺された。犯人は逮捕され服役したが、18年後、今度は荻窪で新婚夫婦手斧殺人が発生。血まみれの若妻は、高級ブライダルサロンのパンフレットを犬のように咥えていた。ストーカーの影、二転三転する犯人像、秘密裏にもたらされる捜査幹部と被害者の隠れたつながり。エリート管理官と現場刑事の軋轢が高まる中、またしても新婚夫婦が手斧で殺される…。疑心暗鬼の迷宮の果て、ついに真犯人が姿を現した!苛酷な結末が圧巻の警察小説!
商社の秘書から一転、砂漠の国の第2王子ラシードと結ばれた雪絵。妻を愛しすぎる夫と日本に帰った彼女は金髪碧眼のフランス人CEOクロードに出会う。「美しい…雪絵、君はまるで女神だ」嫉妬に狂い、ますます雪絵を求めるラシード。それでもなお雪絵を誘惑するグロードの目的は、アラブの国の水利権?それとも雪絵のカラダ…!?俺様王子と眼鏡OLの大ヒットラブストーリー!
オックスフォード大学史学部の大学院生は、時間遡行技術を使って研究する時代に赴き、各々観察実習を行っていた。第二次大戦の大空襲下のセント・ポール大聖堂で、火災監視をすることになったぼくは…史学部シリーズ開幕篇の表題作を、新訳で収録。短篇集初収録作「ナイルに死す」、終末SFの傑作「最後のウィネベーゴ」ほか、ウィリスのシリアス系短篇から、ヒューゴー賞/ネビュラ賞受賞作のみ全5篇を収録した傑作選。
カナダの島に暮らす作家ルースは、海岸に打ち上げられたハローキティの弁当箱を見つける。中に入っていたのは、古びた手紙と腕時計、そして日記だった。日記の持ち主は、東京の中学生ナオ。彼女が書き記す日々の話に、ルースは次第に引き込まれていく。しかし、いじめに苦しむナオは自殺をほのめかす…カナダと日本、現在と過去で響きあう時間と存在。深い思索と笑いと哀しみに満ち、世界を虜にした壮大な物語。
そこには、果てしない希望と底知れぬ恐怖があったー圧倒的な臨場感で提示する、近未来の宇宙開発とネット技術のビジョン!電子書籍のベストセラー作家、渾身のテクノスリラー巨篇!
完璧な美貌の天才的なハッカーでニューヨーク市警の刑事、キャシー・マロリー。弟の清掃会社を代わりに経営し、警察に復帰する気がないような、傷病休暇中の相棒ライカーの態度に彼女は苛立ちを募らせていた。そしてジョアンナ・アポロ。清掃会社で働くその女性にはFBI捜査官がつきまとい、彼女に嫌がらせをしていた浮浪者は殺された。ライカーが心を寄せる女性は何者なのか。
不気味な巨大船“ロブレド”を軸に展開される、生物と機械を巡る四つの物語。機械と生物が境界を越えて、互いを侵食する。機械部品は血肉と混ざり合い、肉体は毒に蝕まれて真鍮に変容していく。機械は毒薬によって死に、機械の命令で巨大な鳥が産んだ卵から生まれるのは機械部品。生物は金属に侵され、機械は生命の営みを行なう。砂の下に潜むのは屑鉄を食する奇妙な植物“錆喰らい”、そして勃発する機械と機械の戦い…イタリア賞、カシオペア賞受賞作品。
人生を終わらせようと決意したナオは、その前に敬愛する曾祖母、104歳の尼僧ジコウの生涯について書き残そうと考えて日記をつづる。ナオの日記を読み進めるルースは、様々な問いを抱える。日記はなぜ今ここにあるのか?津波に運ばれてきたのだろうか?そして、ナオはどうなってしまうのかー交錯し、共鳴する人々の運命が向かう先とは。日系人作家の圧倒的な大作。
叔父・首陽大君(のちの世祖)により17歳にして王位を追われ殺害された朝鮮王朝第6代国王・端宗の悲劇を、朝鮮・韓国近代文学の祖、李光洙が活写する歴史小説。上巻は、父王・文宗の死から首陽大君のクーデター(癸酉靖難)まで。
叔父・首陽大君(のちの世祖)により17歳にして王位を追われ殺害された朝鮮王朝第6代国王・端宗の悲劇を、朝鮮・韓国近代文学の祖、李光洙が活写する歴史小説。下巻は、義臣(死六臣)たちの復位計画の失敗、君への降格、謫所での最期まで。
初の黒人大関・荒把米はアメフトと独自の稽古で鍛え上げた強靱な身体で、角界に旋風を巻き起こしていた。しかし横綱昇進が確実視された今場所、格下相手にまさかの連敗を喫してしまう。一方に偏った白星と支度部屋の秘密に気づいた荒把米は、場所中にもかかわらず逃亡し、開いた記者会見で爆弾発言をした!二日後、その荒把米が何者かに狙撃されるー。「待ったなし」のミステリー。
現在、欧州議会議員を務める著者は、強制追放のためにシベリアの寒村に生まれ、スターリンの死後の「雪解け」を機に、4歳の時に両親に連れられて祖国ラトビアの地を初めて踏んだ。本書は、独立回復以降に入手可能となった公文書や、家族の日記とシベリア体験者の声をもとに、旧ソ連における大量追放の犠牲となった家族の足跡を追い、追体験する自伝的な作品。歴史に翻弄される個人の悲運を浮き彫りにし、バルト三国の近代史に残る傷跡に光をあてる。
海棠の狂い咲きをきっかけに、通霊宝玉が失せ、貴妃元春が亡くなり、賈家の没落は現実となり始める。不安に駆られたおばあさまが宝玉の結婚相手として選んだのは、なんと黛玉ではなく宝釵だった。挙式の最中、思い出のハンカチを焼き捨てながら、ついに黛玉はー。
天ぷら屋台の元締めでしっかり者の母に育てられた銀次。普段はふらふらしているが、面倒見の良さと剣の腕で町の事件を解決していく。髪結いの娘が攫われた。引き裂かれた母子のため、銀次の鉄刀が一閃する!(「女房子供を大事にしろ」)。辻斬りに襲われた銀次。予想外の強さに敗れた銀次は、再戦を誓い修行に励む。辻斬りの正体は?そして決着の行方は!?(「辻斬り野郎が許せねぇ」)。人情迸り、激闘乱舞する新シリーズ、開幕!
キマイラに立ち向かおうとする久鬼麗一。惑い、街を彷徨する大鳳。キマイラを操る秘薬、ソーマの謎を握る由魅。そして麗一と大鳳を捕らえるため、異形の武術家宇名月典善と手を組んだ久鬼玄造。一方、雲斎はキマイラの謎を知るための手がかり、鬼骨にたどりつくべく凄絶な禅定に入る。己のすべてを賭けた雲斎がそこで目にしたものはー。やがて追い詰められた大鳳に、再び覚醒の時がやってくる。動乱のシリーズ第5弾!