2014年3月6日発売
三国からなる半島で「楽園」と謳われる“江南”が、ソニンの滞在中に未曾有の大嵐に襲われてしまう。“沙維”ではイウォル王子が被害状況を調査する任を負い、友と慕うクワン王子のいる江南へ向かうことに。一方、かつて江南と交戦した北の大国“巨山”は、無償の救援物資を送り、さらなる支援のために、美しき王女イェラが江南を訪れる。隣国からの申し出は、救いの手なのか、侵略への布石なのか。若き王子と王女の駆け引きの行方は?
世俗から隔絶された全寮制の男子校・聖マカーリィ学院。高等部2年生の饗庭怜は、鐘楼と呼ばれる塔から落下し、その前後の記憶を失ってしまった。学校では、自殺未遂と噂されたが、怜には自殺する理由など思い当たらない。友人・白石智生から殺人未遂の可能性を示唆され、真実を探ろうとする怜。失われた記憶のピースを集める中、怜は死体を発見してしまう。何者かの追い詰められていく怜に手を差し伸べたのは、中等部1年生の工藤アキラだった。
六篇の短編連作で綴るドラマチックなラブストーリー。仙波莉子と京川俊は、絶対に出逢うはずのない二人だった。しかし、ある朝、太一の猫、タマがミルクをこぼしたことをきっかけに、いくつもの偶然が積み重なり、二人は恋に落ちる(「もしタマがミルクをこぼさなかったら…」)。風の強い日に、パンティが向かいのベランダに飛んでいったことが縁で、藍川奈都は入江敦広と出逢うことに(「パンティは風に乗ってー」)。運命の恋を信じたくなる恋物語が満載。全ての短編を読み終えた瞬間に気がつく衝撃の結末。
相棒史上、最高密度のミステリーを小説で! 東京から300km離れた絶海の孤島、鳳凰島。ある実業家が個人所有しているこの島では、元自衛隊員たちで組織されるグループが共同生活を送っていた。 ジャングルの中を駆け回り、実戦さながらの訓練を繰り広げる「民兵」集団の中で、ある日、死亡事故が発生。特命係の杉下右京と甲斐享に現地での調査が依頼される。実は2人が島に渡るのは、事故の調査だけではなく、この島で訓練をするグループには「妙な噂」があり、その真偽を確かめるためでもあった。 気の進まないまま島に上陸した2人だったが、右京はいつもの鋭い洞察力で島で起きた事故は殺人事件だという確信を持つ。外界から閉ざされた絶海の孤島、「巨大な密室」の中で解き明かされて行く事件の真相。しかし、2人の前には思いもよらぬ巨大な力が立ちはだかるのだった。 作品を重ねるごとにスケールアップする「相棒」劇場版。謎を追って、ジャングルを駆け回る特命係2人の活躍を、完全ノベライズ。 【編集担当からのおすすめ情報】 巨大なスケールで描く密室ミステリー。謎の裏にもうひとつのドラマが。
自殺幇助をする「神父」とは何者か…!? 警察組織において、テロや誘拐などの特殊事案を担当するSAT、SITに続く”第3のS”として作られた新部隊、NPS(警察庁特殊急襲捜査班)。その目的は、どんな凶悪犯でも殺さずに「確保」することだ。 NPSの突1として熱い理想に燃える神御蔵一號のもとに、あくまでも犯人の「制圧」を目指すSAT随一のスナイパー・蘇我伊織が異動してくる。そんな折、自殺者の傍からナイクラッド弾が見つかるという事件が続発する。浮上してきたのは、「神父」というハンドルネームの人物で……!? 同名の人気漫画のノベライズ第2弾! 【編集担当からのおすすめ情報】 向井理、綾野剛ほか出演の連続ドラマ『S-最後の警官ー』(全国TBS系列日曜劇場)も大人気。映画化決定でますます目が離せません!
昭和六十三年。ゲーム機賭博で数億円の荒稼ぎをしていた赤坂の喫茶店経営・石山詩子が、常習賭博の現行犯で逮捕された。フリーライターの蒲田は拘置所で詩子と面会する。旧友で亡くなった刑事の寺本から「あの人のことを頼む」と墾願されていた。家庭を壊し、刑事という立場も顧みずして死の直前まで意識野にのぼらせ続けた女は、一方、寺本のことなどまったく意に介す様子を見せなかった。その後、巻き込まれるようにして蒲田は政財界の中枢をになう人物たちと会う羽目になり、詩子との不可思議な関係を目の当たりにする。そして平成元年を迎え、物語は動き出す。超弩級の悪女エンタテインメント文庫化!
金四郎が掴んだ花魁の死の真相と切ない思い 吉原日本堤の外に広がる田んぼで、稲本屋の花魁・雛菊が刀で斬られて亡くなっていた。見つけたのは、昨夜雛菊と話を交わしていた、18才の遠山金四郎だった。金四郎は、実は旗本家の跡継ぎだったが、複雑な家族関係から遠山家を継ぐことは当分無く、家を出て歌舞伎の森田座で笛方をしていた。 金四郎は、旧知の狂歌師・大田南畝、浮世絵師の歌川国貞とともに、彼女がだれに殺されたのかを探り始める。調べを進めていくと、雛菊があるときから店に来る男たちに心中を持ちかけていたことを知る。 彼女は、なぜ心中を望むようになったのか。 金四郎は、いつしか雛菊の暗い心のうちに踏み込んでいく。そして、彼女に関わっていた男たちも、いろいろなものを抱えて生きていることに気づき、簡単には変えられない世の中の非情さと己の無力さを知るのだった。 雛菊の死を巡る謎は意外な真実が待ち受けており、全編サスペンスに溢れた優れたミステリーにもなっている。 第11回小学館文庫小説賞の受賞作。文庫化にあたり、「恋の手本となりにけり」から題名を変更し、著者が大幅に加筆しました。 【編集担当からのおすすめ情報】 この作品のきっかけとなったのは、著者の永井さんが新聞記者時代に受け取った1通のファクスだったといいます。「身元不明の変死体発見」と書かれたその事件に、とてもショックを受けたそうですが、結局記事になることもなく消えていきました。そんな人たちのことを考えた著者が、時代を江戸時代に置き換えて書き上げたのが、この作品です。
「太った探偵」が活躍するシリーズ第5弾 ギリシャの高名な詩人サントスは、その作品が高く評価されるものの、詩集の売れ行きは芳しくなく細々と生活していた。彼の娘レダがまだ幼い頃に、妻は娘を残して他の詩人と駆け落ちしており、サントスはレダと二人で暮らしていた。そんなある日、サントスはオリーブを喉に詰まらせあっけなく死んでしまう。残された遺書には「自分がふたたび日の光を浴びるまで、誰も何も受け取ることは許されない」と書かれていた。 そして4年後。ギリシャ正教の慣習による改葬の儀の日、掘り返された棺に入っていたのは、なんと豚の骨だった。遺族への遺産相続の手続きもできず、困り果てたサントスのエージェントから真相究明を依頼された「太った探偵」ヘルメスは、やがて意外な事実に突き当たる…。 神々の国ギリシャを舞台に、謎深き「太った探偵」ヘルメスの活躍がますます冴える好評シリーズ第5弾。
高校教師・藤原孜のもとに、担任している女子生徒五人から、自殺予告メールが届いた。一通目「先生にみんなで最後にメールしようよって言い出したのは、ナツキだったと思う。先生は、これから全員の遺書めいたメールを受信します」、二通目「全員のメールを読んだ後に、一人だけ、たった一人だけに返信するんです」、三通目「顔見れば分かる。みんな選ばれたいって思ってる」、四通目「私は殺される。これは私を殺す為の、彼女達が考えた完全犯罪なんです」、五通目「先生、お願い、私に返信してください」。殺すのは誰で、死ぬのは誰か?悪夢のようなラスト!
おどろくべき知識と観察眼をもちながらも、地球が太陽の周りを回っていることすら知らない特異な男ー世界一有名な探偵・ホームズとワトスンが初めて出会い、ベイカー街二二一Bでの共同生活をはじめる、記念碑的作品。オックスフォード大学版の注・解説にくわえ、初版本イラスト全点を復刻掲載した決定版。
ドイル自身がもっとも愛した短篇であり、探偵小説史上の記念碑的作品“まだらの紐”をはじめ、“ボヘミアの醜聞”、“赤毛組合”など、名探偵ホームズの人気を確立した第一短篇集。夢、喜劇、幻想が入り混じる、ドイルの最高傑作。オックスフォード大学版の注・解説にくわえ、初版本イラスト全点を復刻掲載した決定版。
42歳、女は日常から逃げ出すように旅に出た。スーツケースだけを持って。辿りついたのは海辺の田舎町。北欧デンマークの日常、屈託のない人々のやさしさの中で、孤独な女の心は次第に紐解かれていく。P.O.エンクウィスト賞、“黄金月桂冠”文学賞を受賞したデンマーク女性作家、初の邦訳。
ある青年が図書館に貼ってある詩を偶然読むことから始まる恋愛ストーリー 『世界の果て、彼女』。 新婚旅行にソウルにきている日本人のハトコを案内する、30歳になったばかりのアタシ 『君たちが皆、三十歳になった頃』。 世界のいろんな都市のガイドブックを作って放浪する若いカップルの物語 『笑っているような、泣いているような、アレックス、アレックス』。 など、ユーモアと人間に対する、著者の愛情たっぷりの7つの作品集です。