2014年4月発売
戦国時代から続く家を守るため、御曹司との契約結婚を泣く泣く決意した梨絵。「九条の姫さま」と呼ばれた梨絵を、婚約者は夜ごと責めたてる。憎くてたまらないはずなのに、心も身体もいつのまにか彼に囚われて…。ページをめくるたびに愛が深まる、農厚ラブストーリー!
妻が出張先のホテルで死んだ。じつは男との浮気旅行だった。冷凍庫には妻から送られたカニが遺された。残された夫は、妻の本心を探るため浮気相手に会いにいくが…芥川賞作家の新たな名作!
団子屋の看板娘・おひのがかどわかされた。夫である桶屋の波津彦とともに姿を消してから十日。七緒は二人の探索を引き受ける。一方、北町奉行所同心・和倉信兵衛は、両目がくり抜かれた死体と対峙していた。かつての繁盛が嘘のように閑古鳥の鳴く団子屋。おひのの明るい呼び声は戻ってくるのか。文庫書き下ろし。シリーズ第二弾!
最終戦争後の世界。幼いころから苦楽をともにしたぼくと親友ゴンゾーは、一種のトラブルシューターとして活動している。ある日、戦後世界の秩序を維持している装置“ジョーグマンド・パイプ”の大火災を消し止めるよう依頼されたぼくらは、大量破壊兵器によってもたらされた混沌のなかへと乗り込んでいくが、行く手には奇怪な陰謀が待ち受けていたー。大型新人による波瀾万丈の近未来青春アクション・サスペンス登場!
世界を守る“ジョーグマンド・パイプ”の消火に出動したぼくと幼馴染で親友のゴンゾー。しかし、その任務は予想よりもはるかに深い闇を秘めていた。ゴンゾーと別れてひとりでさまよう羽目になったぼくは、故郷での人生をふりかえり、すべての黒幕に立ち向かうことになるが…。圧倒的な筆力で怒涛のごとく語られる、最終戦争後の世界における闘いと友情と恋。笑いとアクションに満ちて世界を驚嘆させた怪物的デビュー作。
“妖精”と呼ばれる人工生命体が労働現場で使役されている2001年の米国。妖精を憎悪する聖書原理主義者のケイシーはある日、変種の狐を連れた少女と出会う…。ケイシーたちの妖精排斥運動の裏に潜む遠大な謀略が緩やかに世界を変え、22世紀には亜人と呼ばれるようになった妖精たちが奴隷として労働し殺し合っていた。その代償に人類は“絶対平和”を確立したのだ。その後やがて訪れる人類繁栄の翳りまでを追う連作集。妖精使役の浸透の時代を描く表題作、SFマガジン読者賞受賞の陰謀譚「はじまりと終わりの世界樹」、亜人による娯楽としての代理戦争が過熱する「The Show Must Go On!」など、欲望の科学が倫理を崩壊させる歴史改変世界全5篇。
万寿二年(一〇二五年)、人喰い鬼の出没する京の都。出世抗争に明け暮れ贅沢にも飽いた宮廷をしりめに、物売女、博学爺さん、貴族の元女房、不良少年、貧民窟の用心棒が結束した。時代小説の名手がおくる根無し草たちのサバイバル譚。縁もゆかりもない老若男女に白羽の矢!?千年前に繰り広げられた闘いと愛の物語。
出版社に勤める41歳の岡村は、突然の異動により、会社での居場所を失いつつあった。そんなとき、息子の陽平から中学校のサッカー部をやめると宣言される。息子の気持ちが知りたい岡村は、陽平の元コーチの真田に誘われ、草サッカーチームに参加することに。思うように身体は動かず、筋肉痛の日々。しかし、それぞれの事情を抱える仲間とボールを追ううちに、岡村の中で何かが変わり始めるー。今に悩む人の背中を押してくれる、人生の再出発の物語。
繁華街の裏道にひっそりと建つ「カフェ・フロリアン」。古くみすぼらしい外見に反して、内装は豪華絢爛。昼はカフェ、夜はゲイバーとなるこの店のママは、縦ロールの茶色の巻き毛とほうきのように長いマツゲ、ロングドレスを纒ったオネエだが、前世が見えると評判だ。日々、脳みを抱える相談者が前世の記憶を探って解決して欲しいと訪れるが…。前世の因縁と現世の謎を解き明かす、ゴージャスな女装探偵の名推理。
長野県庁での定例議会中、突然照明が消え、銃声が響き、議員が殺害された。誰かが逃げた形跡はなく、凶器の銃も見つからない。遺体のポケットには「善光寺の本尊を公開せよ」という謎のメッセージが残されていた。善光寺の本尊は絶対秘仏であり、千数百年の間、誰の目にも触れたことがないという。県警の城取刑事の執念の捜査である人物が容疑者として浮上するが…。緻密な伏線と巧みなトリックで心をゆさぶる社会派ミステリ!
「お人好しのやっさん」と親しまれる牢屋同心・大賀弥四郎のもとに、亡き妻の面影を宿したお峰という女が亭主殺しの科で入獄してくる。御白洲での裁きは明後日ーお峰から意外な告白を聞いた弥四郎は独自の調査を始めるが、その親切が仇となり、事件は混迷を深めていく。そこには一介の按摩から上り詰めた大宮検校の存在もちらついて…。情にもろくて熱い同心の生きざまを描く大好評書き下ろし時代小説シリーズ第2弾!
異端の研究者の下で過ごしていたフィリエルは、砂漠を越えて進軍してくることは不可能なはずの東の帝国軍に出くわし捕らえられてしまう。竜騎士ユーシスは、ルーンの作戦を聞きいれ、母国を守るため、十倍を超える帝国の兵団と壮絶な戦いへ…。フィリエルは聖神殿に乗りこみ、女王の座を狙う大憎正と対峙する。ついに、この世界の驚愕の秘密が語られ、新女王は想像もできなかった人物に!大人気ファンタジー、クライマックス!!
1852年、マシュー・カルブレイス・ペリーは東インド艦隊司令官に就任した。太平洋航路開設に向けた日本の開国と国交樹立が任務である。世界における祖国の優位性確保のため大任を引き受けたペリーは、翌年エド湾の西側にあるウラガという町の沖に船を進めた。だが、ジャパン政府との交渉を優位に進めたい彼の前に、開国を迫る世界各国と幕府高官が立ちはだかった…。世界的な視点で幕末史を塗り替える、著者渾身の歴史小説。
現代アメリカ文学を代表するファンタジストにして幻想文学のグランドマスター、ジョン・クロウリーの華麗な語りと静謐な物語世界が堪能できる傑作選。瑞々しいボーイ・ミーツ・ガールものから、異色の怪異譚、詩情あふれるSF作品まで、ヴァラエティに富んだ全12篇収録。
アウシュヴィッツでの子供時代。収容所の記憶、母親の消息、奇怪な夢、神の存在など、「説明のつかない廃墟の風景」(カフカ)を、テープ録音起こしと日記で綴る。ユダヤ現代史家による異色の省察。図版多数収録。
天竜レーナと“絆”を結び、はからずも“竜侯”となったフィンはその地位を誇示することなく素朴な日々を過ごしていた。「荒事だ。第八軍団が峠を越えぬように防ぐ」ある晩、突如現われた闇の竜侯・青霧が切り出した依頼。下界と距離を置いてきた彼が、動き出した理由とは。フィンとレーナは国家の争いに巻き込まれていくー。
破天荒な殿様に振り回されて多忙な諌早藩用人兼留守居役補佐の沢村涼之進。殿様の初のお国入りを前に、剣の師匠が襲われた。涼之進は師匠の出稽古先の剣術指南役が怪しいと睨んだのだがー。諫早藩を執拗に狙う老中・松林備前守、その懐刀で剣のライバル・仙石誠之助、領内を駆け巡る殿様と弟の不仲説…。これら難問を「やったるたい」と解決し、物語は大団円へ。文庫書下ろし。シリーズ完結編。
一学期の終わりの日、ひとりぼっちで海を見ていた健太郎は、沖に浮かぶ謎の城に迷い込む。そこには同じように囚われた人々がいた。元の世界に戻るには「出城料」が必要だという。それはお金ではない何からしい。健太郎はもう一人の少年と次第に心を通わせ、誓いを立てる。二人でここを出るんだ、初めて見つけた友達だからー。思春期の友情が胸に響く青春小説。