2014年5月発売
大学生の麻美はバイト先の書店で、幼馴染みの拓磨に偶然再会。有名化粧品メーカーの社長を父に持つ彼は、大学に通う傍らメイクアップアーティストを目指して修業中だった。引っ込み思案で男性経験もない麻美は、彼の練習台になってメイクをしてもらううちに、少しずつ自分に自信が持てるようになっていくのだが…。誤解が誤解を生み、予想外の展開!?果たして麻美は幸せな恋愛を手にすることができる?
川島美咲は、家柄の良いお嬢様育ち。周囲から特別扱いされ、何不自由ない高校生活を送っていた。美術部顧問・柏木に、ある行為を目撃されるまでは…。「この世には、どんなに欲しがっても手に入らないものがあるってことを、君に教えてあげるよ」。柏木は美咲を翻弄し、支配し、拘束する。自分の存在価値が揺らぎ始めたことに気づいた美咲は…。学園を舞台に繰り広げられる恋物語「恋愛教室」シリーズ・美術室篇。
散町千々乃は、左前堂大学に入学したばかりの女子大生。血を見ると鼻血を噴出させてしまうという特異体質に悩みつつも、大学デビューを夢見ていた。しかし、入学早々校門付近で鼻血を盛大にスプラッシュ。しかも、その鮮血を通りがかりのイケメン・含有うるての首もとへぶちまけてしまう。平謝りの千々乃だったが、うるては彼女を学内のとある一室に連れて行く。その部屋こそが、スプラッター映画愛好家が集う「残酷映画研究会」、通称“ゴア研”の部室だったのだー。第16回BOX-AiR新人賞受賞!
嵐が過ぎ去ったクリスマスの朝、大聖堂の町から忽然と姿を消したエドウィン・ドルード。河の堰で彼の懐中時計が発見され、以前よりエドウィンと反目していた青年ネヴィルに殺人の嫌疑がかかるが、事件の背後にはある人物の暗い影が…。英国の文豪ディケンズが初めて本格的に探偵小説に取り組み、その突然の死によって未完となった最後の長篇。原書挿絵を全点収録。残された手掛りからドルード事件の真相を推理する訳者解説を付す。
東京下町にひっそりとある、居酒屋「ぼったくり」。名に似合わずお得なその店には、旨い酒と美味しい料理、そして今時珍しい義理人情があるー旨いものと人々のふれあいを描いた短編連作小説、待望の書籍化!全国の銘酒情報、簡単なつまみの作り方も満載!
霊媒師・アーネストのもとに持ち込まれたのは、十六年前、画家・藤村透基の屋敷から消えた少女の捜査依頼。屋敷には渦巻き状の奇妙な回廊があり、最深部には「持ち主の運命を狂わせる」と噂される人形が飾られている。依頼を引き受けた友人のことが気にかかって、若き喫茶店店主の佐貴も藤村邸に同行することに。年に一度開かれる紫陽花観賞会に招かれた二人の前で、新たな殺人事件が発生してしまいー。
遠く津軽からやってきた盲目の美少女修法師・百夜が、江戸の町で物の怪たちを次々と調伏する怪奇譚。腕のいい修法師と大評判になった百夜のもとには、ひっきりなしに物の怪退治の依頼が舞い込むようになる。糸問屋に、突然現れた伐折羅大将。その男の正体は…(『神将の怒り』)。大工の庄七の店に大きなオニヤンマが現れる。父と嫁ぐ娘の涙と感動の物語。(『勝虫』)。東北から江戸の酒蔵に出てきた杜氏の死。孤独な日々と、家族への思いが、悲しくも切なく染みる。(『慚愧の赤鬼』)。笑って泣ける物語が八篇収録。大人気『修法師百夜まじない帖』シリーズ待望の第二弾。
この本は、見事な“恋愛”小説集だ。フィクションとエッセイの間を行ったり来たりする不思議な作品ぞろい。これを“物語エッセイ”と名づけることにしよう。単行本には収録されなかった、強烈きわまりない“マチコさん”を主人公にした中篇「或る女」を加えた完全版。著者自身によるイラストレーションも多数収録。母と息子、母親と私、見栄っぱりの女友だち、離婚した美女、イタリアの女たらし、ニューヨークの日本人夫婦、舅姑を看取った逞しい中年女たち。自らの周りにいる愛すべき変人奇人がいっぱい。笑ってしんみり、でもなぜか元気が出る三十四篇。
水底に沈んだ少女の名に始まるミステリー 累計60万部を突破した『偏差値70の野球部』の著者のデビュー小説集。 大正14年のある夜、「私」の祖父が住む秩父郡峰伊那村でダムが決壊、「波多野岬」という名の少女が犠牲になる。事故の翌年、祖父の家の納屋から、彼女が生前に祖父へ送った手紙を私は見つける。そこには、未来・過去・現在を定義する「クラウス曲線理論」なる小文が綴られていた。波多野の死にこだわる私は、波多野と同じ名を持つ少女「間中岬」とともにダムへと向かう。--ダムに沈んだ少女は、何を見ていたのか? 現実(うつつ)と幻想(あやかし)、「語り」と「騙り」の間を往還するミステリー「あやかしの小瓶」。 帝大を卒業したものの、不景気のあおりで定職に就けず、高等遊民(=フリーター)として毎日を無為に過ごす「ぼく」。酔い潰れた深夜、ぼくは中年男に拾われ、神田花町の居酒屋で丁稚になるが、恋人の「チヒロ」に打ち明けることができずにいた。やがて、居酒屋の入ったビルの取り壊しがニュースとなり、ぼくは得体の知れない波風に翻弄されはじめる。近代文学の香り漂う青春小説「簡単な生活」。以上2作を収録。
大学院でフランス文学を専攻する瀬川柚葉は、智Qこと松木智久という恋人がいながら、指導教官、岩渕とも密かな関係を続けていた。どちらとの関係にも満たされない中、柚葉は岩渕との別れを決意。しかし岩渕は、柚葉を息子ルイの家庭教師に迎え、つなぎとめる。そんな夫と柚葉の関係に気づきながらも平静を装う岩渕の妻、麗子。彼女にもまた若き愛人、五郎がいた。柚葉、智Q、岩渕、麗子、五郎、そして智Qを慕う女子大生も巻き込んで複雑に絡み合う愛憎模様。いくつもの愛がぶつかるとき、それぞれの心の真実が明らかに。そして、その愛は衝撃的ラストを迎える。
イランを舞台に描く壮大な一大叙事詩 舞台は、イラン、イラク、旧ソビエト、そしてヨーロッパ・・・。壮大なスケールで描く超大作。ペルシアの地を目指した、2人の日本人が、苛烈な運命に翻弄されながらも強く生きる。 イスラム革命が成功したイラン。王の時代は終わりを告げ、念願のイスラム教を軸とする国家へと移りゆく。イスラムの教えを強く信じ、革命を成し遂げた革命防衛隊だったが、権力を手にしたとたん、内部からじわじわと腐敗がすすみゆく。革命の成功が、理想の国家を作り上げると信じていた革命防衛隊員サミル・セイフは、その現実を目の当たりにし、もう一度イスラム革命の理念を取り戻すべく戦う。 一方、イラク、イラン、トルコなど、カスピ海沿岸に国を持たずさまようクルド人。自らの国家を樹立するため、武装蜂起を計画。その意思を受けクルド人の武器を調達する日本人武器密輸商人ハジ。そして、イラン革命をつぶさに見てきた隻脚の日本人ハジ。2人の日本人の生き様を通じて、中東の置かれた現実や人々の思いを見事に描ききる。 20年以上もの長きに渡り、読み継がれてきた船戸与一最高傑作。小学館文庫にて刊行するにあたり、イランの地図と登場人物紹介を付記。
独立国家樹立を悲願に聖地マハバード奪還を目指すクルド人たち。日本人武器商人・ハジが旧ソ連で調達したカラシニコフ二万挺は、無事クルド人の元へ届けられるのか。一方、クルドの民を押さえこまなくてはならないイラン革命防衛隊は、内部の腐敗によりその機能が低下し始める。革命防衛隊を立ち直らせたいと理想に燃える青年・サミル・セイフは、まさかの裏切りに遭い窮地に追い込まれる。革命防衛隊の腐敗と、クルド人の武装蜂起。生き別れた姉とサミルの奇跡の邂逅、あらゆる伏線が一つになり、驚きの結末へと導かれる。船戸与一が描く一大叙事詩、下巻。
全米メディア絶賛、ジョー・ヒル待望の新作 ヴィクトリア・マックイーンは8歳のときから、父にもらった自転車ですでに無くなっているはずの〈近道橋〉をわたり、失せ物を見つけられるようになった。17歳のある日、母と喧嘩をして家を飛び出したヴィクはその自転車で〈橇の家(スレイ・ハウス)〉に辿り着く。そこにいたのは、〈NОS4A2(ノスフェラトゥ)〉のナンバープレートを付けたロールスロイス・レイスに乗る老人ーー吸血鬼(ノスフェラトゥ)ならぬ連続児童誘拐犯の、チャールズ・タレント・マンクスだった。 ブラム・ストーカー賞2013年度最優秀長編賞候補にノミネートされた、ベストセラー作家ジョー・ヒルのダークホラーが日本上陸。 【編集担当からのおすすめ情報】 「ノスフェラトゥ」とは有名なドイツ映画のタイトルにもあるように、吸血鬼を指す言葉として欧米でよく使われています。 本作は、連続児童誘拐犯が乗る年代物のロールスロイスのナンバープレート「NOS4A2」を「ノスフェラトゥ」と読ませ、タイトルとしています。モダンホラーの旗手ジョー・ヒルが描く、現代アメリカの「吸血鬼」の恐怖をどうぞご堪能ください。
モダンホラーの旗手が描く話題沸騰の傑作! 連続児童誘拐犯のマンクスに殺されそうになった記憶に苦しめられ、重度のPTSDを患ったヴィクは、入院生活を経て病を克服し、幼い頃に休暇を過ごした湖の家で息子ウェインと水入らずの日々を送っていた。しかしそれもつかのま、ヴィクへの復讐に燃えるマンクスはウェインをさらい、ロールスロイス・レイスで彼の作り上げた王国〈クリスマスランド〉へ向かう。ヴィクは息子をとりもどすため、満身創痍の体でバイク・トライアンフを走らせるーー。 ベストセラー作家ジョー・ヒルが放つ、ダークホラーの傑作がここに完結! 解説は、ミステリ研究家の霜月蒼さん。 【編集担当からのおすすめ情報】 本作は2013年度ブラム・ストーカー賞最優秀長篇賞にもノミネートされ、米国でも大きな話題となっています。発表は2014年5月、ぜひご注目ください。
目の前の世界をがらりと変えてしまう、不思議で魅惑的なお話を読みませんか?「死の淵にある男が知人の医師に勧められた驚愕の最後」「従順な妻が横暴な夫から受けた仕打ちの行方」「詐欺牧師による狡猾な手段とその結末」「不倫妻が夫を騙す意外な方法」「養蜂家がとった恐るべき行動」-淑女の口づけとみせかけて悪魔の噛みつきのように刺激的。読書の愉悦にどっぷり浸らせてくれる短篇11篇をご賞味あれ。新訳決定版。
謎の男・麦に出会いたちまち恋に落ちた朝子。だが彼はほどなく姿を消す。三年後、東京に引っ越した朝子は、麦に生き写しの男と出会う…そっくりだから好きになったのか?好きになったから、そっくりに見えるのか?めくるめく十年の恋を描き野間文芸新人賞を受賞した話題の長篇小説!
ある日、ホームズのもとを小柄で気品のある、ブロンドの若い婦人が訪れる。十年近く失踪中の父、毎年のように届けられる真珠の箱、そして突然届いた謎の招待状…。死体の傍らに残されたサインをめぐり、追跡劇が幕をあける。円熟期のホームズ物語をあじわえる、「四つの長編小説の中で、最も密度の濃い」傑作。充実した注と解説、全イラスト復刻。
日本屈指の本の目利き二人が、古今東西から読まずにはいられない傑作短篇を持ち寄ったアンソロジー。静かに胸をうつ話から、身の毛もよだつ話まで、厳選した18の名短篇。北村・宮部の解説対談収録。