2014年6月発売
日本新聞社に特別取材班「チーム・ニッポン」が結成されて一年。次のテーマを探す記者・黒井正義の元に、七年前に失踪した妻・夏美の友人から電話が入る。本人が会いたがっているのだという。そして、夏美の働いているNPO法人の代表が殺害された。事件の真相を追う黒井の前に浮き彫りになってきたのはー。待望のシリーズ第二弾!
深川黒江町の蕎麦屋やぶ浪が売り出した新しい品。小判形のかき揚げをつけた「開運せいろ」は評判も上々だ。ある日やってきた生意気な若い客がその味に難癖をつけた。調べると、男も蕎麦屋だが、客が来ず見世じまい寸前らしい。本物の十割蕎麦しか出さないという男の見世を、やぶ浪のあるじ浪介が訪れるのだが…。美味満載の江戸人情話シリーズ第四弾!
稲木は楢沢莢子への愛に溺れてゆくが、莢子の異性問題から無理心中事件に巻き込まれる。一方、川西は裏口入学金の着服が問題化。派閥抗争に明け暮れる二人のライバル教授がたどり着いた先はー。地位と金と女を追求する教授、巨大な大学資金に群がる銀行、裏金と不正入試。象牙の塔の生々しい実態に迫り、理想を失った最高学府を糾弾する社会派ミステリーの傑作!
城に帰還した父王アンドラゴラスの命により、事実上追放の身となったアルスラーン。五万の兵を集めるまでは帰れぬ運命となった。つき従うのは、ダリューン、ナルサスをはじめとしたわずか七人の側近のみ。一行はパルス随一の港町ギランへー。そこで待ち受けていたのは、海上商人を脅かす海賊たちとの戦いだった。新たな冒険の始まりに胸躍るシリーズ第六弾!
「和菓子」をモチーフに、短編を一作書いていただけませんか?読書家としても知られる『和菓子のアン』の著者・坂木司が、今いちばん読みたい人気作家たちに執筆を依頼。日常の謎を描くミステリーから、壮大な世界観を展開するSF、心温まる優しい怪談まで、さまざまな読み味の作品が揃いました。疲れたときに読みたくなる、宝箱のような一冊。
外国人娼婦殺害の現場に、植物防疫官の甲屋が割り込んできた。日本の稲作を壊滅に追い込む害虫「火の蛹」が、殺された女性によって南米から持ち込まれたというのだ。鮫島は甲屋とともに、娼婦殺害に関わるイラン人の行方を追う。その男は、鮫島が内偵を進めていた窃盗グループの一員でもあったのだ。放火、拉致監禁…。さらに燃え広がる事件に、鮫島が立ち向かう!
同心見習の瀬島利三郎が袈裟斬りで殺された。巷を騒がす辻斬りの犠牲となったのか。彼と同じ道場の朋輩の失踪も判明。高積見廻りの滝村与兵衛は敵を討つべく探索に乗り出すが、自身までもが命を狙われる。癖のある奉行所の面々や香具師の元締、さらには“目目連”という謎の組織も巻き込んで、与兵衛は江戸一残忍で冷酷な悪党を追い詰める!著者渾身のシリーズ。
旧知の経営者仲間が集う「箱根会」の夜、中条夏子はかつての親友・黒羽姫乃を殺した。愛した男の命を奪った女の抹殺を自らの使命と信じて。証拠隠滅は完璧。さらに、死体が握る“カフスボタン”が予想外の人物へ疑いを向ける。夏子は完全犯罪を確信した。だが、ゲストの火山学者・碓氷優佳は姫乃が残したメッセージの意味を見逃さなかった。最後に笑う「彼女」は誰か…。
紗代はバスタイム関連グッズを扱うショップの店長。同じ駅ビルで働く未知人に片思い中。そんな紗代の前に、神様が降臨、「恋愛検定」二級を受検することに。だが、いつもいい人どまりの紗代は告白どころか未知人の恋を応援してしまう始末。紗代の合格は怪しく…。男女七人の恋愛力を神様が判定!?一歩踏み出す勇気を与えてくれる、恋愛エンターテインメント!
闇の中で紙のように白い顔の女ー。旅行作家・茶屋次郎はある夜、自宅近くで火事に遭遇した。直後、飛び出てきた女と入れ替わりに茶屋は屋内へ。取り残された男を助けたが、男はその記憶がなく、女もいなかったと証言。命の恩人から一転、放火犯と疑われる。茶屋は自ら無実を証明すべく、男の故郷・京都へ。だが、待っていたのは、保津川で死んだ男女三人の謎だった。
南アルプスへ地質調査に出かけた研究者が失踪。京都鞍馬の山中で彼の車が見つかり、大阪南部の海岸で遺体が発見される。彼が研究していた中央構造線と呼ばれる大断層が事件と関連するのか?研究者の孫紗希子と捜査に乗り出す宮之原警部。原発マフィアと噂される大学教授、謎の女占い師、元アイドルに似た女、次々と現れる不審な関係者…。宮之原警部が難事件に挑む!
将軍徳川家重の隠れ御庭番、里見伝兵衛。彼は秘宝「龍眼」を求めて江戸城に忍び込むが、罠にかかり、逃亡。その最中に記憶を失い、好々爺となってしまった。しかし、御庭番としての技だけは体に染みこんでおり、山賊に襲われる猟師の村を護り、破落戸に狙われた商家を救う。だが、その活躍で伝兵衛の生存を確認した幕閣が、最強の刺客を放った…!痛快時代小説。
戦国時代に終わりを告げる関ヶ原の戦いー。『TIGER & BUNNY』や『実験刑事トトリ』を手がけるバディ物の若き第一人者が、この天下分け目の合戦を、石田三成&島左近、島津義弘&豊久、井伊直政&松平忠吉、徳川家康、小早川秀秋など、それぞれの武将の視点から新解釈で描く、バディ系歴史ノベル。
“強き者の島”の王ブランには三人の弟と一人の妹がいた。“旧き民”の習わしで王位は彼の息子ではなく、妹ブランウェンの息子が継ぐはずだった。だがアイルランドの上王が妹に求婚したとき、ブランの心は揺れた。妹が嫁げば自分の息子が王位を継げるではないか。こうしてブランウェンは異国に嫁ぎ、悲劇の種は蒔かれた。世界幻想文学大賞生涯功労賞の大家が描く、壮絶な悲劇。
「娘を誘拐した。返してほしければ…」とんでもない条件に奔走する関係者たち。次々に仕掛けられるハードル。警察も翻弄されるなか、ある人物の一言が事件を急展開させるのだが…。張り巡らされた伏線と仕掛け、これぞ鯨マジックの真骨頂!あの手でもなく、この手でもない、前代未聞の誘拐ミステリ!
幼い頃から友だちがいたことはなかった。両親からも顔をそむけられていた。36年間女性にも無縁だった。何度も自殺を試みたーそんな鈴木誠と社会の唯一の繋がりは、洋楽専門誌でのマニアをも唸らせるビートルズ評論だった。その撮影で、鈴木は美しきモデル、美縞絵里と出会う。心が震える、衝撃のサスペンス。
かつて高額な報酬に惹かれ、セルビア民兵組織リーダーの生体肝移植を成功させたことがある高名な外科医ハモンドの前に、リーダーの娘が現れた。大量虐殺を繰り返し、戦争犯罪人として逮捕された父親の財産の隠し場所を知る組織の元会計係を探してほしいという。半ば脅迫されたハモンドはハーグへ向かう。MWA賞受賞後第1作。バルカンを舞台に繰り広げられる、秀逸ノンストップ・スリラー。
リーダーの元情婦、民兵組織の元側近、捜査官。会計係を探しているのは、ハモンドだけではなかった。何人もの復讐心といくつもの強欲がからみあい、行く先々で死が累々と積み上げられていく。隠し財産はどこにあるのか。戦争の爪痕生々しく、動乱が続く地帯で正義は貫きとおせるのか。ノンストップ・スリラー。
花々が咲き乱れる廃園となった遊園地。そこには、謎めいた青年が守る秘密の動物霊園があるという。「自分が一番大切にしているものを差し出せば、ペットを葬ってくれる」との噂を聞いて訪れる人人。せめて最期の言葉を交わせたら…。ひとと動物との切ない愛を紡いだミステリー。