2014年7月発売
江戸の悪を誅する“闇蝙蝠”は…死んだ。青葉藍ノ真は、父である雅光の志を継いで闇蝙蝠を襲名し、自らが信じる正義の暗刃を振るっていた。だが、若きその刃は新しき闇を引き寄せるー。犀星藩邸にて藍ノ真が邂逅したのは、由良真弓と睦美という兄妹。この二人は、思いもかけない運命と宿業の螺旋の中へ、青葉家の人々を誘っていく。
手習所の女師匠・彩に惚れ込んだ、日本橋槌屋の若旦那・惣二郎が、子供に交じっていろはの勉強を始める。しかも、彩に色目を使う恋敵の牢人まで現れ、惣二郎と一触即発の事態に!しかし、牢人の真の目的は、彩の先生にあたる人物の暗殺で…。若旦那の行くところ、騒動ばかりが付いてくる!?
北町奉行所の定町廻り同心である雷平八郎は、仁王様のようないかつい面構えのため、女にもてたためしがない。そんな平八郎は色恋に疎いところを見込まれ、吉原勤番を命じられてしまうが…。百花繚乱、美しく咲き乱れる女の園で、平八郎が直面する愛憎渦巻く事件とは!?廓同心、雷平八郎の剣の冴えを見よ!
家族を亡くしたアンナは、やさしいプレストン夫妻のもとで暮らしている。ところがすべてに無気力で友だちもできない。心配したミセス・プレストンの計らいで、アンナはひと夏を海辺の田舎町で暮らすことに。そこでアンナはマーニーというとても不思議な女の子に出会う。アンナを大きく変える、奇跡の物語の始まりだった。愛と友情と少女の成長を描く感動の名作が、越前敏弥・ないとうふみこによる、読みやすい新訳で登場!
新興宗教団体にかかわる事件で、捜査を指揮していた警視庁の管理官が銃撃された。庁内が緊張に包まれる中、都内近郊の各地ではスズメバチが人を襲う事故が続けて起こる。その中には高速道路を走行する車中で蜂が暴れるという重大な事例もー。本庁の総務部総務課動植物管理係の須藤友三警部補と部下の薄圭子巡査は、捜査一課からの依頼で蜂の事故の調査を始めるがー!?平穏な日常を脅かす小さな「兵器」に、警視庁の「いきものがかり」コンビが立ち向かう!窓際警部補と動物オタクの女性巡査が駆ける!スリルと抱腹の最新警察小説!!
燦、助けてくれ。頼む、燦。-圭寿の亡き兄が寵愛した側室・静門院の住まう屋敷からの帰り道、刺客に襲われた伊月は、生死の境をさまよい続ける。正体を現さぬ敵、闇神波への激しい怒りに揺り動かされる燦が静門院のもとを訪ねると、予想外の真実が明らかになり…。少年たちがもがく、文庫オリジナルシリーズ第五弾。
無能なキャリアに歯向かって謹慎となった若き刑事・水戸部は迷宮入り事件を担当する「特命捜査対策室」に配属された。15年前の四谷荒木町の殺しを再捜査せよ。専従捜査員は水戸部ただ一人。退職刑事を相棒に、水戸部は町の底に埋もれた秘密と嘘に肉薄してゆく。静かな余韻を響かせる警察小説シリーズ第一作。
小蔵屋を営むお草は、新聞記者の萩尾の取材を手伝って以来、萩尾と、彼のライフワークである民俗学の師匠・勅使河原、その娘のミナホのことが気にかかっている。15年前のある“事件”をきっかけに、3人の関係はぎくしゃくしているらしいのだ。止まってしまった彼らの時計の針を、お草は動かすことができるのか。好評第3弾!
島津勢の猛攻に耐え、駆けつけた秀吉に「その剛勇鎮西一」と誉め称えられた立花宗茂は、九州探題大友家の元家臣であったが、秀吉によって筑後柳川十三万石の大名に取り立てられた。関ケ原の戦いで西軍に加担した宗茂は浪人となったが、十数年後領地に戻れた唯一人の武将となった。その半生を描く話題作。
父・育雄が故郷の村長に当選し、中学二年生の奈央はこよみ村に移り住む。村には秘密の書「予言暦」があるという。元アイドルの溝江アンナとその息子・麒麟、“村八分”松浦、父の政敵・十文字など個性的な村民と共に奈央は様々な不思議な体験をする。村の四季を背景に、ほんのり怖いけれど癒される青春ファンタジー。
銭形平次の子分・ガラッ八の八五郎。惚れっぽいが岡惚ればかりでいまだ独り身、そんな彼にまさかの“隠し子”疑惑が。覚えのない子どもを呑気に可愛がる姿に平次も呆れ顔だが、子どもを置いていった女の意図は果たして…?江戸風俗と謎が交錯する表題作など八篇収録。時代小説ファン必読の傑作選最終巻。
五代将軍後継問題で世界が騒いでいた頃、父を亡くした京の呉服屋の一人娘おりんは、叔父を頼り、江戸へ出た。が、江戸の店はすでに閉じ、叔父夫婦と三人で長屋に暮し始めた。身に付けた裁縫の腕で日銭を稼ぎ、ひょんな事から、日本橋の越後屋の主と関わりを持つことになった。果しておりんは店を再興できるのか。
辻村深月、万城目学、湊かなえ、米澤穂信ー綺羅、星のごとく輝く人気作家たちによる、“時”をテーマにしたアンソロジー。小学校時代に埋めたタイムカプセルがほどくこじれた関係、配置換えになった「縁結び」の神様の新たな仕事、人類には想像もつかない悠久なる物語…。“時間”が築いたきらびやかな迷宮へ、ようこそー。
絶世の美女にして全身に百の眼を持つ妖怪・百目。彼女の探偵事務所は、妖怪と人間が共存する“真朱の街”にある。請け負う事件は、すべて妖怪がらみ。依頼人は、報酬を自分の寿命で払うのが決まりだ。助手の相良邦雄は、時々百目に寿命を吸われつつ、事件解決にこき使われる日々を送るのだが…。数多のもののけたちが跳梁跋扈する、妖怪ハードボイルド第一弾!
「ペット」をモチーフに、短編を一作書いていただけませんか?愛犬家としても知られる作家・近藤史恵氏が「この方のペット小説を読んでみたい」と思った作家に執筆を依頼。盛り沢山な作品が揃いました。登場するのは犬、猫から爬虫類、鳥まで、中身も涙なくしては読めない作品から爆笑必至の作品までと、多種多彩。小説のなかで、生き物と寄り添ってみてください。
東大在学中に司法試験に合格し、エリート検事の道を邁進する霧島三郎。しかし、婚約者・恭子との結婚を間近に控え、彼女の父親が突然の失踪。のみならずヘロイン所持、殺人の嫌疑までかけられる…。瞬く間に危機的状況に追い込まれた三郎は、愛を貫くため、辞職覚悟で独自捜査に乗り出す!苦悩しながらも奮闘する若き検事の姿を、スリリングに描き出す傑作ミステリー!
夏目影二郎の元に、旧知の韮山代官・江川太郎左衛門からの依頼がきた。砲術の名手として知られる高島秋帆を警固してほしいとのこと。自らが捕縛されるまでに弟子たちに「砲術稽古」をつけんとする高島の熱意に、「稽古場」豆州に同行することにした影二郎だが、それを阻もうと追う南町奉行・鳥居耀蔵一派との死闘が待っていたー。ますます絶好調の決定版第十一弾。
西新宿のホテルで元CIAのアメリカ人が殺された。鮫島は、事件の鍵を握る平出組の前岡を追うが、公安警察からの横やりが入る。背後には元公安秘密刑事・立花の影がー。捜査の過程で鮫島は、美しく孤独な女・杉田江見里と出逢い、惹かれていく。鮫島が事件の核心に迫っていくと、警察の暗部が明らかにー。圧倒的なスケールで物語が展開するシリーズ第6弾。
刑務所の農場労働を逃れるため精神異常を装い、委託患者として精神病院にやってきた赤毛の男マックマーフィ。そこではラチェッド婦長が厳格な規則と薬物投与で患者たちの人間性を奪い、病棟を管理支配していた。マックマーフィは笑いと不屈の反抗心を武器に婦長に戦いを挑み、その姿に無気力状態にあった患者たちも自由の喜びと勇気を取り戻していくが…。体制への反逆と精神の自由を求める戦いを描いて鮮烈な感動を呼ぶ、20世紀アメリカ文学を代表する名作。
舞踏会で出逢った令嬢エディに、公爵ガウアンはひと目で恋に落ちた。彼から一途な想いを告げられたエディは、その情熱に心を奪われ結婚する。はじめて迎えた二人きりの夜、夢にまでみた幸福にひたるガウアン。かたやエディは、本心を打ち明けられぬまま、彼を悲しませたくない一心で夜を重ねていく…。ある時、そんな彼女の“思いやり”を知ったガウアン。エディを運命の女性だと信じていた彼は、想像もしなかった展開に失望し、悲しみに暮れたエディはひとり、はなれの塔に閉じこもって幾日もチェロを弾き続けたー。しかしやがてガウアンは、胸に宿ったエディへの愛に気づく。失いたくない運命を知った今、塔の上の彼女へと、再びあふれる情熱を伝えるためにガウアンは!?『塔の上のラプンツェル』をモチーフに描く、愛し愛される歓びの物語。おとぎ話シリーズ第4弾!