2014年8月発売
第二次世界大戦前、ドイツより日本を訪問し、全国を歓迎と熱狂の渦に巻き込んだヒトラーユーゲント。その盛大な歓迎会の最中に、ある秘密工作は粛々と仕組まれていたー。「インヴェ」という名前に導かれ、丹波篠山である男の家を訪れた浅見は、殺人事件の嫌疑をかけられることに。ナチスドイツが遺した爪痕は、意外な形で日本へと繋がっていた。気鋭のヴァイオリニスト、アリシア・ライヘンバッハの祖母からのたっての頼みを受け、ドイツへと赴いた浅見光彦が目の当たりにした悲しみの真実とは?緻密に組み立てられた陰謀は、70年の時を経て現代へ甦る!官僚一家の名門・浅見家を脅かす「亡霊」の正体とは?現代ミステリー界の雄が不退転の決意で描きだした名探偵“最後の”事件!
GACKTが描く歴史ファンタジー小説。今までになかった新たな“源平物語”。2012年、5万人を動員した大ヒット舞台『MOON SAGA-義経秘伝ー』の原作。初公開!!GACKTの執筆オフショット。
桑畑の黒い地面からまるで人間の手足がはえているような格好で死体が発見された。惨劇の状況が萩原朔太郎の詩そのもの。警視庁の岡部警部が被害者の上野義則を呼び出した人物を追うと、上野の出身地群馬県で起きた三十年前の中学教師殺人事件に突き当たった。上野は当時、教師の妻の犯行を証言した中学生の一人だったのだ!岡部は二つの事件の関連を読み、教師の息子の行方を追う!
最初の30分は「仕事」、残りの30分は「物語」。見知らぬ男と過ごす1時間。愉楽の波間を漂いながら泣く。「俺の話聞いてくれる?」客は私の胸に顔を埋める。からだから、涙に似た欲望のかたまりがわきだしてくるのはなぜ?ホスピスでのひそやかな逢い引き。からだ中が泣き出す。歌い出す。踊り出す。郊外に建つログハウス風のアパートの各部屋で繰り広げられる恋と官能を連作で描ききる。
尼崎藩江戸家老を長く勤めた塩谷隼人であったが、藩主松平忠告も死去。家中の落ち着きを待ち三回忌の後、ついに暇をもらい晴れて隠居の身となった。主家から離れた後の月々の暮らしを考えた隼人は、八丁堀に土地を借りて長屋を普請。しかしどうしたことか、店子がまったく集まらない。窮する隼人だが、尼崎藩や船宿『海ねこ』の面々に頼るわけにはいかぬ。職を求め、口入屋を訪ねるが…。
「ガッコウがなくなるぅ!?」房総の底辺大学でおバカな青春を謳歌する学生たちに、突如襲いかかった大災難。経営が破綻し、即廃校にするという。「じゃ、俺ら卒業できないわけ?」極楽鳥研究会の面々も青ざめた。“楽に生き抜く法を追求する”サークル活動から一転、真相に迫ろうとする七人組。そして浮かび上がる理事長、官僚、暴力団までが仕組んだ大陰謀…。落ちこぼれパワー炸裂だ!
ぽっちゃりとして不器量な18歳のジョージアは、決して実らぬ恋だと知りつつも、母の再婚相手の息子ー血のつながらない兄ジェイソンに想いを寄せていた。だがある日ひょんなことから、ひどい濡れ衣を着せられてしまう。彼女が義父を誘惑しようとしたというのだ!愛するジェイソンからも、実の母親からも信じてもらえず、蔑みの目を向けられたまま、失意のジョージアはNYへ…それきり、ジェイソンとも顔を合わせることはなかった。7年後に義父が亡くなり、帰郷することになるまでは。
戦国時代にタイムスリップした陸上自衛隊員・笠間慶一郎。思いがけず信長の命を救ったことで、ボディガード兼鉄砲頭として取り立てられる。狭まる信長包囲網の中、慶一郎は最強の敵・武田信玄を暗殺したが愛する女性・沙奈を誘拐され、その命と引き換えに主君・信長の命を狙うはめに…。大好評「戦スナ」シリーズ、第4弾!
雲印乳業西日本支社のお客様相談センターに一本の電話がかかってきた。低脂肪牛乳を飲んで食中毒をおこしたという。やがてその数は一気に増え対応に追われるセンターだが、会社の上層部は真剣に取り合わない。開いた記者会見では社長と工場長が真っ向から対立し大混乱に陥る。こんな会社に未来はあるのか?そのとき、無責任な俗物経営陣を倒すため、立ち上がった社員がいた!痛快無比の企業エンターテインメント。
18歳のエレンは兄ゴードンのようにオックスフォードで勉強する夢があった。しかし女性は入学できない時代。なんとか叔母の助力で、オックスフォード大学近くにある女学校に入ることになった。街に着いた日、エレンは苦学生らしい親切な青年ジムに出会い、この後の生活に期待を抱く。だが、女学校は単なる花嫁学校でしかなく、失望した彼女は学校に馴染めずにいた。ある日、兄の頼みで大学の授業を受けることになり、エレンは嫌々ながら男装をする…。リージェンシー・ロマンスの女王が贈る青春物語。
考古学者ジャック率いるチームが、イスタンブール(コンスタンティノープル)沖で中世に造られた鎖を発見する。その頃、ジャックの旧友マリアがヘレフォード大聖堂で秘匿されていた中世の文書を見つけ出していた。この2つの発見がある推測を促す。「ヴァイキングがコンスタンティノープルからメノラー(燭台)を奪ったのではないか?」-メノラーはユダヤ戦争時にローマ軍が奪ったユダヤの至宝であり、現イスラエルのシンボルだ。そして、ナチスが探し求めた秘宝でもあった。歴史の闇に光を当てる冒険が始まる!
明治新政府が総力を挙げて建設した富岡製糸場。開業翌年の明治6年、時の皇太后と皇后がその地へ初めての行啓をする直前に、工女が死体となって発見された。開業前に流れていた、「工女になると生き血を吸われる」という奇怪な噂は本当だったのか。さらに一人の工女が忽然と姿を消し、工場に暴動の危機が迫ったとき、彼女たちの若き傍輩が立ち上がるー。創業当時の新「世界遺産」を舞台に、時代を切り拓いた乙女が大活躍。
映画監督・柚木真喜子が海外の映画祭である賞を受賞した。柚木の映画で脚本を担当していたものの、喧嘩別れをした志保。柚木の彼氏だった男を奪い、その後結婚したさつき。地元のラジオ番組で電話取材を受けることになった柚木の妹・七恵。柚木と古くからの知り合いで、今では柚木のことをネット検索するのが趣味の亜紀美。柚木と一人息子との関係に悩む芸能事務所の女社長・登志子。柚木に見初められ、高校時代に素人ながらも映画「アコースティック」に出演した十和…。奔放に生きる一人の女性を軸に、六人の女たちの嫉妬、羨望が混じり合う濃密な物語。
舞台はブラジル東北部の町エクルウ。この町では、アンドラーデ家とビーステルフェルト家が、互いに反目し合い、抗争を繰り返している。ある日、アンドラーデ家の息子・フェルナンとビーステルフェルト家の娘・カロリーナが、駆け落ちする。その捜索を依頼された謎の日本人・山猫。ブラジル版ロミオとジュリエットに端を発した、山猫による血で血を洗う追跡劇が始まる。冷酷非道な山猫の正体と思惑、そして結末に明らかにされる衝撃の事実とは…?冒険小説の第一人者が描く、手に汗握る怒涛のストーリー。究極のエンタテイメント小説が復刊
人気漫画家・楳図かずおのもとに、彼の生い立ちを本にしたいという企画が持ち込まれる。担当編集者の若草さくらは、かねてから楳図の大ファンで、この企画は彼女自身が強く熱望するものであった。さくらは取材で楳図から話を聞くうちに、その創作の原点にはすでに亡くなっている母・イチエの存在が大きく影を落としていることに気づく。生まれ故郷を訪ね、さらに詳しく楳図の生い立ちを調べるさくらだったが、彼女の周囲で次々と怪異現象が起こる。恐怖漫画の巨匠・楳図かずお氏が七十七歳にして初めてメガホンをとった話題の最恐ホラー映画を完全ノベライズ。
この道二十五年のベテランスーツアクター・本城渉は、ブルース・リーに憧れる熱血漢。“顔出し”で映画に出演する夢を持ちながらも、家族には見放され、新人の人気俳優・一ノ瀬リョウに役を奪われるなど、辛酸を舐めてきた。そんな本城にハリウッドのアクション大作からオファーがかかる。一世一代のチャンスだが、それは命も落としかねない危険なスタントだった。周囲の反対を振り切り、本城は撮影現場へ向かうがー!?特撮やアクションに欠かせない“影の主役”に史上初めてスポットを当てた同名映画をノベライズ。名もなきヒーロー達の夢が今、動き出す!
七尾究一郎は、おとり捜査も許されている厚生労働省所属の優秀な麻薬取締官。製薬会社が兵士用に開発した特殊薬物“ヒート”が闇市場に流出し、それが原因で起こった抗争の捜査を進めていた。だがある日、殺人事件に使われた鉄パイプから、七尾の指紋が検出される…。誰が七尾を嵌めたのか!?誰も犯人を見抜けない、興奮必至の麻取ミステリ!
ある高校で1人の男子高校生が自殺した。そして2カ月後、クラスメイト全員に“王様”から1通のメールが届いたークラスを恐怖のどん底に陥れたのは誰なのか!?恐怖の物語が幕を開けた!サバイバルホラー。
よかれと思ってとった行動が裏目に出たり想定外のトラブルに直面し右往左往したり。周囲との摩擦を避けるため、ぐっと気持ちを押し殺したり、会社員として、職場という名の舞台で、日々戦いつづける者たち。そんな彼らの物語を通して、会社というものの本質や、人生の真実をえぐりだす。宮仕えの悲哀を知る、世のすべてのサラリーマンに捧ぐ、オフィス傑作短編集。