2014年9月発売
ひと目見た瞬間、強烈な電流が背中を駆け抜けた。僕は、奇妙な飛行物体から突如現れた少女に恋をしていたー。夏休み。大学の“超常現象研究会”に所属する星原俊平は、動物の不審死の噂を聞き、先輩3人と故郷の村を訪れた。ところが、調査開始早々に人間の手首が発見されて…。やがて、俊平は少女の“正体”と、村で起きた事件の真相に辿り着く。儚いひと夏の出来事を綴るSF青春ミステリー。
芳しいスパイスの香りに包まれて育ったハッサン・ハジ。突然の悲劇でインドを逃れ、たどり着いたフランスのリュミエールで、豪傑な父のひと声のもと、インド料理店のコックとなる。しかし、通りの向こうにはマダム・マロリーがオーナーシェフを務めるフレンチの名店があった。両店のバトルがエスカレートするなか、マダム・マロリーに料理の才能を見出されたハッサンは、ある大きな決意を抱くのだった…。
1960年代後半、アメリカ。デトロイトに住んでいたアーサーは治安の悪化に不安を覚え、妻子を連れて故郷のカンザス州へ帰る。そこは25年前、姉のイヴが不審な死をとげて以来、足が遠ざかっていた場所だった。一家が戻るやいなや、亡くなった当時のイヴに似た少女が失踪する事件が起こる。犯人は同一人物なのか?小さな町の緊密な人間関係が絡み合う中に謎は隠されていた…。エドガー賞処女長編賞受賞ミステリ。
ドイツのハンブルクにやって来た痩せすぎの若者イッサ。体じゅうに傷跡があり、密入国していた彼を救おうと、弁護士のアナベルは銀行経営者ブルーに接触する。だが、イッサは過激派として国際指名手配されていたのだ。練達のスパイ、バッハマンの率いるチームが、イッサに迫る。そして、命懸けでイッサを救おうとするアナベルと、彼女に魅かれるブルーは、暗闘に巻きこまれていく…スパイ小説の巨匠が描く苛烈な諜報戦。
職業・前衛音楽家/ノイジシャン。「新潮」の編集者に頼まれ、小説を書いてみたら大ヒット。天才だからしょうがない。が、パトロンがいなくなった。結婚でもしてみるか。俺はツラもいいし、モテるから。そんな俺様に待ち受けていたのはー。『下妻物語』的コミカル感動ストーリー。笑止痛快!ハチャメチャ恋愛小説。
ビデオジャーナリスト楠瀬薫の前に突然現れた少女。それはかつて、“超能力少女”として世間を騒がせた諏訪礼だった。あの時、薫の取材で姿を消した礼が今なぜ?過去を贖うため礼を匿った薫を襲うストーカー、協力する知人の怪死、大物政治家の影。陰謀の黒幕は誰か。礼が抱える秘密とは。二人の逃避行は想定不能の結末へー心理の盲点を描き抜く驚愕のサスペンス長篇!
1953年、シリア。片田舎のマーラ村で権勢を誇るムシュタークの一族に生まれたファリードは、村の記憶が深く刻まれた楡の老樹を燃やした罪を着せられ、寄宿制の修道院学校に入れられてしまう。アラビア語を禁止され、本名を使うことさえ許されず、厳しい労働やリンチ、嫌がらせ、そして孤独に耐えつづける日々。だがそこで、修道士のガブリエルや上級生のブーロスに助けられ、彼らを支えとするようになる。これが、ファリードの人生にとって重大な出会いだとも知らずに。家族の愛情と友情、笑い声に満ちた明るい幼年期と、恋人や家族と引き離され、孤独と絶望に覆われた修道院生活を送る少年時代。一族の繋がりと運命に翻弄されながらも懸命に成長する少年の姿を描く第二巻。
ロス市警の刑事スコットは相棒とパトロール中、銃撃事件に遭遇する。銃弾はふたりを襲い、相棒は死亡、スコットも重傷を負った。事件から九カ月半、犯人はいまだに捕まっていない。警備中隊へ配属となったスコットはそこで新たな相棒ースコットと同様に、大切な相棒を失ったシェパード、マギーーに出会った。アメリカ探偵作家クラブの生涯功労賞を受賞した著者の大作登場。
自分たちの町で作家や出版関係者が集まるミステリ大会が開かれると知り、ジェーンは喜び勇んで親友のシェリイと参加することに。大会では憧れの作家に会え、自作の小説を持ち込む機会に恵まれた一方で、新人作家や名物編集者の振る舞いに眉をひそめることにもなる。そして、批評家の失踪を皮切りに事件が続発し…主婦探偵がイベントで起きた現実の事件に挑むシリーズ第14弾。
西暦2312年、人類は太陽系各地で繁栄しつつも、資源格差や環境問題をめぐり対立を深めていた。そんななか、諸勢力共存の要だった水星の大政治家アレックスが急死。彼女の孫スワンは、祖母の極秘の遺言を届けに木星の衛星イオに赴く。地球を訪れたのち水星に戻ったスワンは、移動都市を襲う隕石衝突に巻きこまれる!『レッド・マーズ』の著者による3度目のネビュラ賞受賞宇宙SF。
これはただ、ひとりの男が大学に進んで教師になる物語にすぎない。しかし、これほど魅力にあふれた作品は誰も読んだことがないだろう。--トム・ハンクス 半世紀前に刊行された小説が、いま、世界中に静かな熱狂を巻き起こしている。名翻訳家が命を賭して最期に訳した、“完璧に美しい小説” 美しい小説……文学を愛する者にとっては得がたい発見となるだろう。--イアン・マキューアン 純粋に悲しく、悲しいまでに純粋な小説。再評価に値する作品だ。--ジュリアン・バーンズ 『ストーナー』は完璧な小説だ。巧みな語り口、美しい文体、心を深く揺さぶる物語。息を呑むほどの感動が読む人の胸に満ちてくる。--「ニューヨーク・タイムズ」 読んでいると、さざ波のようにひたひたと悲しみが寄せてくる。どのページの隅にもかすかに暗い影がちらつき、これからどうなるのだろう、ストーナーはどうするだろうと、期待と不安に駆られ、もどかしい思いでページを繰らずにはいられない。(…)しかしそんな彼にも幸福な時間は訪れる。しみじみとした喜びに浸り、情熱に身を焦がす時間が……。ぎこちなく、おずおずと手を伸ばし、ストーナーはそのひとときを至宝のように慈しむ。その一瞬一瞬がまぶしいばかりの輝きを放つ。なんと美しい小説だろう。そう思うのは、静かな共感が胸に満ちてくるからにちがいない。(「訳者あとがきに代えて」より)
超敏感体質ゆえ妓楼に売られる寸前だった春蕾を後宮に引き取った皇帝は、傲岸かつ冷血。視姦しつつの言葉責め、拘束しての甘い拷問ーー幾度も導かれる絶頂。気を失うまで快感を与え愛玩物のように愉しむなんて……。
相州と上州、それぞれの関所破り。十兵衛いかに始末をつける 保土ヶ谷の道案内角太郎を殺した河童の六こと六蔵を追って関東取締出役の桑山十兵衛は、河童の六の出身である相州の松田惣領まで、足を延ばす道すがら、溝口にて鐘撞き講で金を集める破れ坊主を懲らしめる。 だが、肝心の河童の六はとりにがし、保土ヶ谷の一件は、わからずじまいとなって江戸へと戻ってきた。 江戸へ戻った十兵衛を待っていたのは、日光例幣使街道の上州玉村宿のそばにある竹田村で、朝早くに川向こうの穂波村から、鉄砲の玉が飛んできたという訴えだった。時を同じくして、玉村では道案内が殺され、その下手人である侠客定次郎は子分を連れてそのまま姿を消したという。鉄砲をきっかけに、穂波村に立ち寄った定次郎一味の足跡を見つけられると考えた十兵衛は、玉村の道案内の後任を決める必要もあり、今度は上州へと向かう。 破れかぶれになり、関所破りで、せめて名を上げようとする侠客定次郎一味。 そして、河童の六は、いずこへ流れたのか。それぞれの関所破りは、思わぬ方向へと展開をみせる……。十兵衛は、首尾よく彼らを捕えることができるのか。 人の欲を見つめて、関八州を経巡る十兵衛がつける、侠客たちへの意外にな始末とは。 ご存じ、人気時代小説・八州廻り桑山十兵衛シリーズ待望の第九巻。
男気あふれる昔ながらのヤンキー・尚弥が、上昇志向もなくダラダラ生きるマイルドヤンキーたちが通う高校に転校し、ひょんなことから水球を行うように。ライバルの強豪校を倒し、仲間とともに“ミズタマ”でてっぺんを取ろうと誓う…。アツイ男・尚弥&クールな龍二…ミズタマで結ばれた絆!友情、恋、そして水球!青春群像ストーリー。日本初、水球をモチーフにしたフジテレビ系大人気ドラマが青春小説として蘇る!