2014年発売
幕末前夜の江戸。瀬戸物屋の五男坊に生まれた駿平は、百五十俵の貧乏御家人「野依家」に婿養子入りした。男五人兄弟では、この先分家を立てられる保証もなく、うまくいっても商家の婿。いっそ武士になるのも面白かろうと軽い気持ちで引き受けたものの…当主になって待っていたのは、過酷な「就職活動」だったー新米武士の駿平が武家の世界を駆けずり回って「立身出世」をこころみる!
永河期が訪れつつある2061年。イタリア・トスカーナ地方に住むガリレオ・ガリレイの末裔である葉月、神月、星月の三姉妹は、空賊やエネルギー企業で狙う「ガリレオテゾロ」をめぐる争いに巻き込まれてしまった。謎の美女・アンナの助力を得た三姉妹は、家族の再生と名誉をかけてガリレオの謎に挑む!アニメに基づく小説ならではのオリジナルストーリー!
ダムができて湖に沈んだ村ーのはずが、5年後に雨不足で村は再びその姿を現した。「それ」は墓の下からよみがえり、血を必要としていた…。そして、若い女が失血死したのだった。一方、ひょんなことからこの事件に遭遇したエリカとクロロックは同じ吸血鬼一族の存在を感じていた。そんなとき常田加奈子という少女が現れ、やがて第二の殺人が起こってー!?『吸血鬼はお年ごろ』シリーズ第10弾!!
怪異大好きの変人中将・宣能に気に入られてしまった青年貴族の宗孝。「泣く石」の噂を確かめに二人で向かった都の外れで出会ったのは、妖怪ではなく何やら訳ありらしい赤子。成り行きで預かる事になった宗孝だが、その子は中将の隠し子かもしれず…。しかも姉たちの追及に対して苦し紛れに自分の子だと答えてしまったため、事態は更にややこしい方向に!?平安怪奇冒険譚、第2弾!
卒業を間近に控えた女子大生仲良しグループ。珠美は秘書、文代は教師、トモ子は編集者など、七人それぞれの進路へ巣立とうとしている。恋愛に憧れつつも、まだ見合い結婚が主流の終戦直後、彼女達が常に盛り上がるのは、唯一婚約者のいる祐子の話だ。卒業後、婚約者の誕生日に全員が祐子の家に招待されるがー。若い女性の心の葛藤を、瑞々しく描く。有吉文学の原点となった、初の長編小説。
大学を出たが職のあてのない敬太郎は友人須永の叔父、田口を頼る。「探偵」の仕事を請け負った彼はある人物の尾行を命じられる。その男、松本は田口の義弟で、須永と同様、高等遊民の暮らしをほしいままにしていた。都会の知識階級の自我をめぐる苦悩を、漱石自身に重ね合わせながら丹念に描き出す。生死の境を彷徨った「修善寺の大患」後の作品で、亡き娘、ひな子と親友、池辺三山の霊に捧げられた。
フィンランドはユダヤ人虐殺に加担したかー歴史の極秘調査ともみ消しの指令を受けたカリ・ヴァーラ警部。ヘルシンキで起きたロシア人富豪妻の拷問死事件の捜査においても警察上層部から圧力がかかる。さらにカリを襲うのは原因不明の頭痛。妻のケイトは彼を心配するが、臨月を迎えた妻をこれ以上不安にさせることはできない…。激痛に耐えながら挑んだその結末とは?好評極寒ミステリ第2弾!
笑いに包まれた恐怖をご賞味あれ! 二十五年前に三人の死を予言し姿を消した、 百発百中の予言者「ヒミコのオッサン」。 漫画家志望の大輝と、ミュージシャン志望の茂夫は、 軽い気持ちで彼の行方と正体を探りはじめる。 当時をよく知る人々の取材をするうちに、 二人が辿りついたのは、想像を絶する恐怖の真相だった……。 「粘膜シリーズ」で人気沸騰中の飴村行が、 約二年間の沈黙を破って放つ、渾身の怪作。
「文学の使者」を自称する不思議な少年・アイに導かれ、巨大な「塔」の入り口に連れて来られた津島文歌(つしまふみか)は、元の世界に戻る手がかりを探るべく、塔の内部に足を踏み入れる。扉の向こうには、どういうわけか、大正・明治の雰囲気漂う“帝都”と呼ばれる世界が広がっていたー。
「鞭打倶楽部」とは?そして、景品となる十六の赤毛の処女クララの運命は? この破天荒すぎる小説は、発禁処分となったアノ『エロエロ草紙』の代替え企画です。コレも発禁されてはたまらないと、作者の酒井潔が、あくまでも翻訳ですと言い張って世に放った問題作。今、80年の時を経て、新装完全復刻版として平成の世に甦る! ●国立国会図書館でもデジタル公開されていない秘蔵本! ※まずは、コノ唖然ボーゼンする目次を見てください! ・第一章 「魅惑と雷鳴の下で」 「人間の賭け物」「奇怪な勝負」「裏切って売る」 ・第二章 「農園主邸の騒宴」 「鞭打の手練」「生意気な奴隷の懲罰」「暖かい思ひ」 ・第三章 「狂女の悲恋」 「新らしい刺戟を追ふて」「奇想天外の計企」 ・第四章 「裸美競艶」 「美女の競争」「残酷な折檻」「敗者の厳罰」「困難な選択」 ・第五章 「虐げられた処女」 「人肉の相場」「弗に代へて」 ・第六章 「大景品の公開」 「女の二頭立」「狂女とブロンド女」「特志家の群集」 ・第七章 「生きている壷」 「赤字の番号」「狂女の駆る美人戦車」「車輪の下に踏みにぢらるる」
舞台は終戦前後の北方四島のひとつ色丹島。寛太と純平の幼い兄弟が戦争によって引き離された父に会うため、100キロ離れた収容所を目指す。親子の絆、兄弟愛、命の尊さを問いかける物語。
都会の片隅、猫たちがこんな甘やかな恋愛遊戯にひたっていたなんてー。若きシャム猫・錫乃介はその美貌ゆえに放蕩の日々。かつて道ならぬ恋にあった義姉・永遠子にけしかけられ侯爵家の令嬢・深雪を百日で篭絡できるかの賭けをする。手練手管で誘惑し、褒美を得るはずだったのだが…。大型新人が斬新な発想で描く現代猫版“危険な関係”。
朝鮮出兵に叛旗を翻した罪で捕縛され、妻子領民を目前でなぶり殺しにされた五郎太。処刑されず追放され、絶望の彷徨が始まる。九州から、マニラ、京へ…。心に闇を抱えた男に恩寵は訪れるのか。罪深き所業の数々、おくに踊りの自由と熱狂、関白秀次との黙契。俗悪を蔑み、世の綺麗事を踏みにじり、祈りが尽きた最果てで、生の意味を希求した魂の物語。足裏に、「仏」の一字を彫りこんで、太閤暗殺におのれの証を賭けた執念の男を描く、暗黒の歴史小説。
東京吉祥寺に住む若夫婦が営みの最中に手斧で惨殺された。犯人は逮捕され服役したが、18年後、今度は荻窪で新婚夫婦手斧殺人が発生。血まみれの若妻は、高級ブライダルサロンのパンフレットを犬のように咥えていた。ストーカーの影、二転三転する犯人像、秘密裏にもたらされる捜査幹部と被害者の隠れたつながり。エリート管理官と現場刑事の軋轢が高まる中、またしても新婚夫婦が手斧で殺される…。疑心暗鬼の迷宮の果て、ついに真犯人が姿を現した!苛酷な結末が圧巻の警察小説!
商社の秘書から一転、砂漠の国の第2王子ラシードと結ばれた雪絵。妻を愛しすぎる夫と日本に帰った彼女は金髪碧眼のフランス人CEOクロードに出会う。「美しい…雪絵、君はまるで女神だ」嫉妬に狂い、ますます雪絵を求めるラシード。それでもなお雪絵を誘惑するグロードの目的は、アラブの国の水利権?それとも雪絵のカラダ…!?俺様王子と眼鏡OLの大ヒットラブストーリー!
これは俺が選んだ道だーー。下級武士として生れながら、藩政改革の志を立て、一歩一歩困難を乗り越えてゆく男の矜持ある人生。脚注で読む、新しい周五郎。
オックスフォード大学史学部の大学院生は、時間遡行技術を使って研究する時代に赴き、各々観察実習を行っていた。第二次大戦の大空襲下のセント・ポール大聖堂で、火災監視をすることになったぼくは…史学部シリーズ開幕篇の表題作を、新訳で収録。短篇集初収録作「ナイルに死す」、終末SFの傑作「最後のウィネベーゴ」ほか、ウィリスのシリアス系短篇から、ヒューゴー賞/ネビュラ賞受賞作のみ全5篇を収録した傑作選。