2015年12月発売
隠れ家という名のフレンチ・レストラン『cachette』。ある日、オーナーに呼ばれた滝沢葉月は、自分が高名な料理コンクールの一次予選に通過したことを知らされる!?もちろん、葉月は応募していない。実は、葉月が入店する前に、料理長とソーシエが創った料理を、葉月の名前でコンクールに応募していた!戸惑う葉月…。実は、葉月の祖父は、戦後はじめて世界的なフランス料理のコンクールで優勝した滝沢征爾だった。オーナーは「女性のシェフが活躍する世界をつくりたい!」という熱い思いを語るが…。その日から、滝沢葉月の格闘が始まった!最高に「美味しい」料理小説の誕生!
新進気鋭のウエディングプランナーであるエイヴリーは、パーティーで出逢った大富豪トラヴィス家の三男ジョーと意気投合し、一夜を過ごす。その日からジョーの熱心なアプローチを受けるも、彼の誘いを断りつづけるエイヴリー。実は、数年前に哀しい終わりを遂げた恋が、今もなお彼女の心に傷を残していたのだ。そのつらい経験を糧に、エイヴリーは人の幸せを裏で支える仕事に邁進してきたものの、自身の幸せな未来を想い描くことはできなくなっていた。そんな彼女の癒されない心を知ったジョーが、そっとそばに寄り添ううちに、ふたりの歩幅はゆっくりと合っていく。ところがその頃、エイヴリーに人生を一変させる大きな仕事のチャンスが舞い込み…。運命の恋に心ときめく、大人気“トラヴィス家”シリーズ待望の最新作!
英国王妃のコレクションから、貴重な「嗅ぎ煙草入れ」が盗まれた。公爵令嬢ジョージーは消えた財宝の行方を追って、南仏ニースへと向かう豪華寝台列車ブルートレインに乗りこんだ。そこで出会ったのは、あのココ・シャネル!シャネルたっての要望で、ジョージーは王妃の首飾りを身につけてランウェイを歩くことに。ところが、ショーの最中に首飾りが忽然と消えてしまったから、さあ大変。王妃の宝を取り戻しに来たはずが、さらに消失するというまさかの大失態に、ジョージーは真っ青。そんな彼女を優しく慰めてくれたのは、なんとハンサムで大富豪のフランス貴族だった。とうとうジョージーに運命の人が現わる!?世界の王侯たちが集う、南仏の高級リゾート地が舞台のシリーズ第5弾!
最愛の妻はすでに亡く、たったひとりの娘も独立し海外で暮らしている。大学教授・葉山英介は平穏な人生の冬を送っていた。しかし、過去がそれを許さなかったー葉山の手がけた最後の仕事が因縁となり、彼はかつての世界へ舞い戻ることになる。愛する者と、男の誇りを守るため、葉山はふたたび銃を手にする。
20歳の夏休み。新しい自分になれるかもと海外旅行を計画したが、直前になって旅行会社に騙されて出発できなかった僕。仕方なく地元で中学時代の同級生と過ごすが…。覚えのないいじめを赦してくれと言われたり、訳ありだった女の子と再会したり、次から次に起こる事件。しまいには「ひとを殺しちゃったみたいだ」と携帯電話が鳴る始末。いったい僕の夏休みはどうなるんだ!?恋も友情も笑いも涙も入り乱れ。何が何だかわからないが“何か”だけは確かにあったあの頃を、まるごと描いた青春小説。
デザイン事務所で働くわたしは上京して数年、流されるまま生きてきた。そんな単調な日々のなかで、ある年下デザイナーの存在がふと気になりだす。-不器用な生き方の二人が恋を始めるのに必要なのは、今この瞬間に交わすキスだった。(表題作)友達、恋人、家族…様々なシチュエーションのキス。そこにある温かくて切ないつながりを、繊細な筆致ですくいとった五編。
殺したはずの女が蘇り、のっぺらぼうが林に立つ。包帯男に語り聞かせる怪談に興味をもった劇団員の明爽子は、刑事の浜中と探偵の海老原を巻き込んで、捜査に乗り出した。舞台となった廃鉱山では、連続殺人が起きていたと判明。解き明かされる真実から、火に祟られた一族の宿命が浮かび上がるー。精緻に組み立てられた謎と、驚愕の結末に感嘆必至の長編ミステリー。
冬の気配が色濃くなってきた11月の京都。真城葵は、今日も“いけず”な京男子、家頭清貴とともに寺町三条商店街の骨董品店『蔵』で働いていた。ある日、人気歌舞伎役者・市片喜助が『蔵』を訪れる。南座での『顔見世』が迫る中、“襲名を辞退しろ”という脅迫状が届いたという。翌日、舞台の上で喜助は大怪我をする。その裏には“道ならぬ恋”が…。大ヒットキャラミス第3弾!
太宰府天満宮の参道の一角に軒を連ねる『太宰府オルゴール堂』。アルバイトに応募した東京出身の女子大生、坂下茉奈は“1年間で博多弁をマスターすること”を条件に採用される。イケメンだけどちょっとSな店主・伊東秀に翻弄される茉奈だが、時折見せる鋭い一面にドキドキ。そんなある日、二人はおみくじ泥棒の少年に出くわす。秀は切れ味鋭く謎に迫るがー2015年度エブリスタ・ミステリー大賞入賞の傑作キャラクターミステリー!
販売成績トップの営業マンである笹木祐一は、独身ながら社内に肉体関係を結ぶ人妻もいて、充実した日々を送っていた。そんななか、高校のテニス部の同窓会に出席した祐一は、初体験の相手である先輩をはじめ、魅惑的な人妻となった同級生や後輩の女たちと再会し、次々と体を重ねる。しかし祐一の心の片隅には、常に憧れの女性の存在があった。長編癒し系エロス。
枕の企画開発を手掛ける河内清志は29歳にして彼女なし。憂さ晴らしに飲み歩いていたとき、歓楽街で「膝枕屋しほり」なる妖しげな店を発見。こわごわ入ってみたところ、店長の志保里から目も眩むような快楽と癒しを与えられる。志保里の熟れた女体をなんとか枕に再現できないかと悩む清志に、美人上司や新人OLらが体を張って“淫らなヒント”を授ける。日刊ゲンダイで大反響を呼んだ膝枕エロス、堂々の文庫化!
とびきり強くて滅法色っぽい奥山右京之介が帰ってきた!ある夜、土手で大立ち回りをする黒づくめの美貌の女を捕えた右京之介は、訳ありと見て吉原の遊郭に閉じ込める。実はこの女、婚礼を間近に控え、屋敷から逃げ出してきた竜子姫。武芸が達者で気位の高い姫は精一杯の抵抗を試みるも、右京之介はどこ吹く風。豊富な金子と意外な人脈を駆使し、姫の背後に蠢く幕閣の闇を暴いていく。芥川賞作家、渾身の書き下ろし。
香木屋芳楽堂の一人娘おりんは、旗本出身の香師である父仙三郎の情愛を一身に受け美しく育つ。線香ほの香が大当たりし、江戸香の名店と謳われていた芳楽堂だったが、大晦日の夜に賊に入られ、代々伝わる秘蔵の伽羅「白浪菩薩」ばかりか仙三郎の命まで奪われてしまう。手の平を返すように冷たくなる世間に打ちひしがれるおりん。だが、持ち前の負けん気と卓抜した嗅覚を頼みに店の再興、そして父の仇討ちに立ち上がる。期待の新シリーズ、始動!
私のルミッキ。きみの手は血でそまっているー。高校で「白雪姫」の現代版アレンジ劇「黒いリンゴ」の主役を演じることになったルミッキに、不気味な手紙が届き始める。差出人はルミッキの日常を異常に詳しく知っており、自分の要求に応えなければ、劇の初日を血の海に変えると言う。次々に届く手紙、エスカレートする要求。開演の夜が近づく中、ストーカーとの距離が縮まっていく。前作で判明した姉の存在、ルミッキの過去の秘密とは?クールでストイックな白雪姫の3部作、ここに完結!
「日本一の兵」と今に伝わる真田幸村だが、その前半生は謎の部分が多い。大坂の陣での超人的な活躍から「鬼のようなる」との風評も立つが、真の姿は、物静かで心優しく、腹を立てることの少ない優男だったようだ。それゆえ、女性からも愛されたのだろう、分かっているだけでも4人の妻と10人の子を持った。本書は、臆病で引っ込み思案な幸村少年が、激動の時代の流れの中で、多くの女性との出会いと別れを繰り返しながら、戦国武将として成長していく物語である。史実を踏まえつつ、想像力を駆使した展開によって、稀代の名将の人間的な実像が浮かび上がる。
なぜ、実弟・信行を殺さねばならなかったのか。なぜ、松平元康(後の徳川家康)と同盟を結んだのか。なぜ、藤吉郎を重用したのか。なぜ、本願寺との戦いを続けたのか。なぜ、林秀貞を追放したのか。なぜ、松永弾正の裏切りを許したのか。そしてなぜ、明智光秀が裏切ったのか。-全ては「私記」=日記にある。