2015年5月発売
新聞で「田園便り」を担当する独身男ウィリアムは、手違いから、突如外国特派員に任命される。派遣されたのは、政変が噂されるアフリカの独裁国家。怪しいスパイや政商が暗躍し、ライバル記者たちが報道合戦を繰り広げるなか、ウィリアムは人生初の恋に落ち、思いがけずスクープをものにするのだが…。ウォーが「ジャーナリズムに対する軽い諷刺」と述べている本書は、一九三八年に発表され、今なお「現代の古典」として不動の地位を占めている。二〇〇三年、『ガーディアン』紙上で「古今の名作小説一〇〇」に選出され、二〇一四年、『テレグラフ』紙上においても「絶対必読の小説一〇〇」に選出されている。
俺は妻を医療過誤で失い、すべてを捨てて新宿でホームレスとなっていた。ある日、ホームレスたちに寝食と健康診断を施すボランティアの口から、忘れることのない「妻を殺した」男の名を聞いた。男がいた製薬会社とボランティアに何のつながりがあるのか。俺はボランティア集団の真の目的を探るため、そしてあの男に復讐するため、決死の潜入を試みたのだが…。新鋭が描くサスペンスミステリー。
出生直後に捨てられた魔法の国の王子は、海賊王になっていた!彼を立派な魔法使いにするため、海賊船に派遣された私。優等生魔法少女VS野獣な海賊王!対決の結末は…恋!?乙女系ロマンスの第一人者が贈る最高の恋愛エンタメ!
コンプレックスとトラウマを抱え、恋愛を諦めていた遺伝子研究者の柴山と部下の松永。しかし柴山が恋に落ちたと知りショックを受けた松永は、ある仮説にとり憑かれ、失踪する。「愛は存在しない。恋人はDNAが決定している」。だが、単独で研究を進める彼の前に一人の女子学生が現れ…現役生物学者が描く、マッドでスウィートな理系ラブエンタメ。
チャリティイベントの席上、主催の女性が毒入りワインを飲んで死んだ。犯人の標的は被害者当人か、それとも会場を提供したジョシーか。彼女が前の店を辞める原因となった事件で服役していた元上司の出所との関連は?恋人の警察署長タイが不在のため、ジョシーは単身事件に立ち向かう。満座の中で、いかに犯行はなされたのか。女性鑑定士が主人公のアンティーク×謎解きシリーズ。
ニューヨークで無気力な留学生活を送る恭平と篤郎のもとを、意外な人物が訪ねてきた。メッツの日本人ピッチャー、進藤だ。チーム内の窃盗事件解決のために、クラブハウスボーイとして潜入しろという。選手たちの世話に追われる二人だが、プロの世界を垣間見、メジャーリーガーの思いに触れるうちにー。文庫版書き下ろしを一編加えた青春ミステリ。
東京の郊外で、警備会社からの現金6億円強奪に成功した翔太だったが、逃走途中に仲間が何者かによって射殺され、現金を奪われてしまう。一夜明け、からくも逃げ切った翔太が目にしたニュースは、仲間の射殺事件だけで、現金強奪事件は報道されないまま。元記者の級友の力を借り、真相を究明しようとする翔太たちの前に、FBI帰りの謎の男が現れる。そんな中、新たな刺殺体が発見され…。翔太が手を出した「6億円」に隠された真実とは。闇社会で蠢く絶対悪の正体とはー。欲望と狂気が交錯する街で繰り広げられる超弩級のサスペンス長篇。
旗本家次男の角次郎は縁あって米屋の大黒屋に入り婿した。関宿藩での藩米横流し事件解決を助太刀した功により、大黒屋は関宿藩御用達となった。だが、商いが軌道に乗り始めた矢先に舅・善兵衛が人殺しの容疑で捕まる。角次郎は善兵衛の無実を信じ独自に事件を調べるが…。妻と少しずつ心を重ね、家族一丸となって米屋を繁盛させていく物語。富士見新時代小説文庫で好評を博した「入り婿侍商い帖」シリーズ続編第1弾。
交通事故で幼い息子を失って以来、亀裂のできた夫婦の縁を描いた「桜ひらひら」。妻が娘を残して家出。イクメンとして有名な夫だったが、実際は何もできず…「仮面パパ」。一見バラバラな8つの物語は、幼い息子を虐待して殺してしまった母親のニュースに触れる8組の人々を巡っていくー。それは“ひとごと”と言い切れるのか。それぞれの人生の一片を、温かくも鋭い眼差しで切り取り、家族の絆を描く感動の号泣小説。
高校生の木崎奏が近ごろ親しくなった年上の友人・御劔耕助は、物語を考え、絵を描き、自分で上演する紙芝居屋だ。ただし観客のニーズに応じないバッドエンド仕様が祟って、まったく商売にはなっていない。ところが不思議なことに彼の紡ぐ物語はそれを必要としている人にとって、ときどき大きな“救い”になることがあるらしい…それが生者か死者かは関係なく。紙芝居が切ない過去をひもとく、心ほっこりミステリ、第2弾登場!
江戸城の台所人、鮎川惣介は、将軍家斉に気に入られ、御家人でありながら御小座敷に召される身。周囲の妬み、僻みは毎度のことながら、此度も将軍から有り難迷惑な頼み事が舞い込んだ。家斉が日本に留めていた異国の男に、料理を教えてほしいというのだ。末沢主水と名付けられた、赤鬼のような容姿の男の扱いに悪戦苦闘する惣介。そんな折、惣介は、江戸城内で囁かれる不穏な噂を耳にするがー。珠玉の書き下ろし時代小説。
江戸の猫鳴小路にて、骨董商“おそろし屋”を営む謎めいた女主人のお縁と、用心棒でお庭番の月岡。お縁には、大奥にいた過去があった。同じ骨董好きの将軍・徳川家茂の寵愛を受けてたのだが、その旺盛な好奇心と真贋を見極める才がゆえ江戸城の秘密を知ってしまい、逃げ出してきたのだー。ついに、江戸の存亡にすら関わる“おそろし屋”の曰くが、ある首壺とともに語られる。深遠なる骨董奇譚、感動の完結巻!
二次団体とフロント企業を、警視庁「足抜けコール」の小柄な女につぶされた関東貴船組。その女が麦秋だと知った組長の勲は、人知れず物思いにふける。一方翔は、暴力団に恨みを持つ麦秋が特に関東貴船組にこだわっていることに気づき、麦秋の力を借り、藤田を関東貴船組から足抜けさせようとする。麦秋は、勲の忠告も聞かずに覚醒剤の売買に手を染めようとしていた藤田に、ある方法で近づいていくが…。ノベライズ第2弾!
沖縄県八重山諸島は古くから自らを象徴する星々を愛でてきた。星々には島ごとの神が宿り、親島である石垣島には、そんな島の神々が近況を伝え合う御嶽があった。八重山諸島の言い伝えによれば島と島は家族のようにつながり支え合っているという。神々が群星御嶽に集うとき、再会した親子の会話は宴となり、新たな物語となってともに輝きを増していくー。唄の島と言われる、鳩間島を舞台にした文庫版書き下ろし短編も収録!!
戸山大学に入学した坂月蝶子は痩身の文学青年・神酒島先輩から声をかけられ、“スイ研”-酔理研究会に入ることに。そこで目にしたのは、数々の酒と恋と、日常の謎。新歓コンパや野球交流戦、月愛でる学園祭に雪の冬合宿と、移ろう四季の中で出合った謎を神酒島はするすると解いていく。酒に酔えない体質の蝶子だが、神酒島が読み解く謎の理は不思議な酔いの余韻を残していき…。切なくてじれったい、青春恋愛ミステリ!