2015年8月発売
馬術師範として、近藤を救けた安富才助。粗暴なる英雄芹沢鴨。陸援隊に潜入した密偵村山謙吉。剣ではなく人を自在に操った土方歳三。生真面目な能吏尾形俊太郎。そして若き天才剣士沖田総司。激しい価値変転の時代、内部抗争の嵐を抱えながら、若き隊士たちは、青春の炎をいかに燃やし尽くしたのか。時に爽やかに、時に怜悧に、そして時に凄惨に描きあげた傑作!
愛媛に署長として赴任してきた若き警察キャリア。やる気ナシ。警察官としての使命感ナシ。ところがなぜか、難事件をたちどころに解決!?『長い腕』の川崎草志、まさかの新境地。ユーモア警察小説の傑作!
夫の浮気相手にたいして起こした妻による損害賠償請求。相手は出廷せず、妻が巨額の慰謝料を得ることになった。ところがこの妻が何者かに殺され、様相はがらりと一変する…。本格推理と弁護士業界物語が融合した傑作エンターテインメント!「なぜ彼女はそこで殺されなければならなかったのか」
さまざまな家族や友情のかたちを描いた「名古屋16話」に加え、東海・中部の都市を舞台にした8つの物語「8の旅」、著者による地図コラムや名古屋在住のカメラマン三浦知也氏による写真も収録!名古屋在住の作家が、名古屋市の16の区を舞台に悲喜こもごもの物語を紡ぐ珠玉のショートストーリー集。
冬の寒空の下、北ドイツの農場主レスマンは、薄い服を身にまとって逃げてきた若い女を匿い、追っ手の男たちを銃で追い払う。一方、チェルノブイリ原発の立入禁止区域“ゾーン”で暮らす女性ヴァレンティナは、行方不明の娘カテリーナのために自らの思い出をノートに綴りはじめる。そして、ウクライナ警察の警部レオニードは、姿を消した若い女たちを追ってはるばるドイツに旅立つ。1930年代の大祖国戦争から、社会主義大革命、第二次大戦中の忌まわしい出来事、チェルノブイリの輝かしい日々…。戦争と原発の暗い記憶を抱えて生きる人々を描く文芸ミステリ。
人気ミステリー作家、成宮彰一郎の妻が行方不明になった。事件性が高いと見た三鷹署の新米刑事ノボルは、先輩刑事の佐藤とともに捜査を開始。次々に容疑者候補が浮かぶ一方、警視庁本部の組対四課や捜査一課も事件に関与してくる。「どうせなら死んじゃっててくんないかなぁ…」不愉快な言動を繰り返す夫、成宮の真意とはー。完全犯罪を「完全」に描き切る、前代未聞の傑作ミステリー!
鯨井留可がアリバイ工作のために声をかけた白髪の美女は最悪にも、眠るたびに記憶を失ってしまう忘却探偵・掟上今日子だった…。完璧なアリバイ、衆人環視の密室、死者からの暗号。不可解な三つの殺人事件に、今日子さんが挑戦する!
200年前に書かれた『フランケンシュタイン』が提示する問題系の現代的な意義=「つぎはぎ」「知性や労働の複製」「母性をめぐる解釈」などをめぐり、日本の戦後SFへの継承をたどる!鉄腕アトム、鉄人28号、人造人間キカイダーなどの国産の漫画、アニメを「怪物からロボットやサイボーグへ」というテーマでつなぎ、日本SFの代表的作家、小松左京、光瀬龍、荒巻義雄、田中光二、山田正紀などへの継承と変遷をたどり、伊藤計劃と円城塔の合作『屍者の帝国』と通底する精神史とは…。
絵本、童話、児童文学の作家が、本に込めた思いから創作秘話まで語りつくしました!JBBY日本国際児童図書評議会、創立40周年記念出版。
マンハッタンで生まれ育ったシエラは、幼いころに兄を亡くし、母親との確執に苦しんでいる孤独な少女。憎しみと罪悪感の蜥蜴を胸に棲まわせている彼女は、不思議な老婆にトルコ石を授けられる。老婆は石に想いを込めることによって力を得る世界、ヴェレスの住人だった。これは、一人の少女が世界を知る物語ー。
多岐川瑠璃子は、実家住まいの歯科衛生士、33歳。家と職場の往復だけの、単調な日々を過ごしている。妹が離婚し、子供を連れて実家に戻ってきたことをきっかけに、漠然と今後のことを考えるようになった。今度結婚する職場の同僚は、インターネットのサイトで相手を見つけたという。瑠璃子は、ほのかな期待からサイトにアクセスすると、程なくして、相手の男から返信が来る。何度かのやりとりの後、会うことになるのだが…。運命の輪は、なぜ二人を結びつけたのか。男は何ものなのか。運命は急転し、二人は愛の渦に巻き込まれていく。
家族、夫婦、子育て、はては「恋」まで診立てます。天野三哲は江戸・神田三河町で開業している小児医。「面倒臭ぇ」が口癖で、朝寝坊する、患者を選り好みする、面倒になると患者を置いて逃げ出しちまう、近所でも有名な藪医者だ。ところが、ひょんなことから患者が押し寄せてくる。三哲の娘・おゆん、弟子の次郎助、凄腕産婆のお亀婆さん、男前の薬種商・佐吉など、周囲の面々を巻き込んで、ふらここ堂はスッタモンダの大騒ぎにー。