2015年9月16日発売
1864年9月、陥落寸前のアトランタ。スカーレットはレットの助けを得てタラへ逃げる。だが命からがら辿りついた故郷も、安息の地ではなくなっていた。母亡き後、残された人びとを率いて愛する農園を守りぬくことをスカーレットは神に誓うー「前進あるのみ」。
勤務中の吉永のもとに警察がやってきた。元妻が引き取った息子の翼が死体遺棄容疑で逮捕されたという。しかし翼は弁護士に何も話さない。吉永は少年法十条に保護者自らが弁護士に代わって話を聞ける『付添人制度』があることを知る。生活が混乱を極めるなか真相を探る吉永に、刻一刻と少年審判の日が迫る。
検索エンジン・サービスとビッグデータを軸に急激な成長を遂げ、世界中に雇用者を抱える巨大企業『オッド・アイ』。創業者のブルーノ・マーニーの下には、あらゆる分野の情報がもたらされ、それが新たなビジネスと巨額のマネーに繋がっていく。ブルーノの養女アリシアの「元」婚約者・木挽橋隆一は、閑職に追いやられていたが、ある調査を命じられる。“人工血液”、“気象兵器”といった「神の領域」に到達するための「最先端技術」を巡って交錯する、巨大企業、国防総省、インターポールの思惑。国際企業を舞台にした著者にしか書けないインテリジェンス小説最前線!
電話一本、メール一本入れていたら…。もうひと言、声を掛けていたら…。多忙な日々に流されてしまって…。大切な人を亡くした二人の男、大志を閉ざした男、後悔を秘めた三人の男たちがいま、出逢う。
鳴瀬佳音は航空自衛隊の音楽隊で日夜アルトサックスの練習に励む自衛官。陸海空自衛隊合同コンサートに出演するため浜松へやって来た佳音たちは、リハーサルへ向かう。ところが、バスが駐車場から消えてしまい!?そのバスには佳音たちの大事な物が隠されていた…。そして、佳音と腐れ縁の渡会三曹との恋についに進展が!?なぜかいつもトラブルを呼んでしまう佳音が仲間たちと小さな謎を解き明かす、読むと元気が湧いてくる爽やか青春ミステリ。
凄惨な黒龍荘事件から一年、役所勤めの杉山は上海出張を命じられる。一方「月輪萬相談所」で探偵業を営む月輪とその助手・氷川蘭子は結婚し、偶然にも杉山と同じ豪華客船「海妖丸」で新婚旅行に向かうという。出港当日、横浜港の待合室では、伯爵夫人、貿易商、富豪など多士済々な乗客たちが揃う中、「上海行ハ汝ラノ死出ノ旅路トナラン」との不吉な予告状が届く。不穏な空気を纏いながら海妖丸は出港するが、その夜、仮面舞踏会の直後に殺人事件が起こる!船内には宝石泥棒も紛れ込み、更なる事件がー!!名探偵月輪シリーズ、待望の第3弾!
突然失踪した父。行方を追う娘は、父が25年前の殺人事件の法廷で、被告に有利な証言をしていた事実を知る。真相を求めて父の過去をたどる娘は、「無戸籍」という不条理な境遇に生まれた彼の、あまりにも過酷で無慈悲な人生に向き合う。『代理処罰』で第17回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞した著者渾身の書下ろし長編ミステリー!
吉原の妓楼から依頼を受け、客から借金を取立てる始末屋「だるま屋」。そこで働く直次郎は、理由のわからぬ苛立ちを抱え、今日もまた容赦のない取立てを繰り返す。「だるま屋」のひとり娘・お蝶は直次郎をたしなめつつも、ほのかな恋心を寄せていた。そんなある日、吉原屈指の大見世「丁字屋」の花魁・真鶴から名指しで依頼を受けた直次郎。真鶴は妹分・花菊の首を絞めて逃げた男を探し出し、百両を取立ててほしいと言う。直次郎の胸に、吉原で命を落とした妹・しのの最期が浮かびあがるー。
1549年、宣教師フランシスコ・ザビエルは海路日本を目指すその途上、海中から出現した忌まわしいものに遭遇した。日本に辿りついた彼が布教しはじめたその教えは、それまで彼が信じていた神とは違う神への信仰であった。それから88年の時を経て徳川家光の治世。島原・天草の農民たちは苦しい年貢に追いつめられていた。キリスト教への改宗とその弾圧が繰り返され、ついに大穴山に眠る巨大神が長い眠りから目覚める。暗躍する豊臣の残党。天下の騒乱を目論む天狗たち。そして神の子天草四郎は恐るべき力を開放しようとする。巨大な魔神像と異形の邪神との決戦の舞台は原城へ…。戦慄の時代伝奇クトゥルー作品。
ジョスバニは小心者でどもり気味、目立たないタイプの19歳。ヒロイズムに憧れる、ぼさぼさ長髪のヘヴィメタ好きだ。そんな彼の部屋に貼ってある“青いハーレーのポスター”と“白いユニコーンのタペストリー”は、もう何年も互いに見つめ合い、ため息をつき、いつか一緒になれることを夢見ていた。そしてある日、いましかないわ!と思ったハーレーは、ポスターからタペストリーへと飛び込んだ…相容れない世界に生きながら魅かれ合うふたりの姿をファンタジックに描く「バイクとユニコーン」をはじめ、90年代キューバの“特別な時代”を社会背景に、そこに暮らす人々の現実と希望を風味豊かに綴った「トラ猫」「生ける海」「キメラなど存在しない」ほか、近未来ディストピア小説「時のない都市」を収録。