2015年9月25日発売
どす黒い野望の陰に見えてきた“徳川将軍家乗っ取り”計画。「時間・カネ・人が足りない」をはるかに超える難問が湯長谷の男たちに突きつけられた。東北の貧乏藩が再び絶体絶命の危機に…。生きていたのか!?雲隠段蔵!
どうやら自分たち夫婦には子どもが出来そうにない(『虫歯とピアニスト』)。同期との昇進レースに敗れ、53歳にして気分は隠居である(『正雄の秋』)。16歳になったのを機に、初めて実の父親に会いにいく(『アンナの十二月』)。母が急逝。憔悴した父のため実家暮らしを再開するが(『手紙に乗せて』)。産休中なのに、隣の謎めいた夫婦が気になって仕方がない(『妊婦と隣人』)。妻が今度は市議会議員選挙に立候補すると言い出して(『妻と選挙』)。どこにでもいる普通の家族の、ささやかで愛おしい物語6編。
聴覚を失ったことをきっかけに引退した時代劇の大スター、片桐大三郎。古希を過ぎても聴力以外は元気極まりない大三郎は、その知名度を利用して、探偵趣味に邁進する。あとに続くのは彼の「耳」を務める野々瀬乃枝。今日も文句を言いつつ、スターじいさんのあとを追う!
ジーン・ブロディ先生は誇り高く、ロマンティックで生徒たちの憧れの的。授業は型破りで、校長とは反りが合わない。先生のお気に入り「ブロディ隊」も学院中から特別な目で見られた。ブロディ先生は二人の男性教師と親しく、多感な年頃のブロディ隊は、先生の恋と性に興味津々、想像を逞しくする。ブロディ隊であることは誇りであり、みな先生を崇拝していた。だが、先生の指導は次第にエスカレートし…。20世紀最高の青春小説、待望の新訳決定版!
元独立戦争の闘士で専制君主のごとく一家に君臨するマイケル・モランは年老い、その身には死が迫りつつあった。妻ローズとの再婚をめぐるエピソード、モランの健康を気遣い、結婚後もモランの様子をうかがいに帰郷する三人の娘たち、モランと衝突したきり二度と家に戻ってこようとはしない長兄ルーク、成長とともに遊びを覚え、ついにはモランの束縛から逃れるため家出をするマイケル。アイルランドの田園地方を舞台に、家族それぞれの人生を流れゆく歳月のなかに描き出し、人生の意味を静かに深く問いかける、マクガハンの最高傑作。
突然、政略結婚を命じられ、絶望した伯爵令嬢のキアラ。そこでよみがえったのは、前世の記憶と、よく遊んでいたTVゲームのタイトル『ファルジア王国戦記』。さらには悪役キャラが“キアラ”という名で、しかも主人公に殺される運命だったこと。まさか…このままだとゲームのストーリーのとおりに!?嫌すぎる結婚と死ぬ運命から逃れるために、逃亡を企てたキアラが出会った少年二人と青年騎士。何と彼らはゲームのなかで「悪の女魔術師」を倒す主人公達だった!
三百石の旗本来嶋家には、徒目付組頭の長男・太一郎、部屋住みながらヤクザの用心棒の次男・黎二郎、学問所に通う三男・順三郎の三兄弟がいる。幼くして父を亡くしたため、母の言葉は絶対だったが、母から聞いていた父の死因とは違う話が漏れてきて…。そして突如、母が襲われる。いったい亡き父に何があったのか。三兄弟の闇との戦いが始まる。
誠はアパート住まいだが、周囲にできた建て売り住宅群の主婦たちの誘惑がハンパない。セックスレスの主婦、好色な専務夫人…彼女たちとの接触で“充実した”日々を送っていた。ある日、空いていた隣の住宅に女性が引っ越してきた。なんと、未亡人!!誠は一目で興味を持ち、隣家の様子を覗く日々が続くがー。人気女流作家による、待望の書下し長編官能!
将軍家の菩提所を守る上野の山同心への出向を命じられた南町奉行所の巻田禎次郎は、昨日は谷中の感応寺で富くじの富突きがあるので三人の配下と出向いた。翌早朝、不忍池の端で若い男が殺されているのに出くわした。正規の富くじの裏で横行する「陰富」の売人であるらしい。さらに大店の主が首を吊って…。