2016年11月18日発売
ロードス島の勝利により武名が地中海全域に知れ渡ったティランのもとに、スルタンとグラン・トゥルクの軍勢に脅かされているギリシャ帝国皇帝から救援の依頼がとどく。帝都に到着したティランは王女カルマジーナのあまりの美しさに一目惚れし…。
圭さんと碌さんの軽妙な会話を軸に、漱石の阿蘇山旅行に基づき書かれた『二百十日』。若き二人の文学士と文筆に生きる男が、流動する社会に向き合う姿を多面的に切り取った『野分』。先鋭な社会批評が鮮烈な二篇。改版。
日本犯罪史上、最高被害額の強奪事件発生!その計画、実行、逃亡、逮捕、判決までを克明に描く!実際あった事件に着想を得た、文庫オリジナル書き下ろしクライムノベル。ずさんな管理の警備会社に眠るカネを狙った奴らがいた。襲撃して手にしたカネは、ワルたちも予想もしない大金だったー。六億円、日本犯罪史上最高被害額を巡って、闇世界のワルたちが分け前にありつこうと群がる!
壮年夫婦のかみ合わない愛情。詐欺師に騙された女子大生。遺産の翡翠を巡る確執。お見合いをする谷本晶子の恋愛事情。宝石を通して見えてくる、数々の人間模様。そして、リチャードの過去が明らかに!
高校生の森百は、町の世話焼きである祖母からの頼みで、チェロを習うことに。先生になる国際的なチェリストの青年・玲央名が、厄介ごとを抱えているそうなのだが? 新感覚コメディ・ミステリー!
イラストレーターを目指し上京したが、夢破れ、両親にも内緒で地元へ帰ってきた夏実。生活のためタウン誌を発行する会社へ事務員として就職する。だがそこは個性的すぎる面々が集う、超ブラック企業で!?
大学生の遠流は、この世にはあり得ない世界を幻視してしまう特異体質。ある日、ユニコーンの群れの幻覚を見たことから、不思議な組織でアルバイトすることになって!? 自分の「居場所」を探す幻想物語!
幕末、木曽山中の小さな宿場町。年頃になれば女は嫁すもの、とされていた時代、父の背を追い、櫛挽職人をひたむきに目指す女性を描く。中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、親鸞賞受賞作。(解説/佐久間文子)
自らの性に疑問を抱く里帆、女であることに固執する椿、生身の男性と接しても実感を持てない千佳子。三人の交差する性はどこへ向かうのか。第155回芥川賞受賞者による渾身の長編小説。(解説/市川真人)
タイムマシンで行くなら、あの日しかない! 美歩は過去の自分に会うため、謎の機械に乗り……(「過去ミライ」)ほか、ほんの少しパラレルな近未来でのときめきや友情を描くSF短篇集。(解説/大森 望)
小間物屋の幸三は、客に二十両騙し取られた。幼馴染みの文太郎に借金を頼みにいったが断られる。その帰り、拾った茶碗を質入れするが……。質屋主人の人情名裁き! 書き下ろし。(解説/小梛治宣)
魔法と科学が混在する異世界で女囚人部隊が織りなす物語。古い城塞を改装し、重罪人や累犯者を中心に、三〇〇人ほどが収監されているカペリ王国最大の刑務所。そこに収監されている、女囚人達。彼女たちは様々な理由により投獄されていたが、ある日、カペリ王国陸軍司令本部に呼び出される。その地に集められた女囚人達は軍人として特殊任務につくことになった。首には不思議な遺宝の首輪が装着されていた。
“平凡な男子高校生今浪勇人は、クラスメイトとともに異世界の城へ『精霊の使い』として召喚される。 クラスメイト達が恵まれたステータスで沸き立つ中、勇人のステータスは投票によって『オール1』になってしまった。 国に起こる災厄に悩む国王や貴族たちに請われて、クラスメート達が城に留まる中、 勇人は1人、強くなって自分も災厄と戦う為に城を出るーー。 『オール1』から這い上がって、強くなる! 異世界転移ファンタジーここに開幕!“
豊後、坪内藩の城下町にある青鳴道場。神妙活殺流の遣い手だった先代の死から早一年、道場は存亡の危機にあった。跡を継いだ長男の青鳴権平はまだ二十歳と若く、その昼行燈ぶりから、ついには門人が一人もいなくなってしまったのである。米櫃も底をついたある日、「鬼姫」と巷で呼ばれる妹の千草や、神童の誉れ高い弟の勘六に尻を叩かれた権平がようやく重い腰を上げる。「父の仇を捜すために道場破りをいたす」。酔って神社の石段で足を滑らせて亡くなったとされる先代の死には不審な点があり、直前には五つの流派の道場主たちと酒席を共にしていた。三人は、道場再興と父の汚名を雪ぐため、まずはその一つ、新当流の柿崎道場に乗りこむー。
過剰防衛による殺人の裁判で無罪となり、警察庁警備局公安課特別捜査室“サクラ”に復帰した田臥健吾を、新たな任務が待ち受けていた。東京発博多行きの“のぞみ167号”の車内でTNT爆弾が発見されたのだ。さらには、イスラム国の対日本専門のテロリスト“クラッシュマン”が入国したという情報がICPOのリヨン事務総局よりもたらされる。田臥は、“サクラ”の仲間たちと共に深く静かに捜査を開始するー。迫真のタイムレース・サスペンス
とある日ー。広告代理店に勤める根本に、ベストセラー小説『永久の大地』を映画するよう社命が下る。映画が大好きな根本は喜び勇んで映画製作に邁進するが、トラブル続出。果たして映画は無事に完成するのだろうか。
十五にして両親を失った結は、長屋で首を括ろうとしたところを元芸者の女髪結い・お夕に救われた。ほかに生きる道のない結は、自らの不器用さを恨みながら、お夕のもとで修業に励む。だが、贅沢を戒めるお上は、女髪結いの取り締まりを厳しくするばかり。はたして師弟は江戸の女の幸せを守りぬけるのか!?
ーとんとんからん、とんとんからん。 古都の玉繭神社にある機織り小屋で、今日も巫女・絹子は布を織る。田舎の辺鄙な村から出てきた絹子は、社務所に住みながら、大学で非常勤講師として日本文化や機織りを教えている。住処は大家が管理し、シロとクロという若者がいつも美味しい料理を作ってくれ、快適だ。だが、その寮の住人の数も、どんなモノが住まうのかも、絹子は知らないー。ある日、絹子は生徒から「神隠しに遭ったかも」と相談を受けて…。古都を舞台に糸が舞う、あやかし謎解き噺。