2016年7月発売
受験勉強に励んでいたアンヌは1966年6月のある日、新進気鋭の映画監督ジャン=リュック・ゴダールに手紙を送る。それが彼女の運命を変えてしまうとは、考えもせずにー。舞台は古き良きブルジョワ文化と若者の新しい文化がせめぎ合い、政治と芸術が混沌と共存していた時代。毛沢東思想の影響を受けていたゴダールは、アンヌを主役に『中国女』の撮影を始める。
マグマの海で火竜を退けた蜘蛛子を待ち受けていたのは、宿命の天敵・地竜アラバだった……! エルロー大迷宮の盟主に、蜘蛛子は覚えたての魔法で立ち向かうことになるが、全く歯が立たずーー!?
ー“魅惑の女王”は魔王である。その情報を辿って芸術都市を訪れたメレアたちは、奇妙な道化師の計らいにより街で一番人気の歌劇を鑑賞することになる。舞台の上に現れたのは、彼らが捜していた“魅惑の女王”ジュリアナだった。能力を無理やり悪用させられていると知り、メレアたちはジュリアナの救出を試みる。だが、すでに彼女は何者かに連れ去られていて…!?芸術の街を舞台にした救出劇が、いま幕を上げる!!
熱病の蔓延する町を救い、ギルムに帰還したレイとセトは、ランクAパーティ『雷神の斧』のロドスと共に依頼を請けることになった。レイにとっては簡単な討伐依頼だったが、その最中、彼は自分を狙う視線をどこからか感じ取る。町にベスティア帝国の刺客が潜入していると知ったレイは、セトの嗅覚を頼りに敵の根城を見つけ出すことに成功する。しかし、レイを庇ったセトが敵の転移魔方陣に吸い込まれ、行方不明になってしまい…!?
与えられた領地が抱える四つの課題のうち、モネ湖の解放に成功したクラフタ。領民の支持も得て順風満帆に思えた領地経営だったが、ドラゴンの急襲に遭い町を失ってしまう。『オーリー山を占拠するドラゴン』-四つの課題のうちの一つであるこの敵を倒せば、領地がパワーアップすること間違いなし!?打倒ストームドラゴン!カラクリ仕掛けの新しい町と強力な軍隊、そして秘密兵器を携え、敵を迎え撃つ!
台湾に暮らした日本女性の愛の日記。七十余年の時を経て甦る二人の女性の人生。思わず海を振り返り、つぶやくー海に戻りたい。わたしは死なない。わたしは生きつづける。母のように父のように。津島佑子渾身の純文学長篇小説、初文庫化。
長い時間が経っても、たどりつけない悲しみ。やがて物語は、深く静かに感動の海にすいこまれてゆく。わたしたちは、それぞれに示されている道を辿り「人類の至るべき所」に向かうーわたしたちの時間は、死によってしか閉じられない。感動の第一級文学作品、ついに文庫化。
農民の息子ケイレブは両親を亡くし、有力者の地主フォークランドの秘書となる。慈悲深い主人の下で恵まれた生活を送るケイレブだったが、好奇心の強い彼はやがて主人の不可解な性格に興味をいだき、ついにその恐ろしい秘密を突きとめてしまう。社会の不正義、追う者と追われる者の闘争を息苦しいまでの緊迫感で描いたゴシック小説にしてミステリの原点ともされる名作。
「あなたとはお付き合いできませんーわたし実は、魔法使いだから」告白を断るため、魔法使いだと嘘をついてしまった女子高生。しかし彼は、人間界と魔法界を超える愛を誓ってくれてしまい…?フリたい私とめげない彼。恋と嘘とが絡みあい、やがて大きな渦となる!ぐるぐる回る、伏線だらけの恋物語!
妖しい森で道に迷った騎士フルトブラントは、湖の岸辺に立つ一軒の漁師小屋にたどり着く。そこで出会ったのは、可憐にして妖艶、無邪気で気まぐれな美少女ウンディーネだった。恋に落ちた二人は結婚式をあげるが…。水の精と人間の哀しい恋を描いたドイツ・ロマン派の傑作。
八代将軍・吉宗の命を受け、竹姫を継室とする根回しのため京へ上った御広敷用人の水城聡四郎。その帰路、新たな吉宗の命で尾張名古屋に寄った聡四郎は、尾張徳川の「秘事」に触れる。御三家筆頭の運命を決める事実を握った聡四郎に、新たな刺客が放たれた。未曽有の危難を乗り越えるために聡四郎がとった秘策とはー。大人気を誇るシリーズ、待望の第十弾。
急増する野生動物による被害。狂った生態系のバランスを取り戻すため、中国からオオカミを移入し八ヶ岳に放つ計画が持ち上がった。野生鳥獣保全管理官の七倉航もプロジェクトに携わることになる。反対派との対立や中国奥地での過酷な現地調査、政治家の利己的な思惑…数々の困難を乗り越え、計画を実現できるのか!?自然と人間が織りなすダイナミズムに満ちた冒険小説!
医師やナースの間で「胃がんなら、この人」と信頼される、消化器系内視鏡手術のエキスパートがいる。その名は山崎ぶたぶた。大きな病院に呼ばれては手術をする名医だが、その“見た目”から、たまに執刀を断られることもあるという。その理由は、いったいー?病院を舞台に巻き起こる、悲喜こもごもの四つのドラマ。おまけのショートショートもついてます。
大島不動産販売に入社した若宮恵美子は、前社長の遺児で難病に苦しむ大島雅弘の世話係となるも、突然異動を命じられる。そこは現社長の高丸が、雅弘を追い落とそうと画策して新設した、クレーム対応専門部署だった。途方に暮れる恵美子の前に、探偵を名乗る男・犬頭光太郎が現れて……。次々押しつけられる難題を、破天荒に解決するユーモアミステリーの傑作!
髭面の破天荒なオヤジ・伸太郎、通称髭太郎がぼろアパートで没頭するのはヴルスト(ソーセージ)作りだった!半端な生き様を改めるため受験勉強に励む勇人は、下の階に住む髭太郎にペースを乱され、挙げ句の果てに彼の作業を手伝う羽目となる。ところが徐々にその奥深さに引き込まれて…。目的に向かって突き進む二人の熱気とヴルストの魅力が迸る痛快青春小説!