2016年8月5日発売
ゲーム『幻想学園』の世界の転生した俺、クルリ・ヘラン。未来の没落に備えて鍛冶職人を目指したはずが、なぜか故郷を国有数の観光地に変え、学園でも順調に友人を増やし…。そうして、やってきた初めての夏休み。「本来の主人公」アイリスや生真面目な親友ヴァインを誘い、俺は故郷のヘラン領に帰省していた。早速舞い込む領内のトラブルに皆で立ち向かう中、なんとアイリスがダンディなヘラン家の使用人に恋をしてしまいー!?俺の未来、一体どうなっちゃうのっ!!??
田舎町のおんぼろな自動販売機、そのそばには着物姿の女がいる。軽やかに歌う彼女は、人ならぬもの。そんな「自販機」にうっかり恋をしてしまった“ぼく”の片思いを描いた、笑って泣ける青春恋愛劇。
戦場に身を置き、恋愛など見向きもせず鍛錬一筋の人生を送ってきた侯爵令嬢ヘレナ(28)が、どういうわけか正妃候補に選ばれ後宮入り!? 女の欲望が渦巻く後宮で、年下皇帝の争奪戦に参加させられるのだが……。
ジャンルを越え、小説の面白さをとことんまで追求した画期的アンソロジー。 第15回配本となる第4巻「超常能力者」は、SFの一大テーマともいえる「エスパー」の活躍と葛藤、栄光と挫折を描いた、時代を超えて輝ける名作の数々全10編を収録。 ●編集委員/逢坂剛 大沢在昌 北方謙三 船戸与一 夢枕獏 [編集室から] 「SFの時代」は遠くなった。しかし、当時の興奮は忘れられるべきではない。とはいえ網羅するのは無理である。 ここに収録した作品群は、SFのテーマのひとつ「エスパー」とその変遷である。 異形であるから、逃げる。隠れる。闘う。 彼らそれぞれの人間たちとの対応を味わっていただきたい。 連作の一編を無理に収録した短編もあるが、それもこの際、いいことにさせていただきたい。傑作は、永遠なのだから。 [収録作] 【長編】 小松左京「エスパイ」 半村良「黄金伝説」 【短編】 平井和正「エスパーお蘭」 筒井康隆「水蜜桃」 宮部みゆき「燔祭」 恩田陸「大きな引き出し」 【掌編】 星新一「超能力」 北杜夫「月世界征服」 阿刀田高「触媒人間」 眉村卓「ピーや」 ◇解説/大森望 解題/夢枕獏
英国ミステリの女王が挑む霊脳スリラー! 流し込んだばかりのセメントに小さな5つの足跡を残し、息子が失踪してから4か月。母アナは毎日その足跡が消えないように磨きながら、息子の帰りを待ちわびている。日に日に思い詰め、やがて藁をもつかむ思いで霊能者にすがるようになるアナ。一方、もう一つの子どもの失踪事件を追っていた刑事マーヴェルは、万策尽きて霊能者に協力を頼むが成果は得られなかった。霊能者を疑う刑事と、霊能者にすがる母。それぞれの思いが交錯し、やがて意外な結末へと辿り着くーー。 デビュー作でいきなり英国推理作家協会(CWA)ゴールド・ダガー賞を受賞し、長編6作目にして本作ですでに3度目のノミネートを果たした英国ミステリの女王が挑んだ、オカルト・スリラー!
めくるめくクライマックスまで一気読み確実 大英博物館東洋美術部の責任者(ゲートキーパー)である矢島剛は、オックスフォード大学の同級生ジミーから「龍」の像の鑑定を依頼される。像は清朝時代につくられた壮大な庭園「円明園」から失われた十二支像でのひとつではないかと見られていた。矢島は像のある貴族の邸宅に赴き、データを収集して帰るが、直後に像は屋敷から忽然と消え去る。 残されたデータを携え、矢島はかつての教え子で美術品を見抜く特別な才能を持つ段燕霞をパリに訪ねる。かねてから段に好意を寄せていた矢島だったが、二人の身に姿無き脅迫者の影が忍び寄る。一方、中国では政権内部の権力闘争に端を発する巨大な陰謀が進行していた。龍の像の真贋を確かめるべく香港に渡った矢島と段だったが……。 <クライマックスを迎えたあとも、気を抜いてはいけない。最後の最後にもうひとつ、意外な仕掛けが用意されている> 巻末解説はジャーナリスト&作家の松原耕二さん。 【編集担当からのおすすめ情報】 中原清一郎氏は、かつて「外岡秀俊」の名前で、東京大学法学部在学中に「北帰行」で文藝賞を受賞しました。その後、作家活動を封印して、朝日新聞社に入社、ニューヨーク特派員、ヨーロッパ総局長、東京本社編集局長、香港駐在編集委員を経て、2011年に退社しました。 在職中の1986年に「未だ王化に染はず」(いまだおうかにしたがはず)という作品を覆面作家として発表してはいますが、本格的作家活動に入ったのは退職後。2014年に「カノン」を発表、2015年に著者初めてのエンターテインメント小説である本作品「ドラゴン・オプション」を刊行しました。 本作品には、世界を舞台に活躍した著者の、ジャーナリスト時代の知識や経験が豊富に詰め込まれており、ロンドン、パリ、香港などの都市の生き生きとした描写、登場人物たちのリアリティ溢れる会話、絵画を媒介としたマネーロンダリングの詳細な仕組みなど読みどころ満載、他に追随を許さない国際エスピオナージ小説となっています。 手にとっていただければ、あとは一気呵成にめくるめくクライマックスへと導いてくれること必至です。
累計百二十万部突破の大人気コミックス「せいせいするほど、愛してる」をノベライズ!化粧品会社ロワール広報部で働くバリバリのキャリア栗原未亜がたまたま出会ってしまった男・三好海里は、自分の勤める会社の副社長だった。そして彼に惹かれ、思いを寄せたときに知った、彼が結婚しているという事実。諦めなければいけない恋に未亜は、もがき苦しむ。純愛のままでいたい、だけど一歩踏み出したい。揺れ動く心をもてあました未亜は、とうとう海里に「愛人にしてください」と告白するが…。TBS系火曜夜十時より出演・武井咲、滝沢秀明でテレビドラマ化。
『きみに読む物語』の著者、最高傑作! 今日も妻の眠る病室を訪れ、手を握って語り続ける夫トラヴィス。11年前に運命の出会いをし結ばれた二人に待ち受けていたのは、あまりにも残酷な運命だった。これ以上ないほど過酷な選択を迫られたトラヴィスは、「ここ」に戻ってこない妻のためにどこまでできるのだろうかーー。 『きみに読む物語』の著者であり、累計1億部といま世界で最も読まれている恋愛小説家ニコラス・スパークス。彼が「自身の最高傑作」と謳う、全米500万人が泣いた奇跡の恋愛小説がいよいよ文庫化します。2016年8月13日公開の映画『きみがくれた物語』の原作! 【編集担当からのおすすめ情報】 映画『きみがくれた物語』の監督は、ゴールデン・グローブ賞受賞作『ロスト・イン・トランスレーション』(ソフィア・コッポラ監督)のプロデューサー、ロス・カッツ。ノースカロライナ州の美しい海辺の町を舞台に、ベンジャミン・ウォーカー(『リンカーン/秘密の書』)とテリーサ・パーマー(『ウォーム・ボディーズ』)というチャーミングな俳優がキラキラと輝くカップルを演じます。 原作と合わせてぜひお楽しみください!
戦国時代、山陰地方を治めていた尼子氏には、「楠木正成にも勝る」と謳われた武将がいた。その勇猛さと才智を頼山陽や勝海舟にも激賞された山中鹿之助幸盛は、天文十四年(一五四五年)、出雲国富田に生まれた。幼少期を山野で過ごした鹿之助は、三日月の前立てと鹿の双角を備えた兜を被り、一騎打ちに抜群の強さを発揮した。しかし尼子氏は幾多の戦いを繰り返した後、強敵毛利元就の軍門に下ってしまう。それでも鹿之助だけは、百回打ちのめされても千回挫折を味わっても、尼子家再興を諦めなかった。清張歴史文学の頂点を極めた伝説の名作、ついに文庫化!
町中で突然起こった辻斬り。殺された者たちに繋がりはなく、犯人捜しは難航する。北町奉行所の定町廻り同心・鏑木十左。正義感ゆえの融通の効かない性格が災いして、上司と同僚から疎まれていたが、老中の松平定信の目に留まり、隠密同心となり、その活躍を認められ、火附盗賊改方の同心になった変わり者。 江戸で起きる兇悪な事件に立ち向かう同心を主人公に描く痛快時代小説。
水野藤十郎勝成は三河刈谷城主惣兵衛忠重の嫡男。勇猛果敢に戦場を疾駆する若武者だ。一騎駆け、一番鑓が生き甲斐で、短気で荒々しい気性を心配する父とはしばしば対立するのだった。織田信長に伺候するために京に滞在していた藤十郎は、本能寺の変に際し、父と自らの命も瀬戸際に立たされた。援軍手配のために刈谷へ向かう藤十郎の命運やいかに!風雲急の戦国冒険譚がここに始まる。
表沙汰にできない依頼を違法すれすれの方法で解決する裏ビジネスのプロ集団シルバー・オクトパシー。メンバーのユリアが、昔の知り合いで入院中の広域暴力団元若頭を見舞う。男は死期が迫り、ユリアは遺言のように頼まれる。十六年の刑期を終え近く出所する二次団体の元組幹部に、五千万円余の現金と経を渡してほしい、と。これがとんでもない事件の発端だった! 書下し長篇ピカレスク。
深津小平太は、由緒正しい旗本の三男坊だが、父親との折り合いが悪く家を飛び出した。幼馴染みの版元に言いくるめられて、番付屋を始める。江戸で大流行りの番付表。浮き世の陰に隠された人情の機微を織り込んだ小平太の番付表は、相手に悟られないように業界に潜り込んで内情をつかんだものだった。今日も小平太は、辛口の江戸っ子を唸らせるため番付調べに余念がない。
熱海と湯河原でクラブを経営していた美人ママを絞殺し、六年の刑期を終えて出所した小早川が熱海に帰ってきた。小早川の出現により、平穏な温泉町に得体の知れない緊張が走る。そして二週間後、湯河原に住む公認会計士が、熱海のホテルで何者かに射殺された。そうした中、十津川警部が、一ヶ月前に東京の成城で起きた幼女誘拐事件の容疑者として小早川に接近するが、あらたな殺人が!?
辞令がなければ、函館に戻るつもりなどなかった。刑事田原稔は、函館西署着任の前日、殺人事件発生の報を受ける。被害者は、かつて愛情をかわした女、水野恵美だった。反故にされた約束。忘れたことはない。忘れられるはずがない。この事件に関わることは、二十年前に彼が故郷を捨てざるを得なかった、ある事情を追うのと同じこと。田原は黙々と捜査を続けていく。警察小説の傑作!
元讃岐藩士の平賀源内は、研究や発明をするため、家督を妹婿に譲り、江戸・神田で暮らしている。ある日、同じ長屋に住むお梅に頼まれ、閑古鳥がないている和菓子屋の建て直しを頼まれた。かつて夏に売れ行きの悪い鰻を売る相談を受けて、成功したのを知ってのことだ。しぶしぶ引き受けるが、己の知識と人脈で、意外な菓子を作り出す。万事が順調と思えた矢先、和菓子屋の主人が殺された。
「おまえのバットはEDじゃ〜」厳しい野次の中、二千本安打を目指すベテラン四番打者の覚悟(「塀際の魔術師」)。万年ビリ球団の経営を任される二世オーナーの決意(「永遠のジュニア」)。微妙な判定をめぐりコラムニストと対決する堅物アンパイアの信念(「人生退場劇場」)。人生笑って前に進んだもんが勝ち! 球界を舞台に、苦境に立たされた七人の胸のすく逆転劇を描く痛快連作短編集。