2016年発売
誰もが認める烏丸家の当主になるべく決意も新たに迎えた2回目の春。大学進学の準備を整えていた花穎に、忠実なる執事・衣更月から驚くべき相談がもたらされる。それは「通常業務から離れたい」というものだった。代理としてやってきたヴァズは、衣更月のバトラー養成学校の同期で穏やかな青年だった。ところがその夜、ヴァズが何者かに襲われる事件が発生し…!?半熟主従に新たな試練?新章突入の上流階級ミステリー!
妖怪嫌いなのになぜか「妖怪研究同好会」に所属中の皆人。変人美人のハル先輩に振り回されつつ初の文化祭の日を迎えるが、お祭り騒ぎの中、奇妙な事件が発生。生徒会長の倉吉から、実は文化祭の前に“犯行予告”めいたメールが届いており、その犯行を阻止してほしいと頼まれる。「水虎」「覚」など妖怪が絡んだ4つの事件を、皆人は解き明かすことができるのか。そしてその“犯人”の目的とは?切なさ残る、青春学園ミステリ第3弾!
高山竜司、二見馨という二人の男の人生を生きた記憶を持つ、予備校講師の柏田誠二は疑問を抱えていた。おれは何のためにこの世界にいるのか…。謎の病に伏した少女を介し受け取った暗号に導かれ、伊豆大島に渡った柏田は、『リング』という本に記された竜司の行動を追うことで、山村貞子の怨念の起源を知る。自らの使命を自覚する柏田だったが、時を越え転生した貞子の呪いに身体を蝕まれ…。新「リング」シリーズ第2章!
大阪府警を追われたかつてのマル暴担当刑事、堀内と伊達。競売専門の不動産会社で働く伊達に誘われ、東京で暇を持て余していた堀内は、大阪へと舞い戻る。再びコンビを組み、競売に出る巨大パチンコ店「ニューパルテノン」を調べるふたりは、利権をむさぼる悪党たちとシノギを削ることに。警察OB、ヤクザ、腐敗刑事を敵に回し、ふたりは大阪を駆け抜けるー。『破門』の直木賞作家による、警察ハードボイルドの最高峰。
関ヶ原の前哨戦、安濃津城の戦いにて、夫の身を案じ自ら敵中に入り槍をふるった女性がいた。富田信高の妻、苳姫の戦中での活躍を描いた表題作「いのち燃ゆ」。夫を殺した敵の正体についての手がかりを得るべく、吉原遊女として身を沈めた太夫・瀬川の決断を活描した「乱れ火」など、過酷な運命に翻弄されながらも、逞しく生きる女性を描いた時代小説短編集。文庫初収録となる3篇のほか、厳選した名作を所収。
華族に生まれ陸軍中将の妻となった顕子は、退屈な生活に惓んでいた。アメリカ大使館主催の舞踏会で、ある人物を捜す顕子の前に現れたのはー(「舞踏会の夜」)。ドイツの映画撮影所、仮面舞踏会、疾走する特急車内。帝国陸軍内に極秘裏に設立された異能のスパイ組織“D機関”が世界で繰り広げる諜報戦。ロンドンでの密室殺人を舞台にした特別書き下ろし「パンドラ」収録。スパイ・ミステリの金字塔「ジョーカー・ゲーム」シリーズ!
時は元禄。一戸前国包は京橋南の弓町で刀鍛冶を営み評判を呼んでいた。家宝の刀に魅せられて以来、武士の身分を捨て刀鍛冶に心血を注いできたが、ある時、本家を通じ老中格・柳沢吉保の配下から密命が下る。武蔵川越領で村人を斬殺した旗本の子弟を斬ってほしい、と。天稟の素質と言われた神陰流の達人である国包の下した決断はー。孤高にして矜恃を失わぬ男の熱き生き様が胸を打つ、書き下ろし時代小説!
名医を目指してはいるが、何をやっても続かない与之助は、枯田薄斎のもとに弟子入りして1年が過ぎた。患者に養生を勧めるだけで薬も出さず貧乏医を続ける薄斎に、与之助は溜息しか出ない。だが、薄斎はなぜか遠江の黒岩山藩からは御殿医として招聘され、藩主の病を治してしまった。直後、このことが発端で、2人は尾張と紀州の暗闘に巻き込まれ、忍びに狙われてしまう。果たして薄斎は本当にやぶ医か、それとも…?
何もかも理想通りで、身悶えするほどキュートな彼。あるとき彼が殺し屋なんじゃないかと不安になり…(「かわいい狙撃手」)。ある初冬の日、クラスメイトが見守る倉庫から、転校生が忽然と消えた。彼女は幽霊?(「つめたい転校生」)。寂しい少年時代に出会ったたったひとりの友達は、人を殺す妖怪?(「いとしいくねくね」)など、人と人でないものとの切ない恋をめぐる、驚きのトリックが冴えるミステリー短編集。
“日本のCIA”と呼ばれる公安調査庁を退職して、カフェを営む影山夏樹。彼はかつて中国や北朝鮮から“冷たい狂犬”と畏怖されていた。だが突如、以前の上司から依頼があった。中国高官と接触する内閣情報調査室の幹部のスパイ行為の証拠を押さえてほしいという。取引現場は韓国のカジノ。夏樹はコンビの青木麗奈とともに韓国へ飛び立つが、そこには中国の伝説の諜報員が待ち構えていた…。息詰まる情報戦の行方は?
ひとつ屋根の下で暮らす、大学院生の隆一郎と猫又のお双。しかし、隆一郎に思いを寄せる女性が現れると、お双は姿を消してしまった。お双を捜す隆一郎はやがて、ヤムと名乗る猫又に、一本足で立つ不思議な館へと招かれる。そこにはお双と、4匹の猫又がいた。お双の無事に安堵する隆一郎だったが、吹雪の山荘で過ごした翌朝、真っ白な雪原の真ん中で、倒れ伏したヤムが発見されー。猫又ライトミステリ、これにて完結!!
首都圏を中心に密造銃を使用した連続殺人事件が発生。犯人は警察を挑発するかのように、特別捜査本部の捜査員を狙いはじめた。警視庁組織犯罪対策部の一之宮祐妃は、内部情報の漏洩を察知。自らの進展を賭けて、ある者たちの捜査協力を警視総監に提案するのだった。警察をも怖れぬ犯人に対抗するため、集められし4人の男女。一之宮の「秘策」は、犯人を追い詰めることができるのか。人気著者による長篇ハード・アクション。
「つまりナオミは天地の間に充満して、私を取り巻き、私を苦しめ、私の呻きを聞きながら、それを笑って眺めている悪霊のようなものでした」独り者の会社員、譲治は日本人離れした美少女ナオミに惚れ込み、立派な女に仕立ててやりたいと同居を申し出る。我侭を許され性的に奔放な娘へ変貌するナオミに失望しつつも、その魔性に溺れて人生を捧げる譲治の狂おしい愛の記録。谷崎の耽美主義が発揮された代表作。
高1のつぐみは事故により、ひと夏の記憶を失ってしまう。“あの人”への恋心とともにー。夕焼け色の眼鏡男子と出会った始業式、合宿練習に明け暮れたGW…。思いだすのは夏休み前の、楽しかった出来事。そんな時、「つぐみには大切な人がいたんだよ」と親友の真帆に告げられ、心は大きく揺さぶられる。その相手とは…?なくした記憶と本当の「好き」を探し出す、甘く切ない青春ストーリー。
伝えられなかった言葉。忘れられない後悔。もしも「あの時」に戻ることができたら…。母と娘、夫と妻、父と息子。近くて遠く、永遠のようで儚い家族の日々を描く物語六編。誰の人生にも必ず訪れる、喪失の痛みとその先に灯る小さな光が胸に染みる家族小説集。
領主の娘・ノアの護衛として、フィナを引き連れ王都へと向かうユナ。道中、凶悪盗賊団をやっつけたり、王都に迫る魔物の群れを殲滅したりと相変わらずのチートぶり。だけど本人は、ジャガイモにチーズと地球での馴染み深い食材に出合えたことのほうがなんだかうれしいようです。噂のクマっ娘・ユナの冒険物語第3弾!
高校の校庭のど真ん中には樹齢300年のイチョウの樹が立っている。校内で絶大な人気を誇る“アイドル気取り”の生徒会長・日色冴は、そのイチョウの樹を撤去する方針。一方“こじらせぼっち”の磯山いづみは、大切な居場所であるイチョウの樹を守りたいが何をどうしたらよいのか分からずにいた。そんな時、徳川将軍家の血を引く16歳の亡霊・徳川家基が選挙コンサルタントとして、いづみの前に現れ、事態は思わぬ方向へー。果たして家基の狙いとは?そして、いづみとイチョウの樹の運命は?政治教養エンタメ!
「この世には、罪を犯しながらも裁きを免れて、大手を振って生きておる連中がおる。そうした悪党に天罰を下すのだ」闇奉行と名乗る者の手で、罪を免れた悪党たちの打ち首が辻々に晒されつづける。北町奉行所の元筆頭同心・蔵間源之助は、今は居眠り番と揶揄される閑職だが、闇奉行を喝采する江戸中の熱狂に、恐るべき危うさを感知しはじめていた…。