2016年発売
誘惑飛行にテイクオフ!そこそこ真面目だがダメ男好きな中堅の美咲、奔放で男性ゲットに積極的な理子、お嬢さま育ちで処女の新人・清乃、大人っぽい美しき人妻・やよいー艶やかな4人のCAが、その魅力的な容姿を使って、機内で、ステイ先で様々な男に接近し、一夜の快楽を貪っていくー。「第二回団鬼六賞」ファイナリストの元CAによる絶頂行き官能。
ぼくはシリアル・キラーだ。感じのいい仮面の裏で女たちを襲っては、自宅地下室の檻に監禁して殺している。ある夜、新たに地下室に迎えたエリカのためスーパーへ買い出しに行ったぼくは、美しく謎めいたレジ係のレイチェルに心奪われる。無論、その時は知る由もなかった。彼女に近づくにつれエリカとの力関係も崩れはじめ、完璧な殺人鬼ライフが制御不能になろうとは…。英国発の話題作。
死刑宣告を受けながらも生き延びたイレーナは、故郷シティアに14年ぶりに戻ってきた。両親は涙ながらに娘を迎えるも、兄を始めとする他の者たちは、敵対国で育ったイレーナをあからさまに嫌悪し、密偵に違いないと疑う。またも四面楚歌となったイレーナに、さらなる危機と試練がー明らかになる14年前の真実と、2つの国に蠢く陰謀、そしてイレーナが生まれ持つ宿命とは?見逃せない、第2章。
モツ焼屋、銭湯、カメラマン、ディベロッパー…ひとりの男が仕事を遍歴し、家族のあり方を見つめるなかで沁み出す、人生の哀歓。高度成長期からバブルを経て今日まで、仕事と家庭の間で揺れ動く人びとを円熟の筆致で描いた連作小説。
大学生の石黒洋平は亡くなった母の遺品を整理中、隠されていた手紙を見つける。そこから洋平は、自分の本当の父親が『赤嶺事件』と呼ばれる殺人事件を犯した死刑囚であることを知る。殺された被害者は、母の両親ーつまり洋平の祖父母だった。被害者の孫で、加害者の息子。事実を受け入れられない洋平は、父が無実である可能性に一縷の望みを託し『赤嶺事件』を調べ始めるー。最注目の乱歩賞作家が“司法の闇”を抉り出す!慟哭のリーガルサスペンス。
南極大陸に建設された新国家が“自己撞着狂”の蔓延により滅びの道をたどる「南十字星共和国」。トルコ軍に占領された都市で、宰相の後宮入りを拒んで地下牢に繋がれた姫君の受難を描く残酷物語「地下牢」。革命の混乱のなか旧世界に殉じた神官たちの死と官能の狂宴「最後の殉教者たち」他。20世紀初頭、ロシア象徴主義詩人が紡ぎだす終末の幻想、夢と現、狂気と倒錯の物語集。
藤沼悟の壮絶な追跡の果てに、連続児童誘拐殺人事件の真犯人は、ついに逮捕された。犯人は一審で死刑判決を下されるが、発見された犯人の「手記」に頻出する“スパイス”なる謎の存在への呼び掛けから、精神鑑定によって一転して無罪判決になってしまう。検察は即日上告するが、犯人はなぜか無罪を勝ち取った弁護士を罷免し、若き弁護士・小林賢也が国選弁護人として指名される。彼はサトルの親友であり、自身も事件の当事者の一人だった。ケンヤは戸惑いを覚えながらも、手記を通じて犯人の不可解な内面を探り、己の“正義”をも突き詰めていこうとする。そして、ついに訪れる最高裁での審理。そこで明かされた、ある“真意”とはー。真犯人逮捕の「その後」を描く、驚愕のオリジナルストーリー!
自らの存在意義を否定して身投げした少女、碓氷深白。そんな彼女が目を覚ますと、そこは天国でも地獄でもない、『鏡の世界』と呼ばれる仄暗い空間だった。記憶をなくした彼女はその世界で出会ったユズやリョウタロウと共に、理不尽な世界の捜索を始める。全ては、ミシロが抱きながら死んだはずの“望み”を叶えるために。緻密なストーリーと驚愕の展開で人気を博したホラーフリーゲームを完全ノベライズ!!
1年後の地球破壊を宣言するも、なぜか椚ヶ丘中学校の落ちこぼれクラス3年E組の担任教師となった謎のタコ型超生物・殺せんせー。潮田渚ほか3年E組の生徒たちはその超生物の暗殺を政府から託されていた。2学期を迎え、残された暗殺の時間もあと半年。慌しい学園祭が終わり、束の間の安息が訪れたE組の前に衝撃の暗殺者が正体を現す!?桜が舞う別れの季節、驚き、笑えて、涙する「暗殺教室」最後の授業が始まる!
反戦のシンボルにして20世紀を代表する絵画、ピカソの“ゲルニカ”。国連本部のロビーに飾られていたこの名画のタペストリーが、2003年のある日、忽然と姿を消した…。大戦前夜のパリと現代のNY、スペインが交錯する、華麗でスリリングな美術小説。
札幌から北京そして東京へー。物語の語り手は、一家で飼われてきた歴代十三匹の犬たち。戦前の明るい空気の札幌、戦争中から敗戦後の混乱の中での北京、引揚げ後の米軍の占領に始まる戦後から平成までの東京を舞台に、誰からも愛される犬、臆病な犬、高貴な犬、澄んだ目の犬、縄抜け名人の犬、猫と仲良しの犬、生涯の伴侶犬など、様々な犬たちが描き出す、その犬の一生と家族の歴史。
100年程前、夫となる人の写真だけを頼りにアメリカに嫁いでいった日本の娘たち。失望とともに結婚生活をはじめ、厳しい労働を強いられながら、子を産み育て、あるいは喪い、懸命に働いて、ようやく築いた平穏な暮らしも、日米開戦とともにすべてが潰え、砂漠のなかの日系人収容所へー。「わたしたち」という主語を用いて、女たち一人ひとりの小さなエピソードがつぎつぎと語られるうち、その小さなささやきが圧倒的な声となってたちあがる、痛ましくも美しい中篇小説。
現実の凍土に震える者よ。六花の結晶よりも儚げな、肉の器を持つ者よ。皆川博子の祝福を受け入れるがよい。彼女の吐息は、夢幻の精霊。夜の帷にも似た抱擁と、甘やかな痛みとともに、色の無い世界も染まりゆく。唇は情念よりも朱く、血は薔薇よりも青く、死は詩のように色づいて…。儚げな、肉の器を持つ朋よ。やがて知ることになるだろう。自分の内側に注ぎ込まれたものの真の意味を。著者初の時代小説「十五歳の掟」を含む表題作、江戸民衆の情念を炙り出した「朱紋様」の2冊に加えて、単行本初収録の連作短篇を併録。
旧制一高在学時、20歳の川端が出会った運命の少女・伊藤初代。不遇の幼少期を過ごした13歳のカフェ女給に、自分と同じ孤独を見た川端はたちまち心奪われた…。恋の歓喜と思わぬ結末を描く「篝火」「非常」から、著者の女性観を色濃く映す「孤児の感情」「再会」まで、初恋をテーマとした“ちよもの”を集成。「伊豆の踊子」の原点となり、文豪を生涯魅了した永遠の少女像がいま甦る。新発見書簡も初収録!
18歳で私を身ごもった母。「お前は醜い」と私に言い続けた母。育児を放棄し不倫に走る母…。そんな母に認められたくて子役の仕事を始めた私は、やがて女優「遠野なぎこ」になった。思春期を迎え、増える体重に悩む私に悪魔がささやく。「吐けばいいのよ」。悪魔は母の顔をしていたー。摂食障害に苦しみ、愛情を求めてさまよった壮絶な体験を綴る。圧倒的共感を呼んだ自伝的小説。
鬼無里が、消える…。民俗学者・蓮丈那智と助手の内藤三國は差出人不明のメールを受け取り、かつて訪れたH村に思いを馳せる。5年前、鬼の面をつけ、家々を練り歩く神事の最中、殺人事件が起きたのだった。誘われるようにふたたび向かった村では、ある女性が待っていたー。著者急逝から6年、残された2編と遺志を継いで書かれた4編を収録。歴史民俗ミステリ、堂々たる終幕!
決して陥ちぬ天下城、それは築城家の見果てぬ夢。戸波次郎左は信長の夢を叶えるため、欧州に向かった。安土城を造った鬼才の血を引く男はイタリアで名を上げる。やがて大国イスパーニャの圧政に抗うネーデルラント人たちに請われ、彼らを守る鉄壁を手がけることに。愛しい妻子。異国で得た信頼。だが故郷日の本はあまりに遠くー。佐々木譲が全ての力を注ぎ込んだ、大河冒険小説。