2017年11月発売
俺とおまえで世界を救いに行こうじゃないかーー 稀代の人気作家ふたりが合作、その化学反応が生み出した問答無用のノンストップ・サスペンス。 下巻には本編の後日譚となる書き下ろし掌編小説をボーナストラックとして収録! 少年時代の悪友ふたりと一匹の犬が、世界を破滅から救うために大博打を決意する。 逃走する相葉と井ノ原、そしてポンセと呼ばれる一匹の犬。二人と一匹を追撃する銀髪のテロリスト。すべての背後にあるのは「村上病」をめぐる秘密らしかった。ウィルスの発生源とされる蔵王の火口湖「お釜」に何があるのか? そして主演男優のスキャンダルを理由に封印された戦隊ヒーロー映画に何が映っていたのか? 太平洋戦争末期に蔵王山中に墜落した米軍機の謎を追う女性・桃沢瞳の助けも借りて謎に挑む二人(と一匹)。だが事態を解決するためには、あの銀髪の破壊者との直接対決は避けられないーー 平凡な男ふたりが世界を救うために命をかける。その胸にあるのは少年時代の思い出。ちりばめられた伏線たちが反撃のために収束、破滅へのカウントダウンが点滅する中で、人気作家コンビが腕によりをかけて紡ぐノンストップ・エンタテインメントは白熱のクライマックスに突入する!
霧たちこめる釧路で生まれ、貧しく苛烈な少年時代を経て、男は、自らの過剰な指を切り落として、夜の支配者へとのし上がる──。 男の名は、影山博人。 最初の物語は、没落した社長夫人が、かつて焦がれた6本指の少年の訃報を新聞に見つけるところから始まる。 同衾した女をみな翻弄し、不意に姿を消してしまう正体不明の男であり、故郷に戻った後、暴力で容赦なく人を支配する黒い権力者。 不思議な魅力あふれる影山の、15歳、19歳、27歳、32歳、そして、40手前から52歳までの8つの時期を、時々に出会った女による語りで構成。 ーーはたして、影山博人は、外道を生きる孤独な男なのか? それとも、女たちの「夢」の男なのか? 影山と関係するそれぞれの女たちは皆何かしら困窮している。死別で、離婚で、借金で……誰かや何かにすり減らされてひりひりと痛むような乾いた心を持っている。(中略)そこにある程度の「まっとう」を手に入れ、今もなお貪欲に模索している影山が現れる。ひかれない訳がない。(中略)もしかすると、影山の指が六本なのは、より多くの困窮にあえぐ者にチャンスを与えるために余分に備わったのではないかとすら思う。 (壇蜜・解説より) デビュー10周年の著者による、新境地にして、釧路ノワールの傑作! 「謎」の男をめぐる、八人の女たちの物語。 ──俺には、白と黒しか要らないんだ
中国の山奥からきた吸血種族バンブーは人間そっくりだが若い姿のまま歳を取らない。マフィアによる一家皆殺しから命を救われた少年は、バンブーとその相棒の3人で暮らし始めるも、人間との同居は彼らの掟では大罪だった。禁断の、だが掛けがえのない日々-。郷愁を誘う計3篇からなる大河的青春吸血鬼小説。
歴史に残るような戦国武将は、戦いに勝つべくして勝つのみにあらず。時として味方は寡勢、敵は数倍という絶対絶命の場面を潜り抜けて来て、世に名を残したのだ。織田信長、伊達政宗、浅井長政、島津義弘など七人の武将たちの驚愕の逆転の打開策を、当代きっての名手七人が描く、珠玉の短編アンソロジー。
時は幕末。江戸には、死体から手首を斬りおとす残虐な手口の殺人“手首斬り”が横行していた。その犯行を目撃した南町奉行所の同心・平四郎の命が狙われることに!?そして平四郎の飼い猫である、もののけ仕事人・まるは胸にある決意を抱えていたー。もののけ仕事人とその飼い主たちを描く書き下ろしシリーズ、完結篇。
ビジネスマンの命運は、たった1枚の紙切れに左右される! 大手エレクトロニクスメーカーの宣伝部副部長・広岡修平に、突然、辞令が突きつけられた。異動先は「人事部付」。有能で人柄も良く、大きなミスもせずに社内の出世レースのトップを走っていた広岡に、左遷される節は思い当たらない。仕事に対する情熱と正義感では引けをとらず、自他共に認める同期の第一選抜だった広岡が脱落したのは、なぜか? その内実を自ら調査し始めると、会社内に蔓延する思惑とファミリー企業ならではの病巣が次々と明らかになる。敵は誰か? 同期か、茶坊主上司か、それとも……? ビジネスマンの人生を左右する「辞令」のカラクリを暴き出すビジネス小説界の「現代の新古典」! 「サラリーマンならだれしも経験する人事異動の際の一場面。本作は1988年の刊行だが、30年たっても古びた印象がしないのは、企業社会の本質である『組織と人間』の問題を、『辞令』というそのものずばりのモチーフで活写しているからにほかならない」--解説・加藤正文
かつて仕えた森藩の呼び出しに応じ、旧主・久留島通嘉と面会した小籐次は、思いがけず若き日の悪さ仲間だった松野藩藩主・松平保雅の窮地を救うよう依頼された。保雅と再会した小籐次は、保雅がお家騒動に巻き込まれ、嫡男が人質になっていることを知る。旧主と旧友の信頼に応えるべく松野へと急ぐ小籐次を、敵が迎え撃つ。
「おもしろいものを、見せてつかわそう」と、筆頭与力・佐嶋忠介を伴い市中見廻りへ出た平蔵だが、変事の予感を覚える。翌日、宿直明けの与力・秋本源蔵が半弓で射殺され、平蔵の周辺と身内が連日で命を狙われる。敵は何者か?火盗改方への怨みなら、なぜ下僕まで襲うのか。苦悩の果てに、平蔵は行方知れずとなる。傑作長篇!
謹厳実直な亡父・長谷川宣雄の隠し子出現に、平蔵は苦笑い(「隠し子」)。夜鴉がしきりに鳴いた翌日、おまさは旧知の盗賊・峰山の初蔵に声をかけられる。「新しい荒神のお頭を手伝ってもらいたい。二代目は女だ。先代の隠し子さ」。先代の助太郎親分を思い、おまさの心が騒ぐ(「炎の色」)。二人の隠し子登場で、新たなる物語が始まる。
バハマで反米活動家の男が殺害された。神業と言うべき超長距離狙撃による暗殺だった。直後、リンカーン・ライムのもとを地方検事補ローレルが訪ねてきた。その暗殺は米国政府諜報機関の仕業で、テロリストとして射殺された男は無実だったというー。非合法の暗殺事件を訴追すべく、ライムとサックスたちは捜査を開始する!
無実の男を暗殺した“影なきスナイパー”を追う捜査班。だが証拠が少なすぎる。ライムたちの前に立ちはだかったのは、敵の暗殺者による巧妙な隠蔽工作だった。現場は汚染され、証人は次々と消されていくー。痺れを切らしたライムは、自ら現場のバハマに乗り込むことを決意する!大人気シリーズ第10作。
十津川班の西本刑事が、少し古風な感じのするOL早川ゆう子に恋をした。箱根への日帰り旅行に出かけることになり、新宿発の小田急ロマンスカーに乗車した。ゆう子の高校時代の友人で車内サービス係として忙しく働く前田千加と偶然再会するが、千加が突如車内から消えたのだ!?途中下車する駅もない。その夜、千加は調布市内の自宅マンションから他殺体で発見される。死亡推定時刻は、ゆう子が会った数時間後だというのだが、どうやって帰宅したのかも不明だった…。「行楽特急殺人事件」他、傑作旅情ミステリー集。
明大前駅から徒歩18分のところにある「ティラミスハウス」。その名にまったく似合わない古い木造長屋のシェアハウスに住む女たちは、それぞれ事情を抱えていた。貧困、生活保護、シングルマザー、ネグレクト、外国人実習制度ーー。ひっそりと息を詰めながらも、懸命に生きる彼女たちの本音とは。持たざる者たちの生きづらい現状と、その先にある希望を描いた問題作。R-18文学賞出身の気鋭が、現代社会のリアルに迫る。
戦乱に揺れる奥州の名家、伊達家の長男に生まれた藤次郎。孤独な少年期を過ごしていたが、父から家督を譲られる。伊達の頭領となった藤次郎政宗は、奥州統一を目指し腹心片倉小十郎とともに走り始めたが、最大の窮地が訪れるー。壮絶な戦闘、感涙のシーンを満載した“独眼竜”政宗。オリジナル原稿に大幅加筆した著者渾身の作品。上中下巻同時刊行。激闘の上巻。
伊達家当主として奥州統一に乗り出した政宗。しかし、佐竹、大崎、蘆名との度重なる戦いで苦戦が続き、身内からも命を狙われる事態となる。そんななか、豊臣秀吉が天下人となった。最上との戦いが奥州惣無事令に反したとして秀吉に呼び出された政宗は、一世一代の「勝負」に出る。オリジナル原稿に大幅加筆した著者渾身の作品。上中下巻同時刊行。調略の中巻。
奥州一揆を引き起こしたとして豊臣秀吉に京へ呼び出された伊達政宗。秀吉の手元には政宗直筆の手紙と花押が。政宗は最大の危機を窮余の一策で乗り切る。盤石に思われた豊臣政権が秀吉の死で崩壊。そして、関ヶ原、大坂の陣を経て天下人となった徳川家康に、政宗はどう挑むのかー。オリジナル原稿に大幅加筆した著者渾身の作品。上中下巻同時刊行。感涙の下巻。
まるで吸い寄せられるように二人の男が訪れた廃車置場。そこにうち捨てられた冷蔵庫の中にいたのは、死にかけた裸の幼女だった。男の一人、住職の浄鑑はその幼女ミハルを引き取ることにする。だが、彼女が寺に身を寄せてから、集落では凶事が続き、人々の間に邪気が増殖していくー。ミハルとはいったい何者なのか?まほかるワールド全開の、サスペンス長編!